『完』婚約破棄されたのでお針子になりました。〜私が元婚約者だと気づかず求婚してくるクズ男は、裸の王子さまで十分ですわよね?〜

桐生桜月姫

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8 マリンソフィアの荷物整理

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「そうね。私が伝えておくわ。ありがとう、ちびっ子」
「もうっ!もっと素直に褒めてええんよ?」
「だーめ。ちびっ子はすぐに鼻高さんになっちゃうから」
「むうっ、」

 可愛い後輩の頭をぽんぽんと撫でたクラリッサは、焦茶色の髪を揺らし、ミルクティー色の瞳を細めて微笑んだ。

「私、今日は店長のお世話で9時出勤になりそうだから、みんなで協力して頑張るのよ?」
「うん、任せといてーな。店長のデザインしたとーっても美しいドレスの仮縫い、ちゃーんと終わらせとくさかい、びっくりせんといてな?」
「えぇ、頼りにしているわ」

 面倒見のいいクラリッサは、そう残すと食堂へと迷いなく向かった。

▫︎◇▫︎

 マリンソフィアは、去っていったクラリッサの背中の方を数分見つめたのちに、緩慢な仕草で動いて生家から持ち出した物の整理を始めた。
 貴金属類以外はあまり持ち出していないが、それでも本やお金などそこそこのものが入っている。下着やドレス、私服に靴はお店にある物の方がいい物だから、1つも持ち出さなかったがが、頭が冷静になってくると、多少は持ち出した方が良かったのではないかと思い返してしまう。

 ーーーぱんっ、

「後悔なんてらしくないじゃない!!さあ!さっさとお片づけしちゃうわよー!!」

 マリンソフィアはそう言って、貴金属類をお部屋にある青薔薇のデザインの宝石箱に、綺麗なデザインの上等な物だけを詰め込んでいった。その際、デザインが古臭いものや、趣味が悪い物、例えば髑髏ドクロに蛇が巻いている銀細工や毒花の宝石細工などを除けていった。他にも、悪い思い出などしかない、愛人さまのありがたーいプレゼントという名の毒が仕込まれていたブローチやネックレス、ブレスレットにイヤリングなども除けていく。
 すると、なんということか、貴金属類が5つしか残らなかった。

「………捨てる分だけで、お店が開けそうね」

 吐き捨てると、マリンソフィアは次に要らない貴金属類の分類分けに移る。これからお店で売るものと、他の店に持って行って売り捌くものとを、きっちりはっきり分けるのだ。そこに未練や勿体無いという感情はない。また欲しくなったら、買えばいいのだ。

「ま、そんな日は来ないだろうけど」

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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