開眼の覚醒者 THE Secret ten number

SIRIUS

文字の大きさ
1 / 13
第一章 旅立ち編

第一話 旅立ちのとき

しおりを挟む
「た…助けて…くれ…。」
深夜の月の下で震える声が響く。
だが、こんな山奥に助けなど来ない。
もうすでに周囲は死体の山だった。
『グシャッ』
そしてまたこの死体の山に一つ死体が増えた。

早朝6:30頃「ふぁ~」
ダンケルクはいつもより早く起きてしまった。
早く起きてしまうと、『アレ』ができない。

約10分後 ダンケルクはとある人物の家の前に立ち…
「『ドカッ!』おじゃまします。飯食いに来た。」
「…飯たかりに来たの間違いじゃないのか?後、ドア蹴るな。」
ダンケルクはエクシィアといつも通りのやり取りをした。
すると奥から「相変わらず豪快だな。そのくせ口調は丁寧なのも変わらない。ホントは多重人格者なんじゃないか?」
というテンペスタの声も聞こえた。

「とりあえず飯くれ」
「ブレないな、まったく」
エクシィアは呆れつつ朝食を作り始めた。

「ほらよ、できたぞ」
「いただきます」
「もう食ってやがる…」
「俺たちも食べよう、エクシィア」
先に食べ始めたダンケルクを尻目にふたりも食べ始めた。

三人が朝食を食べ終え、ゆっくりくつろいでいる。
そんなときダンケルクが突然
「旅に出ないか?」
とおつかいに行くようなノリで言い始めた。
「「は?」」
二人はもちろんこの反応だ。
「明日までに色々準備しといて」
「ちょっと待てや、マジでいってる?それ」
エクシィアは大混乱、テンペスタも困惑している。
「もちろんだ。目的は…※※※※だ。」
「なるほど…」
エクシィアはすぐに落ち着きを取り戻し考え始めた。
「突然何を言ってくるかと思ったが、そろそろそうするべきだったかもな」
テンペスタは賛同する。
「まあ、行くのは構わないが準備が明日だと間に合わん。」
エクシィアも納得してくれたが明日は流石に厳しいか。
「じゃあ明後日の明け方に変更で」
「たいして変わらないが…。まあ、それならまだ間に合うな。」
日程が無事に決まった。
「じゃ、俺も家で準備してくる。」
と言って帰ろうとすると…
「ちょっと待って。」
とテンペスタから言われた。
「どうした?」
「一応村長に一言言っておいたほうがいいんじゃないか?」
「…完全に忘れてた。」
テンペスタ、ナイスだ。
ちなみにこの村は人口40人ほどの村だが若者は結構多い。
「じゃあ明日の夜伝えにいくか。」

家に帰ったダンケルクは早速準備を始めていた。
ダンケルクはそもそも家にあるものが少ないので何かいれようにもいれるものがあまりない。
ダンケルクが悩んでいる頃、エクシィア達は…
「やばい、どれをもっていけばいいんだ。」
ものが多い家なだけにダンケルクとは真逆の意味で悩んでいた。
いや、これが普通だろう。
ダンケルクと同じ悩みをするやつはいないだろうと信じて…

次の日の夜、ついに村長に伝えにいくときが来た。
「村長、突然ですみませんが俺たちは旅に出ることにしました。」
「そうか…ついに旅立つのか…」
村長はいつかこの日が来ると予想していたのか悲しそうではあるが…
「この道はお前たちの決めた道だ。私は止めはしない。だが、お前たちの目的を達成するのはとても難しい。だから、この旅の中で守ってほしいことがある。『覚醒者ということをできるだけ隠す』ことだ。」
と旅のアドバイスまでくれた。
村長の言葉の意味は分かっている。
覚醒者は今や世界に数人しかいない。
バレたら面倒なことになるのは確実だ。
「それと最後に…ダンケルク。」
「なんですか?」
「自分を見失うなよ…」
その言葉に他の二人は首をかしげる。
少し疑問はできてしまったが、それでも一度決めた以上進まねばならない。
三人の長い旅がついに始まった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵
ファンタジー
 異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。  魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。  そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。  自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。  後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。  そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。  自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

二度目の勇者は救わない

銀猫
ファンタジー
 異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。  しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。  それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。  復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?  昔なろうで投稿していたものになります。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...