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111 私はお兄さまに告げられる
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「ん………、」
世界が一気に暗くなって、わたしはぎゅっと目の前のものに抱きついた。
「………レティシア、」
「!?」
うっすらと開けたわたしの目の前に見えたのは、わたしと同じ銀髪。聞こえた声は、わたしがずっと警戒していた声。けれど、その声が妙に心地良くて、それがわたしに絶望を与える。
「………フレイアかあ、………フレイアさまは………?」
「………生きている。」
「………ジェフは?」
「ガルシアの坊主も生きている。」
「………そっか。」
ただそれだけを聞くと、死にぞこなったのがわたしだけではないと知って安心した。だが、わたしの魔法はバレてしまっただろう。首飾りは外されていないとはいえ、わたしの魔法が暴走した可能性は大いに存在している。それに、全員生き残っているというのが、いい証拠だ。
「………起き上がれるか?」
「はい。」
そう返事をしたわたしは、お兄さまに支えられるかたちでゆっくりと起き上がった。ぼーっとする濁った瞳をお兄さまに向けると、不機嫌そうでいて面倒臭そうな表情をしたお兄さまの顔が映る。
「ーーーガルシアの坊主に魔法らしきものが発覚した。先程フィリアザフィロ公爵とガルシアの坊主も目覚めたから、これから陛下の元で話し合いが行われる。即刻着替えて、応接間に来い。」
………わたしの魔法が、ジェフの魔法と勘違いされているのだろうか。
わたしは一瞬そう思ったが、お兄さまが、ましてや国王陛下が間違えるわけがないと首を振った。
「承知いたしました、お兄さま。………ジェフリーをここに呼べますか?」
「もう部屋の前にいる。お前の侍女は………、」
「存在していません。わたしのお世話は、全て彼が行っています。」
「分かった。だが、」
「節度を守った関係ですのでご心配なく。お洋服の準備と髪を整えるの、あとはお化粧をお願いするだけです。」
わたしは重くてだるい身体を叱責してにこっと笑うと、お兄さまに目で退室を促した。お兄さまはその後、渋々と言った様子でわたしのことを見つめた後に出ていった。
「レティシアお嬢様、私のミスにより、お嬢様の御手を煩わせることとなってしまいました。申し訳ございません。ですが、」
「ご託はいいわ。ささっと仕上げてちょうだい、ジェフリー。」
室内に入ってきた、きっちりと着飾っているジェフリーは、わたしの言葉に美しく頭を下げた。
********************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
世界が一気に暗くなって、わたしはぎゅっと目の前のものに抱きついた。
「………レティシア、」
「!?」
うっすらと開けたわたしの目の前に見えたのは、わたしと同じ銀髪。聞こえた声は、わたしがずっと警戒していた声。けれど、その声が妙に心地良くて、それがわたしに絶望を与える。
「………フレイアかあ、………フレイアさまは………?」
「………生きている。」
「………ジェフは?」
「ガルシアの坊主も生きている。」
「………そっか。」
ただそれだけを聞くと、死にぞこなったのがわたしだけではないと知って安心した。だが、わたしの魔法はバレてしまっただろう。首飾りは外されていないとはいえ、わたしの魔法が暴走した可能性は大いに存在している。それに、全員生き残っているというのが、いい証拠だ。
「………起き上がれるか?」
「はい。」
そう返事をしたわたしは、お兄さまに支えられるかたちでゆっくりと起き上がった。ぼーっとする濁った瞳をお兄さまに向けると、不機嫌そうでいて面倒臭そうな表情をしたお兄さまの顔が映る。
「ーーーガルシアの坊主に魔法らしきものが発覚した。先程フィリアザフィロ公爵とガルシアの坊主も目覚めたから、これから陛下の元で話し合いが行われる。即刻着替えて、応接間に来い。」
………わたしの魔法が、ジェフの魔法と勘違いされているのだろうか。
わたしは一瞬そう思ったが、お兄さまが、ましてや国王陛下が間違えるわけがないと首を振った。
「承知いたしました、お兄さま。………ジェフリーをここに呼べますか?」
「もう部屋の前にいる。お前の侍女は………、」
「存在していません。わたしのお世話は、全て彼が行っています。」
「分かった。だが、」
「節度を守った関係ですのでご心配なく。お洋服の準備と髪を整えるの、あとはお化粧をお願いするだけです。」
わたしは重くてだるい身体を叱責してにこっと笑うと、お兄さまに目で退室を促した。お兄さまはその後、渋々と言った様子でわたしのことを見つめた後に出ていった。
「レティシアお嬢様、私のミスにより、お嬢様の御手を煩わせることとなってしまいました。申し訳ございません。ですが、」
「ご託はいいわ。ささっと仕上げてちょうだい、ジェフリー。」
室内に入ってきた、きっちりと着飾っているジェフリーは、わたしの言葉に美しく頭を下げた。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
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