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55 求婚
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「あぁ、なんと美しい人なんだ。絹のように美しく真っ白な髪に、サファイアのような知性あふれる瞳。どうか俺の妃になってはくれないだろうか」
「………………」
『お断りいたしますわ』と言えたならどんなによかっただろうか、マリンソフィアは嫌悪感に吐きそうになるのを必死に耐えながら、なんと都合の良い男なんだと心底感心していた。
(わたくし、『老婆のような白髪に、ちょっと賢いからって生意気な青い瞳が気に入らん!!よって婚約を破棄する!!せいぜい泣き喚くんだな!!』って婚約破棄されたのだけれど、同じ髪と瞳の色なのに、何故こんなにも評価が違うのかしら?)
「ソフィー」
「………………」
もう一生声も聞きたくなかった男に愛称で呼ばれ、嫌悪感が限界にまで迫り上がる。
(そうやって読んでいいのは彼だけなのに)
何故かアルフレッドの顔が頭に思い浮かぶ。マリンソフィアは泣きたい心地になるのを必死に我慢して、表情を無にして王太子を無視することにする。
「………今日はどのようなご用件で?聞くところによると、急用があるとのことですが………」
「あぁ!パレードで着る服を是非とも貴殿に仕立てて欲しかったのだ!!そうそう、君とお揃いになるように仕立ててくれるとありがたい!!」
「………………布を取って参りますわ、クラリッサ」
「仰せのままに」
付き従ってくれるクラリッサに安堵しながらも、マリンソフィアは自室へと駆け上がるまで嘔吐したいのを必死になって耐えた。そして、8階の自分専用のお手洗いに駆け込み、クラリッサに背中を撫でられながら戻した。美味しかったはずの昼食が逆流するのを他人事のように見て、マリンソフィアはぽろぽろと涙をこぼす。
「………きもちわるい。きもちわるいの、クラリッサ。“ソフィー”って読んでいいのはアルだけなのにっ、」
タオルで口元を覆ったマリンソフィアは、ぎゅっと床に丸まった。
「ーーー私、アレを締めてきても構いませんか?」
「………………だめ、今のわたくしでは庇いきれないわ」
「ーーー申し訳ございません。完全犯罪を今必死に考えているのですが、警護が邪魔でどうやってもうまくいきそうにありません」
悔しげにつぶやくクラリッサに、マリンソフィアは嬉しそうに弱々しく笑った。
「ふふふっ、………気づかってくれてありがとう、クラリッサ」
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「………………」
『お断りいたしますわ』と言えたならどんなによかっただろうか、マリンソフィアは嫌悪感に吐きそうになるのを必死に耐えながら、なんと都合の良い男なんだと心底感心していた。
(わたくし、『老婆のような白髪に、ちょっと賢いからって生意気な青い瞳が気に入らん!!よって婚約を破棄する!!せいぜい泣き喚くんだな!!』って婚約破棄されたのだけれど、同じ髪と瞳の色なのに、何故こんなにも評価が違うのかしら?)
「ソフィー」
「………………」
もう一生声も聞きたくなかった男に愛称で呼ばれ、嫌悪感が限界にまで迫り上がる。
(そうやって読んでいいのは彼だけなのに)
何故かアルフレッドの顔が頭に思い浮かぶ。マリンソフィアは泣きたい心地になるのを必死に我慢して、表情を無にして王太子を無視することにする。
「………今日はどのようなご用件で?聞くところによると、急用があるとのことですが………」
「あぁ!パレードで着る服を是非とも貴殿に仕立てて欲しかったのだ!!そうそう、君とお揃いになるように仕立ててくれるとありがたい!!」
「………………布を取って参りますわ、クラリッサ」
「仰せのままに」
付き従ってくれるクラリッサに安堵しながらも、マリンソフィアは自室へと駆け上がるまで嘔吐したいのを必死になって耐えた。そして、8階の自分専用のお手洗いに駆け込み、クラリッサに背中を撫でられながら戻した。美味しかったはずの昼食が逆流するのを他人事のように見て、マリンソフィアはぽろぽろと涙をこぼす。
「………きもちわるい。きもちわるいの、クラリッサ。“ソフィー”って読んでいいのはアルだけなのにっ、」
タオルで口元を覆ったマリンソフィアは、ぎゅっと床に丸まった。
「ーーー私、アレを締めてきても構いませんか?」
「………………だめ、今のわたくしでは庇いきれないわ」
「ーーー申し訳ございません。完全犯罪を今必死に考えているのですが、警護が邪魔でどうやってもうまくいきそうにありません」
悔しげにつぶやくクラリッサに、マリンソフィアは嬉しそうに弱々しく笑った。
「ふふふっ、………気づかってくれてありがとう、クラリッサ」
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
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