『完』婚約破棄されたのでお針子になりました。〜私が元婚約者だと気づかず求婚してくるクズ男は、裸の王子さまで十分ですわよね?〜

桐生桜月姫

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61 マリンソフィアは落ち込む

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「………………お気に召しませんでしたか?」
「デザインや着心地はびっくりするくらいに、とっても気に入っているわ。流石はわたくしの1番弟子っていう感じね。でも、お給金は使い方を間違っている気がするから、わたくしが別途で予算を割くと言っているの」
「………そういうことなら分かりました。これからも仕立てても良いということなら、私はひとまずは納得しておくことにします」

 マリンソフィアは納得してくれた部下にほっとしながら小さく呟いた。

「そう、よかったわ」

 クラリッサはその言葉を聞いた後に、とても機嫌良さそうにドレスを取りに行って、がさごそとクローゼットの中を漁った。
 そういえば、昨日の扇子もクラリッサがお給金で買ったものではないのだろうか。

「あの、その、………昨日は扇子を折ってしまって悪かったわね。お金を先に出しておくから、また好きなのを買いなさい」
「あぁ、………お気になさらず。あれは多分、私も同じ状況になったら身体に力が入りすぎて、扇子を折るでしょうし、最初に渡していた方は、デザインを見て衝動買いしてしまった方ですので、そこまで高い代物でもありませんでしたから」
「本当にごめんなさいね」

 マリンソフィアはしゅんとしてしまった。クラリッサはマリンソフィアが落ち込めば落ち込むほど困ってしまうのだが、それを分からないマリンソフィアはどんどん沈み込んでしまう。

「………クラリッサがやっていたことに気づけないなんて『情報ギルドのギルド長側近“ソフィアーネ”』失格だし、クラリッサがせっかく買ってくれていた扇子を折ってしまうなんてわたくしは悪い子。わたくし、しばらくお出かけした方がいいかしら」

 本気で沈み込み出した主人を元気づけようと、クラリッサは急いでドレスと靴、そしてシャラシャラと揺れるデザインのプラチナとピンクダイヤでできたお花をイメージしたかのような髪飾りとお揃いのデザインのブレスレットを取って戻ってくる。

「さあ!私にマリンさまをとーっても可愛らしく仕立てさせてくださいませ!!」
(ーー………部下に気を遣わせてしまうなんて、わたくしは悪い子ね)

 マリンソフィアは困ったように美しく笑って、腕がとてもいいクラリッサにどうやっても美しくしか見えない顔を少しでも可愛くしてもらうために、無抵抗で身を任せるのだった。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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