クロスオーバー・ラブ

気がついたら、上司と…８

　

「課、長…？」

「君を見ていたら…何となく、ね」


　スラックスの前を寛げ、ワイシャツの裾をたくし上げた斎藤は、濃紺のパンツから自身を取り出す。


　少し濃いめの茂みから、赤黒いその先端が覗き見えると、触れてもいない斎藤のペニスが変化しているのに気づいた快斗の胸が、急に加速し出した。

「久々で…キたな」

　ふっ…と、熱い息を吐く斎藤の指が自身の屹立に絡みつき、視線を奪われる。


（…マジ？）


　快斗より幾分太さがあるように見える怒張を両手で握り込み、擦り上げる斎藤を思わずガン見する。

　自分でスラックスを緩めた時には『まさか』と思ったが、その思い通りに上司の自慰を目の当たりにした快斗は、喉を鳴らして唾を飲み込んだ。


（やべ…）


　斎藤のセクシーな息遣いと、見せられるオナニーショウのせいで、理性が馬鹿になっている。

「は、…ぁ…」

　到底現実で起きていることだとは思えない事態に酩酊した快斗は、斎藤と同じように自身の下肢へ指を伸ばし――いきり立つ怒張の根元に、指を絡めた。

「んッ…！」


　――掴んだ瞬間、くちっ、と独特の音を立て、指先に灼熱の温度を伝えてくるペニス。


　斎藤のモノから自分のモノへと視線を転換させた快斗は、ドクドクと脈打ち情熱の出口を求める己れを慰めるように指を這わせた。


「んぁ…っ…」


　ピンと張った先端から零れ出るぬめりを指に纏わせ、絶頂目指して激しく手を動かす。


　顔に情欲の色を強く滲ませ、自慰に集中している快斗をチラリと盗み見た斎藤も、久々に滾る感覚に背筋を震わせながら、自分のモノを擦り上げる。


（ま、じぃ…）


　上司の前、上司が見ている、と分かっているのに、どうしても手の動きを止めることができない。


　しかもそれは快斗ばかりではなく、同じように亀頭を刺激したり、濃いめの茂みにまで体液を滴らせている斎藤もだと目で確認すると、胸が欲情で上擦り、たまらなくなる。



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