クロスオーバー・ラブ

黒崎由希

文字の大きさ
15 / 40

目が覚めたら、後輩と…15

しおりを挟む
 

「はッ…! あ、ぁぁッ…っ…!」

「センパ…! もうちょっと、我慢して…っ…」


(太、ってぇ…!)


 極限まで押し広げられるような感覚が知徳を受け入れた所から這い上がってくる。

 その灼熱を直に受け、強すぎる快感で失いかけた自我を取り戻した快斗は、背中をしならせて呻く。


 ――…斎藤とセックスするようになってから、何度も男のペニスを受け入れてきた。


 入れられる瞬間が一番緊張して、今でも慣れないと感じているのに、知徳から与えられたこの感覚は…その経験値さえゼロに戻してしまうほどの強烈なインパクトを、快斗に与えた。


「んっ…入っ、た…」


 ゆっくりとだが、快斗の両腿を掴み腰を進めていた知徳の唇から、感極まったような呟きが零れる。


 灼熱の楔を打ち込まれ、快楽の世界から無理矢理現実へと立ち返された快斗の耳にその声が届き、多少の痛みはあっても知徳の巨根を受け入れられたことが恥ずかしくなり、涙ぐみながら赤面する。

「やだ…やだって…ッ」

「ごめんなさい、センパイ。…あと、ちょっとだから」

「ひッ、…んっ!」

 熱くて、ジンジンとする感覚に身を揉み、涙を零す快斗を宥めるような声をかけながらゆっくりと腰を動かすと、快斗の意思とは関係なく穿たれる楔の質量と大きさに、悲鳴のような嬌声が上がる。


(何だ、これ…ッ!)


 ギシ、ギシ…と軋んだ音を立てるベットに膝立ちした知徳が腰を振ると、知徳のサイズいっぱいまで広がった腔孔からさざ波のような快感が沸き起こる。


 程なくそれは快斗の芯を捉え、受け入れた時の痛みで萎えかけていたペニスを奮い立たせようとする。


(悦さそう…)


 たっぷりとローションを含み、開いたその中の浅い所を亀頭で突いていた知徳は、入れた瞬間色を無くした快斗の体が再び暖色を取り戻し、汗ばんだ身体に熱が灯るのを見逃さなかった。

「んッ…!」

「い、ゃ…ぁ…ッ…!」

 知徳のカタチに慣れた頃合いを見計らい、更に腰を進め、その最奥をくすぐるように擦り始めた。


(深、い…ッ!)


 今だかつて、これほど深く体を繋げたことなど、あっただろうか。


 そう思うほど快斗の中に入り込んでくる知徳のせいで、快斗は誰にも聞かせたことのない声を上げ、知徳の眼前で痴態を晒した。


(すご、い…ッ!)


「あ…っ…セ、センパイッ…ぁッ…!」

「あーっ…ぁっ、あ…っ、ィ……!」


 快斗の深い所で腰をくぐらせていると、今まで以上の締めつけで知徳を求め、収縮を繰り返す。

 その蠢きに、ココが快斗の一番感じる場所なのだと知った知徳は、本能に従順な獣と化し、腰を振る。


 ――知徳の律動に合わせ、軋むベット。



 その激しい揺さぶりを無理な体勢で受け入れながらも、ひっきりなしに押し寄せる快楽の波に、どうしても上がる声を止められない快斗。


 それは剥き出しの体で、直に快斗の熱を貪る知徳も同じだ。


 …深く深く、身体を繋げた二人の唇から、止めどなく淫靡な色を滲ませた喘ぎが零れ落ち――…


「ぁ…っ…イ、クッ…イクッ、イクぅ…っ…!」

「…ぅんっ…! おれ、もッ…!」


 ぐじゅっぐじゅっ…とローションの泡立つ音が、一際激しく耳朶に響き渡る中…



 二人ほぼ同時に、享楽の高見へと辿り着いたのだった……












.
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】抱っこからはじまる恋

  *  ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。 ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら! 完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 BLoveさまのコンテストに応募しているお話に、真紀ちゃん(攻)視点を追加して、倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

執着

紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。

処理中です...