【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫

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17 雑

「……さっさとおわらせてかえろう、ぎる。」
「ふぅー、仰せのままに、我が愛しの姫君。」

 メアリーの懇願にギルバートは頷いた。

「さてガイセル殿、次が3つ目にして最後の重罪です。
 それは…………。」
「ぎる、もったいぶらずにはやくして。」

 未だに羞恥から抜け出せずに、舌ったらずになってしまっているメアリーが不機嫌そうに言った。
 早くこの場から逃げ去りたくて仕方がないようだ。

「我が愛しの婚約者を女狐扱いしたことだ!!」
「違うでしょう?」
「良いじゃないか、アリー。」
「ダメ。」

 だいぶ呂律が回るようになったメアリーがギルバートの唇に人差し指を押しつけて「めっ」と言った。

 この時、『「めっ」てするコレット嬢が可愛い』とこの会場にいる人間のほとんどが思ったことはまた別のお話である。

「はぁー、分かったよ。3つ目の罪はあんたが色々とサボったことだよ。」
「ギル、それでは雑すぎますよ?」

 ギルバートはメアリーの言葉に面倒臭そうに頭をガリガリと掻いた。メアリーをお姫様抱っこしたままするとは、本当に器用な男だ。

「ああああぁぁぁぁ、面倒くさい!!」
「ギル。」
「分かった、分かったよ、分かったから凄まないでくれ、アリー。」
「ん、」

 にっこり笑いながら凄んで見せたメアリーは流石幼馴染というべきか、扱いが天災の如く難しいギルバートのことを最も簡単に制御して見せた。
 この際、普段ギルバートの暴走を顔面から思いっきり喰らっている国王は、女神を目にしたかのように息を呑んでいたらしい。否、もしかしたら、メアリーはこの可哀想な国王にとっては、救世主のような女神様だったのかもしれない。

「あぁ、神よ……。」

 王妃が祈りをあげる国王から一歩離れた。

*******************

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