【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫

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番外編

女狐はできるメイドさま 5

 メイドになってから身につけたちゃちゃっと着替える技術で、ささっと新しいメイド服に着替えたカロリーナはぱぱっと化粧を施して食堂に向かった。もちろん足にはたくさんの暗器が仕込まれている。初めは落ち着かなかったが、今はない方が落ち着かないのだ。

「お、カロリーナちゃん、奥様とお茶するのかい?」
「うん。奥様疲れてそうだったからジャスミンを淹れようと思って!」
「おぉ、そりゃいいアイデアだ。今日の奥様は慣れないことをしてばかりで憔悴しちまってたからな」

 そう、今日はいつものメンバーではないメンバーとお茶会をしたのだ。だからクズ虫が混ざってしまっていて、カロリーナが駆除しに行くことになったのだ。いつもはギルバートが厳選した蝶よ花よと育てられた優雅なご令嬢の集まりのお茶会にしか参加していないメアリーには、今日のお茶会はさぞ苦痛だったことだろう。商談も上手くいかなかったみたいだし。

「奥様、カロンです」
「………どうぞ」

 お茶道具と甘いお菓子を持ったカロリーナがメアリーの室内に入ると、メアリーは1時間前にカロリーナが一時外出した時と寸分狂わぬ位置に座っていた。

「お疲れ様です。ジャスミンはいかがですか?」
「いただくわ」

 これぞ至福!!
 メアリーが口にするからという理由で選択される高級茶葉で淹れる紅茶は、最高に美味しいのだ。

「そうだ。昨日ギルから教えられたのだけれど、あなたに結婚して欲しいそうよ。1度お見合いがあると思うから、嫌だと思ったら即刻私に言ってね?」

 カロリーナは目を見開いて固まった。
 メアリーはこう言っているが、カロリーナは雇われの身だ。断るなど実質のところはあり得ない。

「…………わかり、ました………」

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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感想 35

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