【完】ふむふむ成る程、わたくし、虐めてなどおりませんわよ?

桐生桜月姫

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指輪選び②

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「ルイボス殿下の指輪は、はちみつ色の純金にアメジストにしてください。デザインは、わたくしのものと対になるようにしていただけると嬉しいです」
「分かりました。少々お待ちください。今、指輪のデザインが得意なものを連れて参ります」

 消えた店主の背を見つめたミルフィーユとルイボスは、その後店の中を見て回った。たくさんの物を見て周り、お互いにこれが似合うんじゃないか、これはお得なんじゃないか、こんなデザインは斬新であるだとか、いろいろなことを話し合った。
 中でも、ミルフィーユは銀の花形の台座に、少し淡めの色彩のアメジストとピンクダイヤがころころと付いている髪飾りに見入ってしまった。

「みーちゃん、その髪飾りが気に入ったの?」
「え、あ、………昔、………出会って間もないころに、ルー君が髪に刺してくれたお花と似ているなて思って」

 可愛らしい桃色の小さなお花を思い出したミルフィーユは、へにゃりと笑った。よっぽど嬉しい出来事だったのだろう。

「あぁー、………、」

 だが、ルイボスは歯切れ悪くポリポリと頭をかいて顔を赤く染めた。

「カリンのお花やね!!花言葉は『唯一の恋』!!これ以上にない素敵なお花のプレゼントさね!!」
「ふがっ!!」

 2人の静寂を破るかのように元気の良い女性の声が聞こえて、ミルフィーユは目をぱちくりとさせ、ルイボスは顔を首まで赤く染め上げた。

「………ルー君、もしかして出会った当初からわたくしのことが好きだったの?」
「………………そうだよ!!なんか悪い!?」
「いいえ、嬉しいなって思っただけ」

 ミルフィーユは幸せそうに笑って、愛おしそうに髪飾りを眺めるのだった。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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