左回りのアルバトロス

白燕三条

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週末フライト

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さて今夜はどこまで行こうかな? 雲で月明かりが無い夕暮れ時にバイクで、岬の山中へ向かいボンヤリ呟く。 仕事帰りに機体を隠してある小屋へ通うのも何年目だろう? ようやく人目に気をつけながらこっそりとテストフライトを繰り返してきたが、やっとまともな 飛行 と、呼べる位になってきていた。 小屋に入りバイクを片隅に置いたら、そそくさと着替えて機体にかけてあるシートを外した。 折り畳まれた翼に注意しながら、キャノピーに手をかけた。 隠れて解りづらい所にレバーがあるので、ゆっくり引くとガコッという音とともに後ろに少し開くと、後ろにスライドしてバッグとともに乗り込んだ。 どうしても最初はバッテリー等の、呼び水的な電力が必要なので、さっとバッグから取り出したバッテリーを取り付けた。 目の前にある丸い操縦桿が二つ、その回りにダイバーウォッチのベゼルのような形状の、一番上のくぼみに親指を押し当てて、右手は右回転、左手は左回転で、同時に二回転させた。 これがいわば鍵のようなもので、謎の推進機関と連動していて、いわば起動プロセスになっていた。 小さく低い起動音とともに前のモニターに数字が浮かび上がってきた。 まだまだ試作の粋はでていないが、まあこんなもんだろう。リング状の中にあるレバーをゆっくり引くと機体はふわりと浮いた。
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