『完』婚約破棄されたのでお針子になりました。〜私が元婚約者だと気づかず求婚してくるクズ男は、裸の王子さまで十分ですわよね?〜

桐生桜月姫

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76 検証と結果

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「それじゃあ、アル、クラリッサ、伝えておいた位置について。おチビちゃん、事前にちゃんと言ってあったけれど、あなたには黎桜を王太子殿下の元に離すお役目を与えるわ。他言無用で、守秘義務を守れなかった場合にはこの世から綺麗さっぱり消されることをちゃんと理解なさい」
「ん~、承知したわ~。そんなに心配せんとっても、うちはまだ命が惜しいけん、守秘義務ぐらいは守るよう。これでもお口は堅いんやで~」
「そう、信用しているわ」

 マリンソフィアは穏やかに頷く。

「それにしても、店長は、見た目だけは良さそうな、いけ好かん王太子はんのことを嫌いやね~」
「えぇ、近づくだけで悪寒が走ってありとあらゆる食事を戻しそうになってしまうわ」
「うわー、めちゃくちゃあの王太子はん嫌われているやん」

 『同情する~』と言いたげなおチビちゃんを一瞥したマリンソフィアは、すっと視線を戻してこちらに向かってパレードと同じ速度、同じ場所、同じ座り方で馬車を走らせてくるクラリッサに視線を向けた。アルフレッドが見るからに嫌そうな顔をしているが、そこら辺は全て無視だ。

「そんじゃ店長、うちやるときはやる子やけんねー」

 そう言うと、おチビちゃんは見事なタイミングで黎桜を窓の外に放し、アルフレッドの真っ白なシャツに足跡を付けさせた。そして、黎桜はお昼にアルフレッドに教えてもらっていた特別な道順で逃げて、マリンソフィアのお店の裏口に戻ってきていた。ちなみに、黎桜を野に放してすぐ、マリンソフィアとおチビちゃんも特別な道を使って『青薔薇服飾店ロサ アスール』に戻ってきている。これで衛兵対策も万全だ。貴族の家の子供が多い近衛騎士団の衛兵たちも、『青薔薇服飾店ロサ アスール』には手を出したくないはずだから、本番ではおチビちゃんが使うことになっている、古ぼけている隠し通路が見つかったところで、絶対に手なんて出してこない。
 周辺諸国1の人気服飾店、『青薔薇服飾店ロサ アスール』だからこそできる、普通ならば荒唐無稽な荒技だ。

「ふふふっ、練習の必要もなさそうだわ。黎桜、よくできたわね。今日は美味しいミルクもあげましょう」

 マリンソフィアは闇に紛れるためにきた漆黒のローブが汚れることも気にせず、黎桜を抱き上げてよしよしと撫でまくるのだった。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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