【完】ふむふむ成る程、わたくし、虐めてなどおりませんわよ?

桐生桜月姫

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2 ふむふむ成る程、わたくし、虐めてなどおりませんわよ?

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「婚約破棄、賜りましたわ。ご機嫌よう」

 カツカツとハイヒールを鳴らして歩き出すと、後ろからミルフィーユに従って3人のご令嬢が歩き始めた。

「!? み、皆さま何をしているの!?なんで虐められていた女についていくのよ!?」
「………そもそも、わたしたちが虐められていないからですわ」

 マカロン伯爵令嬢の声に、ミルフィーユは困ったように笑った。きらきら輝くプラチナブロンドに水面のような水色の瞳、綺麗な顔立ちの女性は穏やかで物静かだが、怒らせると怖いもの知らずとなってしまうのだ。

(庇わなくてもいいものを………)

 青から水色のグラデーションのプリンセスラインのドレスを翻して、自分に付き従うかの如く動く3人の勇敢な令嬢を見たミルフィーユは、諦めて戦闘体制に入った。お友だちを危険に晒すことができるほど、ミルフィーユは腐っていなかったのだ。

「えっと、でも、あなたたちは毎日、アフォガード侯爵令嬢のサロンで、むすーっとした顔で必死になって昼食を睨みつけていましたわよね?虐められていたのでしょう!?とっても辛そうでしたわ!!」

 力説するかのような話し方に、ミルフィーユはふむふむと頷く。

「ふむふむ成る程、わたくし、虐めてなどおりませんわよ?」

 そして、こてんと首を傾げた。

「えぇ、そうですわね。ご指導いただいていただけですわね」
「はい!あたし、ミルフィーユさまに虐められるどころか、可愛がってもらっていますよ!!ミルフィーユさま大好きです!!」
「………ミルフィーユさまはお優しい方です。虐めるなどとんでもございません」

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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