28 / 40
気がついたら、上司と…7
しおりを挟む「ふっ……ぅ…」
スーツを着ていた時には気がつかなかった、意外に筋肉のついた胸板を大きく上下させ、呼吸を荒げている快斗。
じわりじわりと、体の芯を快感に囚われ目を眇めるその姿はいやに扇情的で、斎藤は始めあった悪戯心を忘れてしまったかのように、喉を鳴らして唾を嚥下した。
「男にも、色気を感じるとはな…」
斎藤の手の中で完勃ちになった快斗から離れると、突然快感の渦から解放された快斗の腕が落ちる。
「…っあ…ぁ…」
自分からねだるように突き出していた尻をシンクの縁にかけ、両手でそれを掴んで寄りかかり、砕けそうになる足を支えた快斗は、肩で息を継ぎ呼吸を整える。
(マジかよ)
やはり斎藤も同じ男である、どこをどう触れば息子がカタチを変え、感じるのかを熟知しているように動き回った指遣いのせいで、ほんの数分のうちに射精しなければ元には戻れない状況へと、追い込まれてしまう。
斎藤が何を思ってこんなことをしたのかは分からないが、これはトイレでイッパツ抜かないことにはどうにもならないだろう。
(まいった)
尊敬している上司の前で勃起するなんて、と思っていると、肩で息をつく快斗のベルトにその指が伸び、ギョッとする。
「ちょっ…! 課長ッ!?」
何をする気だ、と聞かなくとも分かる斎藤の指がベルトを外す様子に、気持ちばかりが焦り手が伸びない。
マジかッ、と内心で思っているうちにベルトとスーツのズボン、それにファスナーを下ろされてしまうと、快斗のズボンは重力に習い、ストンと床に落ちてしまう。
「な…」
グレイのボクサーパンツに先走りが滲むパンツ一つにされ呆気にとられていると、腹の薄い場所に斎藤のかさついた指の感触を捉え、体を戦慄かせた。
「うん…綺麗な色をしているな」
その指にパンツのゴムを下げられ勢い良くペニスが飛び出すと、快斗を見た斎藤の口から感嘆の声が上がり、身の置き場を無くしたように真っ赤になる。
(や~め~ろ~…!)
羞恥プレイにしても、ほどがある。
久々の感触で勃たされただけでも屈辱的なのに、何が楽しくてその姿を上司に晒さなければならないのだろう。
いや、そもそも何を思って斎藤がこんなことをしたのかが分からないからこそ、どう抵抗すればいいのかが、混乱している快斗には想像も出来ずにいた。
「ど、して…」
火を吹きそうなほど赤く染まった顔を隠すように手を翳し、その陰からやっとの思いで声を出す。
物欲しそうに先端をヒクつかせながらも、恥ずかしそうに赤面している快斗の声を聞いた斎藤は、視線を逸らして俯く。
「…」
すると斎藤は、自分の醜態を恥ずかしがる快斗の様子を見ているうちに、自身のモノにも変化を来していることに…気がついてしまう。
「カイトが、こんなに色っぽいとは思わなかった」
「…!」
手淫の次は言葉攻めかよ、何考えてるんだこの人、と思いながら顔に翳した手を外し文句を言おうとした快斗は、斎藤が自分のベルトに手をかけているのを見て、目を丸くする。
.
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる