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47 お願い
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「王太子殿下、賠償金替わりに、1つ、お願いを聞いていただけますか?」
「あ、あぁ、内容によるがこちらにできる範囲のことなら構わないよ。」
「ありがとう存じますわ。」
メアリーの楽しげな笑みに、レイナードは本能的な恐怖を感じた。
そして、隣に立っている婚約者の異変に気がつかないキャサリンは今度メアリーが家に来るということに羽の生えた天使のように舞い上がっている。
「殿下方には、これからこちら国で立ち上げます私の実家のコレット商会の妹商会にあたる商会、クラディッシュ商会をご贔屓にしていただきたいのです。」
「そんなことで良いのか?」
「えぇ、私としましては王家にご贔屓にしていただけるだけでも、身にあまる光栄ですから。」
危険な王妃の派閥を排除できる願ってもない提案に、レイナードは訝しげな表情を作った。
「それに私、win-winな関係の契約以外は絶対に結ばないようにしていますの。」
暗にこちらの利益は十分だと言われたレイナードは、安心したように破顔した。
「あぁ、承知した。これからはそちらの商会で買い物させていただくとしよう。」
「まぁ、光栄ですわ!!
ですが、今まで王家に入っていた商会は大丈夫なのですか?」
メアリーは嫌味たっぷりに王妃へと視線を向けた。
そのことに気がつき、びくりと身体を震わせた王妃は国王に縋りとこうとしたが、冷たい表情をした国王によってあえなく無視されてしまった。
絶望と怒り、憎悪に狂った王妃は自らの派閥の人間のみが知っているとっておきの合言葉を叫んだ。
「『ミルクティーのネズミは月夜の晩に儚くなる!!』」
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「あ、あぁ、内容によるがこちらにできる範囲のことなら構わないよ。」
「ありがとう存じますわ。」
メアリーの楽しげな笑みに、レイナードは本能的な恐怖を感じた。
そして、隣に立っている婚約者の異変に気がつかないキャサリンは今度メアリーが家に来るということに羽の生えた天使のように舞い上がっている。
「殿下方には、これからこちら国で立ち上げます私の実家のコレット商会の妹商会にあたる商会、クラディッシュ商会をご贔屓にしていただきたいのです。」
「そんなことで良いのか?」
「えぇ、私としましては王家にご贔屓にしていただけるだけでも、身にあまる光栄ですから。」
危険な王妃の派閥を排除できる願ってもない提案に、レイナードは訝しげな表情を作った。
「それに私、win-winな関係の契約以外は絶対に結ばないようにしていますの。」
暗にこちらの利益は十分だと言われたレイナードは、安心したように破顔した。
「あぁ、承知した。これからはそちらの商会で買い物させていただくとしよう。」
「まぁ、光栄ですわ!!
ですが、今まで王家に入っていた商会は大丈夫なのですか?」
メアリーは嫌味たっぷりに王妃へと視線を向けた。
そのことに気がつき、びくりと身体を震わせた王妃は国王に縋りとこうとしたが、冷たい表情をした国王によってあえなく無視されてしまった。
絶望と怒り、憎悪に狂った王妃は自らの派閥の人間のみが知っているとっておきの合言葉を叫んだ。
「『ミルクティーのネズミは月夜の晩に儚くなる!!』」
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