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番外編
未来の王太子夫妻の恋 9
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キャサリンの言葉に、レイナードは目をぱちくりとさせた。だが、次の瞬間、顔を赤く染め上げた。
「はあ!?何言ってんの!?馬鹿なの!?それ、謀反を起こすって言っているようなものだよ!?」
「それが何?私、やりたいことをやりたいようにするのが好みなの。」
「っ!?」
キャサリンはにこにこと感情の見えない笑みを浮かべて、レイナードの顔色を伺っている。
(女の子からのプロポーズってはしたないかしら?)
キャサリンが自らの恋心に気がついたのは、たったの3日前。つまり、彼に出会った日だ。だから、これはいささか時期尚早だったかもしれない。けれど、キャサリンは母親の言いつけをちゃんと守ったのだ。
▫︎◇▫︎
3日前の登城の帰り、キャサリンは馬車の中でぼーっとしてしまっていた。
「どうしたの?キャサリン。」
「あ、母さま。あのねあのね、今日とーっても綺麗な男の子に出逢ったって言っていたでしょう?私ね、その時上手く表情を操れなかったのですわ。」
「まあ、それはもっとお稽古が必要ね。それで?どんなふうに表情を崩してしまったの?
「頬がね、ぽーって熱くなって、心臓がどくどくって早くなってしまいましたの。」
キャサリンの父親の表情が、次の瞬間氷のように硬くなった。キャサリンは気づかずに話し続ける。
「………私、病気でしょうか。」
「それは恋ね。」
「こい?」
「恋。」
「………、」
キャサリンはじいっと考え込んだ。
「あの救いようのない王太子とは婚約破棄するのでしょう?傷物でも拾ってくれるのなら、彼と婚約者になるのも夢じゃないかもしれないわね。」
母親は、甘い声で甘美な提案をしてきた。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「はあ!?何言ってんの!?馬鹿なの!?それ、謀反を起こすって言っているようなものだよ!?」
「それが何?私、やりたいことをやりたいようにするのが好みなの。」
「っ!?」
キャサリンはにこにこと感情の見えない笑みを浮かべて、レイナードの顔色を伺っている。
(女の子からのプロポーズってはしたないかしら?)
キャサリンが自らの恋心に気がついたのは、たったの3日前。つまり、彼に出会った日だ。だから、これはいささか時期尚早だったかもしれない。けれど、キャサリンは母親の言いつけをちゃんと守ったのだ。
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3日前の登城の帰り、キャサリンは馬車の中でぼーっとしてしまっていた。
「どうしたの?キャサリン。」
「あ、母さま。あのねあのね、今日とーっても綺麗な男の子に出逢ったって言っていたでしょう?私ね、その時上手く表情を操れなかったのですわ。」
「まあ、それはもっとお稽古が必要ね。それで?どんなふうに表情を崩してしまったの?
「頬がね、ぽーって熱くなって、心臓がどくどくって早くなってしまいましたの。」
キャサリンの父親の表情が、次の瞬間氷のように硬くなった。キャサリンは気づかずに話し続ける。
「………私、病気でしょうか。」
「それは恋ね。」
「こい?」
「恋。」
「………、」
キャサリンはじいっと考え込んだ。
「あの救いようのない王太子とは婚約破棄するのでしょう?傷物でも拾ってくれるのなら、彼と婚約者になるのも夢じゃないかもしれないわね。」
母親は、甘い声で甘美な提案をしてきた。
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