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序章
2.出会い 後編
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「へぇ。そんな事があったんだぁ」
「うん。そうなのよ、あの日から頭から離れないのよあの人の事が!」
翌日の夜居酒屋で美島とAPEの広報担当で親友の田中絢子と飲んでいた。
2人はビールを飲み枝豆や冷奴等のおつまみを口にしながら昨日あった出来ことを田中はほぼ愚痴であるが話し合った。
「昨日大変で苦情の電話が殺到しまくっててんやわんやだったんだから」
「苦情の電話ってどんな?」
「なんで早くロボットを始末できなかったんだとかロボットがなぜ出現したんだとか知らねぇっての!」
「そりゃ大変だったね」
少し他人事感を出しつつ「広報の人にはホント感謝してますよ」とビールジョッキ片手に言い放った美島。
「他人事じゃねぇのよ。あんたはいいよね。上司達を無視してロボットの中に入って。軍内のなかではあなた英雄扱いよ。まぁ女性が活躍するのはいいものだけどさ」
「酔っ払ってる?」
「うんちょっとね」
田中は所々呂律が回らないほどビール3本、その前に焼酎熱燗で2杯飲んだのでそりゃ酔っ払うわなと美島は心の中で呟く。
しばらくして美島は田中と一緒におつまみをたいらげたが流石に飲みすぎたのか酔いつぶれてしまい机に顔をつけ目を閉じグゥと少しいびきをかいたまま寝てしまった。
寝てしまった絢子を起こそうと手で体を揺する。
「絢子ここで寝たらお店の人に迷惑だよ。ねぇ絢子ったら」
すると2人に近づく男がいた。
「大丈夫ですか?」
身島はここのお店の店員だと思い「あ、大丈夫です。すぐ店を出ますから」と男に言った。
「ねぇ行くよ絢子。起きて」
「起こしちゃかわいそうだ。僕が担いで家まで連れていきますよ」
「えっ?」
男の方に視線を移すとなんと声をかけてきたのは昨日美島を助けた木嶋拓哉であった。
「あ!あなたは木嶋拓哉様!じゃなくて木嶋拓哉さん!」
驚きのあまり心の中で呟いた言葉をつい口で言って美島は顔を赤くした。
「あ!あなたはえぇとそうだ!美島さんだ!どうしてここに?」
「あいやちょっとした女子会で。たまたま近くにあったのでここに」
いつもここで飲んでますよとは言えないよなと心の中で呟き「木嶋さんはどうしてここに」と質問返しをした。
「僕はここの近くに住んでいていつも通ってるんですよ。やっと常連になったところで。ハハハ」
少し照れ顔の木嶋を見て「か、可愛い」とつい小声で言ってしまいハッと口を手で塞いだ。
「でどうしましょうか」
「えっ?」
美島は口を塞ぐのをやめ木嶋を見た。
「いやお友達をこのままにしては風邪をひいてしまいますから。どうにかしないと。そうだ!僕が担いで行きましょう。それがいい」
「でもご迷惑では?」
美島は助けてくださった恩人にそんな迷惑なこと出来ないわと考えたがでも近くにいられるチャンスかもしれないと考えた。
「じゃぁお言葉に甘えて。あ、お先にお会計済ませますのでちょっと待ってもらえますか?」
「はい。じゃお店の外に出てますね」
木嶋は絢子をおんぶし外に出る。
その間美島は会計を済ます。
会計を済ませた美島は笑顔の店員に「いつもありがとうございます」と言われ「ごちそうさま」と軽く会釈した。
木嶋様が外に出て良かったとホッとしのれんを上げ外に出る。
「お待たせてすみません」
「いえいえ大丈夫ですよ。さぁ行きましょうか」
「はい」
美島の心臓はドキドキを通り越してドッキンドッキンになっていた。
なぜか。それは単に好きな人が隣りにいるからである。
滅多に人を好きにならない美島にとって貴重な経験だ。
「美島さん」
「はい!なんでしょうか」
急に話しかけてきたのでビックリした美島をよそに木嶋は質問してきた。
「美島さんは普段どんなお仕事をしてるんですか?」
「一応公務員です」
嘘はついてないよな。一応地球防衛軍は公務員扱いだからなと心のなかで言い訳した美島。
でもあの時あの姿を見て何も思わなかっただろうか。
まさか知っててわざと聞いているのかと少し疑心暗鬼になった美島だがあえて実は私地球防衛軍の隊員なんですと言わず木嶋に質問した。
「木嶋さんのお仕事は?」
「私は研究者です。何を研究しているのかはすみません言えないのです」
「そうですか。研究者カッコいいです」
話が弾みしばらくすると田中の家に着いた。
「木嶋さんここです。ここからは私が運びますので木嶋さんはここで待ってくれませんか?」
「いいですよ」
今度は見島が田中を担ぎ家の中に入った。
30分程待たせただろうか。急いで木嶋の前に息を切らしながら現れた美島は深呼吸をした。
「すみません。おまたせして。服を着替えさせたりしたらこんな時間になっちゃって。すみません」
「全然大丈夫ですよ。それより美島さんこそ大丈夫ですか。こんな夜遅くに1人で帰るんでしょ。僕でよろしければ・・・」
よろしければなんだとまさか付き合ってもらえませんかと言われるのか。
出会ってまだ浅いのに・・・と勝手に妄想する美島の心臓は破裂寸前だった。
「一緒に帰りましょうか?」
一気に現実に引き戻された美島は小声で「そうですよね」と呟き「いや私こう見えて強いので襲われても大丈夫です」と笑顔混じりの顔をしながら冗談を言った。
「ハハハ。。やっぱり面白いな美島さんは。そうですか。分かりました。でもお気をつけてお帰りくださいね」
「はい」
「じゃ僕はこれで」
「あ、あの・・・」
美島は脳内で待機している言葉を言おうとしたが緊張で言えず「どうしましたか?美島さん」と少し近寄られたのでとっさに「連絡先交換しませんか?」と言われたのでこれは発言しようとした言葉ではなかったため美島自身も驚いた。 「あ、いいですよ」
え?と驚いた美島をよそに木嶋はスマホを取り出す。
待たせてはいけないと思いすかさずカバンからスマホを取り出し電話番号を交換する。
「ありがとうございます」
「いえいえ」
そしてその場を去った。
家に帰った美島はパジャマに着替えスマホを握りしめながらベットに横たわる。
「木嶋さん・・・」
今日は眠れないなと覚悟しながら目を閉じる。
目を開けると気付けば翌朝になっており時計を見れば8時30分を過ぎていた。
「もうこんな時間か・・・」
時計からスマホに目をやり電源を入れると木嶋の電話番号が表示されそれを胸に当てる。
「木嶋さん・・・」
ブゥブゥと着信音が鳴り驚いた美島はまさかと思いスマホを見た。
だが残念な事に木嶋ではなく直虎からの着信に「なんだよ。直虎かよ」とスマホにツッコミをし電話に出た。
「もしもし直虎。どうした朝早くに?」
「どうしたじゃないですよ。テレビ、ニュースみましたか?」
「ニュース?ちょっと待ってよ」
リビングに行き50型のテレビのリモコンを取り電源を入れえた。
電源を入れるとそこには男性リポーターが必死に現状を伝えている様子が映っていた。
“私は今現場に来ています。ここには白い物体が聳え立っています。昨日未明にここビル街に出来たらしく住民は困惑を隠さずにいられないようです”
美島は驚愕した。何故かそれは巨大な白い物体が聳え立っている場所は美島が生れ育った場所だったからである。
「多分このままだと緊急招集がかかるでしょうね。って聞いてます?美島隊員!」
テレビの電源を切りリモコンを机の上に置きパジャマを脱ぎ赤ジャージに着替えた美島は血相をかきながら家を出ていったのであった。
つづく
「うん。そうなのよ、あの日から頭から離れないのよあの人の事が!」
翌日の夜居酒屋で美島とAPEの広報担当で親友の田中絢子と飲んでいた。
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「昨日大変で苦情の電話が殺到しまくっててんやわんやだったんだから」
「苦情の電話ってどんな?」
「なんで早くロボットを始末できなかったんだとかロボットがなぜ出現したんだとか知らねぇっての!」
「そりゃ大変だったね」
少し他人事感を出しつつ「広報の人にはホント感謝してますよ」とビールジョッキ片手に言い放った美島。
「他人事じゃねぇのよ。あんたはいいよね。上司達を無視してロボットの中に入って。軍内のなかではあなた英雄扱いよ。まぁ女性が活躍するのはいいものだけどさ」
「酔っ払ってる?」
「うんちょっとね」
田中は所々呂律が回らないほどビール3本、その前に焼酎熱燗で2杯飲んだのでそりゃ酔っ払うわなと美島は心の中で呟く。
しばらくして美島は田中と一緒におつまみをたいらげたが流石に飲みすぎたのか酔いつぶれてしまい机に顔をつけ目を閉じグゥと少しいびきをかいたまま寝てしまった。
寝てしまった絢子を起こそうと手で体を揺する。
「絢子ここで寝たらお店の人に迷惑だよ。ねぇ絢子ったら」
すると2人に近づく男がいた。
「大丈夫ですか?」
身島はここのお店の店員だと思い「あ、大丈夫です。すぐ店を出ますから」と男に言った。
「ねぇ行くよ絢子。起きて」
「起こしちゃかわいそうだ。僕が担いで家まで連れていきますよ」
「えっ?」
男の方に視線を移すとなんと声をかけてきたのは昨日美島を助けた木嶋拓哉であった。
「あ!あなたは木嶋拓哉様!じゃなくて木嶋拓哉さん!」
驚きのあまり心の中で呟いた言葉をつい口で言って美島は顔を赤くした。
「あ!あなたはえぇとそうだ!美島さんだ!どうしてここに?」
「あいやちょっとした女子会で。たまたま近くにあったのでここに」
いつもここで飲んでますよとは言えないよなと心の中で呟き「木嶋さんはどうしてここに」と質問返しをした。
「僕はここの近くに住んでいていつも通ってるんですよ。やっと常連になったところで。ハハハ」
少し照れ顔の木嶋を見て「か、可愛い」とつい小声で言ってしまいハッと口を手で塞いだ。
「でどうしましょうか」
「えっ?」
美島は口を塞ぐのをやめ木嶋を見た。
「いやお友達をこのままにしては風邪をひいてしまいますから。どうにかしないと。そうだ!僕が担いで行きましょう。それがいい」
「でもご迷惑では?」
美島は助けてくださった恩人にそんな迷惑なこと出来ないわと考えたがでも近くにいられるチャンスかもしれないと考えた。
「じゃぁお言葉に甘えて。あ、お先にお会計済ませますのでちょっと待ってもらえますか?」
「はい。じゃお店の外に出てますね」
木嶋は絢子をおんぶし外に出る。
その間美島は会計を済ます。
会計を済ませた美島は笑顔の店員に「いつもありがとうございます」と言われ「ごちそうさま」と軽く会釈した。
木嶋様が外に出て良かったとホッとしのれんを上げ外に出る。
「お待たせてすみません」
「いえいえ大丈夫ですよ。さぁ行きましょうか」
「はい」
美島の心臓はドキドキを通り越してドッキンドッキンになっていた。
なぜか。それは単に好きな人が隣りにいるからである。
滅多に人を好きにならない美島にとって貴重な経験だ。
「美島さん」
「はい!なんでしょうか」
急に話しかけてきたのでビックリした美島をよそに木嶋は質問してきた。
「美島さんは普段どんなお仕事をしてるんですか?」
「一応公務員です」
嘘はついてないよな。一応地球防衛軍は公務員扱いだからなと心のなかで言い訳した美島。
でもあの時あの姿を見て何も思わなかっただろうか。
まさか知っててわざと聞いているのかと少し疑心暗鬼になった美島だがあえて実は私地球防衛軍の隊員なんですと言わず木嶋に質問した。
「木嶋さんのお仕事は?」
「私は研究者です。何を研究しているのかはすみません言えないのです」
「そうですか。研究者カッコいいです」
話が弾みしばらくすると田中の家に着いた。
「木嶋さんここです。ここからは私が運びますので木嶋さんはここで待ってくれませんか?」
「いいですよ」
今度は見島が田中を担ぎ家の中に入った。
30分程待たせただろうか。急いで木嶋の前に息を切らしながら現れた美島は深呼吸をした。
「すみません。おまたせして。服を着替えさせたりしたらこんな時間になっちゃって。すみません」
「全然大丈夫ですよ。それより美島さんこそ大丈夫ですか。こんな夜遅くに1人で帰るんでしょ。僕でよろしければ・・・」
よろしければなんだとまさか付き合ってもらえませんかと言われるのか。
出会ってまだ浅いのに・・・と勝手に妄想する美島の心臓は破裂寸前だった。
「一緒に帰りましょうか?」
一気に現実に引き戻された美島は小声で「そうですよね」と呟き「いや私こう見えて強いので襲われても大丈夫です」と笑顔混じりの顔をしながら冗談を言った。
「ハハハ。。やっぱり面白いな美島さんは。そうですか。分かりました。でもお気をつけてお帰りくださいね」
「はい」
「じゃ僕はこれで」
「あ、あの・・・」
美島は脳内で待機している言葉を言おうとしたが緊張で言えず「どうしましたか?美島さん」と少し近寄られたのでとっさに「連絡先交換しませんか?」と言われたのでこれは発言しようとした言葉ではなかったため美島自身も驚いた。 「あ、いいですよ」
え?と驚いた美島をよそに木嶋はスマホを取り出す。
待たせてはいけないと思いすかさずカバンからスマホを取り出し電話番号を交換する。
「ありがとうございます」
「いえいえ」
そしてその場を去った。
家に帰った美島はパジャマに着替えスマホを握りしめながらベットに横たわる。
「木嶋さん・・・」
今日は眠れないなと覚悟しながら目を閉じる。
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ブゥブゥと着信音が鳴り驚いた美島はまさかと思いスマホを見た。
だが残念な事に木嶋ではなく直虎からの着信に「なんだよ。直虎かよ」とスマホにツッコミをし電話に出た。
「もしもし直虎。どうした朝早くに?」
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「ニュース?ちょっと待ってよ」
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“私は今現場に来ています。ここには白い物体が聳え立っています。昨日未明にここビル街に出来たらしく住民は困惑を隠さずにいられないようです”
美島は驚愕した。何故かそれは巨大な白い物体が聳え立っている場所は美島が生れ育った場所だったからである。
「多分このままだと緊急招集がかかるでしょうね。って聞いてます?美島隊員!」
テレビの電源を切りリモコンを机の上に置きパジャマを脱ぎ赤ジャージに着替えた美島は血相をかきながら家を出ていったのであった。
つづく
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