愛だとか恋だとかくだらない

さや

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「ねぇ、僕と付き合ってよ」

全く面識のない男に告白される。
それは突然のことだった。


あぁ、またか。

男だということに驚くよりも、その気持ちの方が強かった。

多分きっとこれはたちの悪い罰ゲームだろう。

そう思い、目の前にいる男にバレないようにチラチラと辺りをみてみたが、人らしい人は見つからなかった。

ここはきっと障害物が多いから、そのかげに隠れているのだろう。
またまた巧妙な手口で………。

「別に罰ゲームじゃありませんよ。」

ドキッ

「ごめんね、俺、歳上にしか興味ないんだ~」

ビックリした。心を読まれたのかと思った。

そんな内心の焦りがバレないように僕はいつものように顔に笑顔を張り付けてヘラヘラとする。


そんなにも僕は挙動不審だっただろうか………?

そんなことを考えながらもう一度ごめんね~と言い、彼のもとを過ぎ去ろうとし

ーーーー手首を捕まれた。
どんな馬鹿力だよ。

「なに?」

内心イライラしながら、僕は目の前の男をしっかりと見る。
久し振りに人をしっかりと見た。
そして分かった。

コイツはこの学校の生徒会長だ。

どうして気づかなかったんだろう。
いや、当たり前か、きちんと相手と向き合っていなかったのだから。

というか、品行方正な生徒会長様が罰ゲームで男に告白だなんて、世も末だな………。

そんなことをひとりごちる。

もし、本当に僕のことが好きだとして、告白してくれるのなら、申し訳ないのだが、
どうしても、僕にはそれが本当の告白だとは思えなかった。

「真剣に僕と向き合って答えてください。
年下だからなんて理由じゃなくてもっと僕の納得できる答えを教えてください。」


生徒会長様が真剣な顔でそう言う。

名前なんだったっけ、あ~忘れた。


まぁ、いっか。
今日限りだし。

「そんなこと言ってもさ~、俺、年下興味ないし~?俺、自分より10くらい年上の落ち着いた人しか無理なんだよね~。」

「いやだから、ーーー」

「ーーーほら、分かるでしょ?生徒会長様も、あーーー、んーーーと、保育園生?とかに好きって言われてもどうこう考える前に年齢で無理だな~って考えるでしょ?それとおんなじ。」

生徒会長様の言葉を遮って僕は独自の理論を展開する。

勿論全部ウソっぱち。
僕の恋愛対象はそんな歳上じゃない。

けど、そんなことがバレたらあとあと面倒だし、
しなくてもいい苦労まですることになるから絶対に言わない。

多分告白に断ったのだから、もう話しかけてくることは、大抵のことがないかぎりないだろう。

これは僕の経験法則だ。

「僕は貴方にとって保育園生と同じくらい恋愛的な魅力を感じないと言うことですか?」

まだ、食い下がるか、しつこい奴だな。

「んまぁ~そんな感じ?」
そんなことを思いながらヘラヘラと言う。

目の前の生徒会長様はまだ納得できていないような顔をしている。

そして、また何か言おうとする。
だけど、なんと言おうと無駄だ。

僕は絶対に誰とも付き合わないと決めているのだから。
なんと言おうと、僕は君を受け入れない。


「ウソつき。」

「は?急にウソつき呼ばわりなんて、酷いな~生徒会長様は」

「………まず、その生徒会長様って呼び方やめてください。なんか、距離を感じてイヤです。
ちゃんと名前で呼んでください。」

生徒会長様が苦虫を噛み潰したような顔で言う。

しっかし名前な~………知らないんだよな~……。

正直にその事を言うと生徒会長様は、少し悔しそうな顔をして名前を教えてくれた。

生徒会長様の名前は春樹というらしい。
そして、本当に僕に興味がなかったんですね、と、悲しそうな表情で言われた。

そして、やっと気付いた。
これは罰ゲームなんかじゃない。
きっと本気だったのだろう。

久し振りすぎてちょっとビックリする。
それと同時に罪悪感が胸のなかに居座る。

悪いことをしてしまったな~……。



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