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番外編
未来の王太子夫妻の恋 8
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「それで?何が言いたいんだ?」
「ふふふっ、普通に考えて、そんな警備しかつけてもらえないような男の子がこの庭園に入れるなんておかしいじゃない。だからね、あなたのお名前に該当する貴族名簿を調べてみたの。」
歌うように穏やかで楽しげな口調で話しているのに、キャサリンには一切の容赦がなかった。にも関わらず、驚いたりはするものの、穏やかな笑顔を浮かべ続けているレイナードは、異常なまでに肝が据わっているのだろう。
「そうしたらね、なーんとビーックリ!!第2王子殿下以外にこの年齢層で『レイナード』というお名前の少年はいないのでした!!」
ぱあ!!とお手々を広げたキャサリンは、実に楽しげだ。このお遊びを心の底から楽しんでいる。レイナードはつくづく趣味が悪いと思いながらも、キャサリンの演劇のような語り口調が気に入った。
「だからね、あなたの正体は第2王子殿下以外にあり得ないはずなの。だって、異国のお貴族さまのご子息ならば、ちゃーんと護衛くらいつけるでしょう?」
「そうだね。………そうだよ、僕は第2王子のレイナードだよ。後ろ盾も何もない、しがない側妃の息子さ。」
自嘲のような笑みと言葉に、キャサリンはむぅっとくちびるを歪めた。キャサリンは自分を卑下する人間がお好みではない。だから、彼に悪魔の囁きを呟くことにした。
秘密のお話のように、耳元にくちびるを寄せて、小鳥が囀るようにキャサリンは言いたいことを口にする。
「あら、ないなら作ればいいじゃない。未来の王さま。」
「!?」
「ふふふっ、私ね、あなたのことが気に入ったの。だからね、ーーー私の未来の旦那さまになって。」
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「ふふふっ、普通に考えて、そんな警備しかつけてもらえないような男の子がこの庭園に入れるなんておかしいじゃない。だからね、あなたのお名前に該当する貴族名簿を調べてみたの。」
歌うように穏やかで楽しげな口調で話しているのに、キャサリンには一切の容赦がなかった。にも関わらず、驚いたりはするものの、穏やかな笑顔を浮かべ続けているレイナードは、異常なまでに肝が据わっているのだろう。
「そうしたらね、なーんとビーックリ!!第2王子殿下以外にこの年齢層で『レイナード』というお名前の少年はいないのでした!!」
ぱあ!!とお手々を広げたキャサリンは、実に楽しげだ。このお遊びを心の底から楽しんでいる。レイナードはつくづく趣味が悪いと思いながらも、キャサリンの演劇のような語り口調が気に入った。
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「そうだね。………そうだよ、僕は第2王子のレイナードだよ。後ろ盾も何もない、しがない側妃の息子さ。」
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秘密のお話のように、耳元にくちびるを寄せて、小鳥が囀るようにキャサリンは言いたいことを口にする。
「あら、ないなら作ればいいじゃない。未来の王さま。」
「!?」
「ふふふっ、私ね、あなたのことが気に入ったの。だからね、ーーー私の未来の旦那さまになって。」
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