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85 呼び出し
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次の日、マリンソフィアは従業員皆で行った宴会による2日酔いで痛む頭を無視して、王城に1人でやってきていた。何故なら、昨日の件で王家からの呼び出しを食らっていたからだ。
王太子に合う際の色彩たるいつも通りの真っ赤な、薔薇のようなベルラインのドレスに、アップヘアをしていた。だが、今日の髪は1本のヘアピンを抜くと、王太子の婚約者にして侯爵令嬢時代に毎日していた髪型になるように工夫している。真っ赤な扇子を握りしめたマリンソフィアは、周囲から向けられる驚愕の視線にくすくすと笑いながら、マリンソフィアは衛兵の後をハイヒールでコツコツと音を鳴らして進む。
昨日は忙しさから気がついていなかったが、どうやら、ほとんどの者が『青薔薇服飾店』の店長がマリンソフィアだったことに、気がついたらしい。
昨日アルフレッドのおかげで色々吹っ切れたマリンソフィアは、爆笑したくて仕方がなかった。
何故なら、散々馬鹿にしてきた元王太子の婚約者にして元侯爵令嬢が、自分たちが散々褒めちぎってきた『青薔薇服飾店』の店長だったことに気がついて、怯える貴族どもが面白くて仕方がないからだ。なんなら、ここで色々と過激な事を言って、アホどもを泣かせるのも一興かもしれない。
(ふふふっ、かけるとしたら、『ご機嫌よう』かしら、それとも『あら、ごめんあそばせ、愚かなお馬鹿さんたち』かしら。あら、どっちに転んでも面白い未来しか想像できないわね)
マリンソフィアはそんな事を考えながら、謁見の間へと足を進める。
「青薔薇服飾店店長、ソフィアさまをお連れいたしました!!」
衛兵のお腹の底から声は、図太く、そして恭しい。彼は確か、国王への絶対忠誠が高すぎる事で有名だったお坊ちゃんなはずだ。
「入れ」
短い国王の声が帰ってきて、扉が開けられる。
マリンソフィアは開き切る前に、ここまでマリンソフィアだと気がついていながら、それに一切触れずに連れてきた衛兵に向けて小さく声をかける。
「ありがとう、エリオット卿。それでは、ご機嫌よう」
お城にいる人間の顔と名前を覚えていたマリンソフィアは、丁寧にお礼を言って、謁見の間に入っていった。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
次の日、マリンソフィアは従業員皆で行った宴会による2日酔いで痛む頭を無視して、王城に1人でやってきていた。何故なら、昨日の件で王家からの呼び出しを食らっていたからだ。
王太子に合う際の色彩たるいつも通りの真っ赤な、薔薇のようなベルラインのドレスに、アップヘアをしていた。だが、今日の髪は1本のヘアピンを抜くと、王太子の婚約者にして侯爵令嬢時代に毎日していた髪型になるように工夫している。真っ赤な扇子を握りしめたマリンソフィアは、周囲から向けられる驚愕の視線にくすくすと笑いながら、マリンソフィアは衛兵の後をハイヒールでコツコツと音を鳴らして進む。
昨日は忙しさから気がついていなかったが、どうやら、ほとんどの者が『青薔薇服飾店』の店長がマリンソフィアだったことに、気がついたらしい。
昨日アルフレッドのおかげで色々吹っ切れたマリンソフィアは、爆笑したくて仕方がなかった。
何故なら、散々馬鹿にしてきた元王太子の婚約者にして元侯爵令嬢が、自分たちが散々褒めちぎってきた『青薔薇服飾店』の店長だったことに気がついて、怯える貴族どもが面白くて仕方がないからだ。なんなら、ここで色々と過激な事を言って、アホどもを泣かせるのも一興かもしれない。
(ふふふっ、かけるとしたら、『ご機嫌よう』かしら、それとも『あら、ごめんあそばせ、愚かなお馬鹿さんたち』かしら。あら、どっちに転んでも面白い未来しか想像できないわね)
マリンソフィアはそんな事を考えながら、謁見の間へと足を進める。
「青薔薇服飾店店長、ソフィアさまをお連れいたしました!!」
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「入れ」
短い国王の声が帰ってきて、扉が開けられる。
マリンソフィアは開き切る前に、ここまでマリンソフィアだと気がついていながら、それに一切触れずに連れてきた衛兵に向けて小さく声をかける。
「ありがとう、エリオット卿。それでは、ご機嫌よう」
お城にいる人間の顔と名前を覚えていたマリンソフィアは、丁寧にお礼を言って、謁見の間に入っていった。
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