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番外編
夫人は見限る
▫︎◇▫︎
アイーシャを逃したという報告を受けた数日後、カリーナは阿鼻叫喚に溢れる国を冷たい目で見下ろしていた。
「アイーシャを追い出すからこうなるのよ」
小さな呟きに、アイーシャが追放されてすぐに官職を手放したカリーナの夫がカリーナの肩に手を置いた。
「君はこうなると分かっていたのかい?」
「えぇ、当たり前でしょう?だってあの子はこの国の『守り神様』の愛し子なのよ?追い出したらどうなるのかというくらい簡単に分かるでしょう?」
「そうだね」
カリーナの夫は優しく頷いて寂しくなっていく屋敷に目を向けた。屋敷の荷物はどんどん荷造りされていき、要らないと判断された物は売られていく。職業を外国に斡旋した屋敷のメイドや下僕、侍女に従者も自らの荷造りを始めているのか、家令用の部屋の方からは喧騒がする。
「領地の民の方にも通達を出しておいたよ。『この国は時期に滅びるだろう。お金を出すから、異国に新たな住まいを持つことを勧める』と」
「そう、さすがね。お仕事が早いわ」
「君の通告のお陰だ」
「いいえ、貴方の手腕あってこそよ」
夫婦は穏やかに抱き合って、そして寂しい屋敷に別れを告げた。
「「さようなら」」
破滅への足音を鳴らし始めた国を、アイーシャを大事にしていた夫妻は自分達の配下のものを連れて出ていった。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
ぽんぽち様より夫人がどうなったのか気になるというご意見をいただきましたので、書いてみました。数日間朝の6時に更新しようと思います。
よろしくお願いいたします。
アイーシャを逃したという報告を受けた数日後、カリーナは阿鼻叫喚に溢れる国を冷たい目で見下ろしていた。
「アイーシャを追い出すからこうなるのよ」
小さな呟きに、アイーシャが追放されてすぐに官職を手放したカリーナの夫がカリーナの肩に手を置いた。
「君はこうなると分かっていたのかい?」
「えぇ、当たり前でしょう?だってあの子はこの国の『守り神様』の愛し子なのよ?追い出したらどうなるのかというくらい簡単に分かるでしょう?」
「そうだね」
カリーナの夫は優しく頷いて寂しくなっていく屋敷に目を向けた。屋敷の荷物はどんどん荷造りされていき、要らないと判断された物は売られていく。職業を外国に斡旋した屋敷のメイドや下僕、侍女に従者も自らの荷造りを始めているのか、家令用の部屋の方からは喧騒がする。
「領地の民の方にも通達を出しておいたよ。『この国は時期に滅びるだろう。お金を出すから、異国に新たな住まいを持つことを勧める』と」
「そう、さすがね。お仕事が早いわ」
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「いいえ、貴方の手腕あってこそよ」
夫婦は穏やかに抱き合って、そして寂しい屋敷に別れを告げた。
「「さようなら」」
破滅への足音を鳴らし始めた国を、アイーシャを大事にしていた夫妻は自分達の配下のものを連れて出ていった。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
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よろしくお願いいたします。
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