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守ってくれて。
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振り返ると、霧咲君だった。
白くて太い首に黒のストラップを掛けて、
腕を組んでいる。
あぁ、顔が小さいから首が太いんだ。
真剣な眼差し。
でも、その目は冷たかった。
「いや、別に何も…」
「『あんた、部長に選ばれたからって
調子乗ってない』
『どうせ、野村先生に媚でも売ったんでしょ』
『何なの、大して上手くもないくせに』
『黙ってないでなんか言えよ』
あーあ、聞いちゃった。」
そう、音声が流れる。
「本当はこれ、
俺の音録るやつなのに。
君らのせいで、汚ったない音に変わったよ。
どーしよ、野村先生のとこにでも
持ってこっかな。」
「やめ…「大して上手くもないのにってさ、」
そう、藍那に壁に追い詰めて。
ダンッ
藍那の脚のすぐ横を蹴った。
「君が言える台詞なの?」
1人ずつ指す。
「橋川 菜那。
クラ。
リードミス多い、音程悪い。
河岸 彩香。
同じくクラ。
雑、音が割れてる。
深川 亜実。
ボーン。
音が潰れてる。音が汚い。
上村 藍那。
タンギング下手。音程悪すぎ。
あんな音、初めて聴いたんだけど。
そこの、凜桜の方が音はきれい。
てか、そんな人を下に見る時点で
人より劣ってんの当たり前じゃん。
君ら人のこと言えるほどの実力じゃないよ。」
そう言った。
菜那たちは、
そそくさと帰っていく。
「なんか、ごめんね、巻き込んじゃって。」
そう私が言った。
「全然。ほら、練習行こ。」
そう、先程とは打って変わって、
さわやかな笑顔。
「うん。」
私は楽器を出しに行って、
霧咲君のところに行く。
「霧咲く…
「涼でいいよ。
そうだ、朝はありがと。
お陰で迷わなかったよ。」
「良かった。
あっ、ここ。教室。」
両手が丁度塞がっていた。
メトロノームと譜面台で。
ドアを肘で開けようとすると。
「いいよ、開ける。」
とクスクス笑いながら、
涼君はドアを開けてくれた。
すると、ぴたりと音が止まる。
白くて太い首に黒のストラップを掛けて、
腕を組んでいる。
あぁ、顔が小さいから首が太いんだ。
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「いや、別に何も…」
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調子乗ってない』
『どうせ、野村先生に媚でも売ったんでしょ』
『何なの、大して上手くもないくせに』
『黙ってないでなんか言えよ』
あーあ、聞いちゃった。」
そう、音声が流れる。
「本当はこれ、
俺の音録るやつなのに。
君らのせいで、汚ったない音に変わったよ。
どーしよ、野村先生のとこにでも
持ってこっかな。」
「やめ…「大して上手くもないのにってさ、」
そう、藍那に壁に追い詰めて。
ダンッ
藍那の脚のすぐ横を蹴った。
「君が言える台詞なの?」
1人ずつ指す。
「橋川 菜那。
クラ。
リードミス多い、音程悪い。
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同じくクラ。
雑、音が割れてる。
深川 亜実。
ボーン。
音が潰れてる。音が汚い。
上村 藍那。
タンギング下手。音程悪すぎ。
あんな音、初めて聴いたんだけど。
そこの、凜桜の方が音はきれい。
てか、そんな人を下に見る時点で
人より劣ってんの当たり前じゃん。
君ら人のこと言えるほどの実力じゃないよ。」
そう言った。
菜那たちは、
そそくさと帰っていく。
「なんか、ごめんね、巻き込んじゃって。」
そう私が言った。
「全然。ほら、練習行こ。」
そう、先程とは打って変わって、
さわやかな笑顔。
「うん。」
私は楽器を出しに行って、
霧咲君のところに行く。
「霧咲く…
「涼でいいよ。
そうだ、朝はありがと。
お陰で迷わなかったよ。」
「良かった。
あっ、ここ。教室。」
両手が丁度塞がっていた。
メトロノームと譜面台で。
ドアを肘で開けようとすると。
「いいよ、開ける。」
とクスクス笑いながら、
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すると、ぴたりと音が止まる。
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