愛だとか恋だとかくだらない

１

「ねぇ、私さぁ、雪のこと好きになっちゃったんだけどぉ、付き合わない？皆もお似合いだっていってるしぃ……。」

気持ち悪い。
なんで僕がこんな低能で低俗な女と付き合わなければならない。

てか、どいつもこいつも好き好き好き好き気持ち悪いんだよ。


目の前で顔を朱色に染めている女を見ながら思う。

彼女もどうせ僕をアクセサリーのように飾って周りに羨ましがられたいだけなのだろう。

あぁ、なんて気持ち悪いんだ。

「………あのぅ、返事はぁ、」

そんなことをいいながら、あまつさえ彼女は僕のからだに触ってくる。
生温い手の感触が気持ち悪かった。

「あはっ、ごめんね～、俺まだ遊んでたいんだ～、まだ若い未亡人に～、あっ、あと、３０くらいの色っぽい男ともヤってみたいかも！尻にいれるってどんな感じなのかな～？めっちゃ気になるわ。」

「………最低。」
この言葉を残して女は去っていった。
なんなんだよ。
本気なら冗談っぽくしなければ、もっとちゃんと返したのに。
まぁ、どうでもいいけど。

というか、この台詞をいうのは何度目だろう。
絶対に同年代はこの台詞に入れない。
後輩も入れない。

変な期待をされて、近づいてこられるのは面倒だから。

今の僕のキャラは歳上好きの変態。

これだと、下手な女が近づかないから安全安心だ。

チャラ男はいい。
深入りされない。
だから、本当の僕を知られることもない。

確かに気持ち悪い女の数も増えるけど、中学のときみたいになるよりはマシだ。


女が去ったあとも僕はいつものようにヘラヘラしながらダチと話した。