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目が覚めたら、後輩と…12
しおりを挟む「お前、ヤロー同士でどうやんのか、知ってるのかよ」
「――…二年間」
ぼそり、とそう呟いた知徳はベットの縁からゆっくりと足を下ろすと、快斗の視界から見切れて行く。
「伊達にシミュレーションしてませんよ。 それにここには、色んな物が揃ってますし」
やる気さえあればどうにでもできる、という言葉が知徳の口ぶりに含まれている気がして、胸の中に何とも言えない気持ちが蟠る。
(ふざけんな)
こっちは嫌だって何度も何度も言ってるのに、それを無視してやるってのなら、強姦じゃないか。
…そりゃ、弄られて擦られて、イッたのは確かだ。
でもそうされれば感じるのは当たり前のことだし、快楽に弱いんだから、されれば出ちゃうだろ。
それが原因で、課長ともなしくずしでセックスしてんだし…と思いながら、今ならまだ間に合う、という気持ちを込め、
「なぁ」
と、姿の見えない知徳へ呼びかけた。
「センパイ」
しかしその声を無視するように呼びかけられた快斗の顔が、ムッとしたようにしかめられる。
「…何だよ」
「酔えば、勃たないんでしたよね?」
「ッ!」
「なのに」
そう言いながら、手にピンク色のボトルと小さな包みを手にした知徳が、快斗を見下ろした。
「勃ってましたよね。 それに、イけてたし」
「言うなッ! オ、オレが一番っ…驚いてんだからッ…!」
突っ込んで聞かれたくない所をつつかれた快斗の顔が朱に染まり、あからさまに視線を逸らす。
(どうかしてんだ)
コップ一杯のビール程度なら酒に飲まれたりしないが、それでも俄然性欲が落ちるのは確かだ。
だから記憶を無くすほど酔っ払っても、決して間違いを起こすことはないと、思っていたのに――こんなことなど、本来起こり得るはずがないのだ。
「でも…そのおかげでセンパイとエッチできるなんて、嬉しい」
「あのなぁ」
「あとで訴えられても構いません。 だから…今だけは、おれの恋人になって…?」
ベットの上へ手にしていた物を放り投げた知徳は快斗の上に身を寄せると、熱い囁きと共に唇を擦り寄せ、口づけた。
(…何で)
顔を背ければキスを避けられるはずなのに、できない。
憮然とした顔つきはしているものの、それでも知徳を避けようとはしない快斗の胸が再び騒がしくなってくると、その鼓動を確かめるように手を這わせた知徳に胸を飾る尖りを摘ままれ、体が戦慄く。
「…ん…」
ちゅっ、ちゅっ…と音が立つ口づけを交わしながら知徳の目を見つめると、瞳の奥を覗き込むような目で見つめ返され、ドキッとする。
「好き…好きです、センパイ…」
「止め、ろ」
「…すき」
れろ、と耳たぶを舐められ熱い息を耳朶に吹き込まれると、全身が火をつけられたように熱くなる。
(おかしいって…!)
熱い。 体が。
熱い。 …心が。
素面の状態で斎藤とする時にだって抱いたことのない感覚が快斗の全身を包み、痺れさせる。
嫌なら逃げ出せばいいのに逃げられないのは、この痺れのせいかもしれない、と思っていると、自分の放ったもので濡れていた下肢を握り込まれ、思わず声が出てしまう。
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