【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫

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番外編

未来の王太子夫妻の恋 6

「レイナードさま!!」
「!?」

 キャサリンがぶんぶん手を振ってレイナードに挨拶をすると、レイナードはこれでもかというほどに目を大きく見開いた。

「ど、」
「ど?」
「ーーーどーしてそんなにぼろっぼろなんだー!?」
「!?」

 今度はキャサリンが目を見開いてびっくりする番だった。びっくりするくらいに大きな声だ。王宮の人間は皆声が大きいのだろうか。大きいならば、しっかりと鍛錬を積まねば………!!キャサリンは明後日の方向に思いっきり思考を飛ばしながらもにこにこした。幼い頃から母親に叩き込まれた笑顔の仮面は余程のことでもおさらばしないらしい。キャサリンは変なところでふむふむと感心してしまった。

「2階から飛び降りてそのまま走ってきたからかしら?」
「はあ!?」

 キャサリンは鼓膜が破れてしまう前に、耳を泥で汚れた手で覆った。

(あらまあ、またまた大きな声。)

 くすりと笑うと、彼の顔が不機嫌そうに歪む。天使はそんな表情すらも美しい。

「ふふふっ、私、木登りは得意なの。」
「………靴は?髪飾りは?服の飾りは?」
「邪魔だから退けてやったわ。」

 キャサリンは悪びれもなく、あまつさえ、ふふーん!、と言わんばかりに胸を張って言った。
 キャサリンの服装は、レイナードが言った通り満身創痍だった。綺麗なドレスは思いっきり着崩されてリボンと宝石が外され泥だらけで、ストッキングは足裏が破けてこれまた泥だらけ、極め付けは泥だらけで適当に解いたせいで絡まってしまっている葉っぱ混じりの泥だらけの髪だ。もちろん髪飾りと靴はお空の遠くに行ってしまっている。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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