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2nd フェーズ 集
No.19 メンハギの倉庫にお邪魔します
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メンハギが潜伏していると思われる倉庫を特定したキビ達。
早速犯人逮捕の為に出動する。
いつの間にか車に乗り込んでいたユキチカ達に呆れながらも、目的の倉庫に到着。
キビ、ジーナ、そしてシャーロットの三人は正面から侵入。コウノとその部下、そしてユキチカ、ウルルは裏口から侵入する手筈で動く。
倉庫内に侵入したコウノ達。
「侵入ー!」
「しーっ、ユキチカ様!声が大きいです!あと先程から持っているそれは……」
「あんみつ!」
ユキチカの持つ紙袋にあんみつが数個入っていた。
「もしかしてそれも……」
「すみません、どうしても必要だと頼まれたので……」
「いえ、こちらの方こそすみません。後でキビさんにも伝えておきます」
コウノが申し訳なさそうな顔をする。
ウルルも謝る。
突然、側面の物陰から人が現れた。
「コウノ様ッ!ユキチカ様!」
ウルルが叫ぶ。
直後、身が硬直する程の破裂音、銃の発砲音だ。
「発砲?!」
「どうしよう!」
ジーナとシャーロットはその音でビクッとする。
「落ち着け、向こうは心配しなくていい。ユキチカは強えし、それに」
キビは二人をなだめ、二ッと笑う。
「コウノに喧嘩の仕方はキッチリ教えてるからな」
「がぁっ!」
「まったく、急に発砲したりナイフだったり!銃刀法違反ってご存知なんですか?貴女達は!」
ナイフを持った相手を取り押さえているコウノ。
彼女の後ろで、先ほど発砲した者が気絶していた。
「おー!コウノつよーい!」
「あははーどうも、これでもキビ先輩に稽古つけて貰ってるので!」
少し得意げに話すコウノ。
すると影から他の者が現れ3人に目掛け数発を発砲。
「とうっ!そしてチェストボム!」
ユキチカは相手の銃口から放たれた銃弾をキャッチする。そしてその勢いのまま胸から相手に突撃した。
「おー!ユキチカくん良い動き!あれ、でも今ユキチカくん銃弾を掴んだような」
コウノは目をこすってそう言った。
「い、いやー偶然にも弾丸はそれたみたいですね!流石ユキチカ様!持ってますねぇラッキーですね!」
ウルルが必死に誤魔化そうとする。
「ん?持ってるよー銃弾」
ユキチカは先ほど発砲された銃弾を見せた。
「だ、だめじゃないですかぁ!勝手に拾ったらぁ!もう、どこでそんな、ダメじゃないですかぁ!危ないのでコウノ様に渡して下さい!」
その銃弾を見て取り乱しながら話すウルル。
ユキチカは頷いてコウノにその銃弾を渡した。
「え?ええ、はい。私が責任をもって回収させて頂きます……?」
少し混乱しながらコウノも銃弾を受け取った。
「この者達を拘束してから後を追うので、お先に!くれぐれも注意してください!」
他の警察官にその場を任せ、コウノ達は先に進んだ。
「だから私達は自分の身だけ守ればいい、気楽でいいだろ?」
キビの背後から敵が襲い掛かるが、一目もみずにそれを回避。
「よっ」
「っ!!」
そのまま相手の腹部に強烈な一撃をお見舞いする。
「すごい」
「まあ、こういうのは慣れてるからな」
キビは両手にまるでメリケンサックのように手錠を握っていた。
物陰から別の者が現れる。
「こっちは私が!じっとしてて!っと」
今度はジーナが相手に飛び掛かり、絞め技を極める。
「ひゅー!やるねぇ!芯が通った歩き方するなって思ってたけど、そこまでとは」
「いやーこういうのだけは得意で」
絞め上げながらそう言うジーナ。
少しばかり動いていた相手の頭がプツンと糸が切れたようにガクっと下がる。
相手は気絶した。
「銃は使うな、ここでは跳弾する」
次々と現れる相手集団は警棒やナイフを取り出す。
向かって来た相手のナイフをキビは手錠で弾き、拳を叩きこむ。
掴んで来た相手の力を利用し逆に相手を投げ飛ばす。
「お!いい感じの鉄パイプじゃーん」
戦いながらキビはそう言ってすぐそばに転がっていたパイプを手に取る。
「そらそら!!」
迫りくる相手を片っ端から打ちのめしていくキビ。
鉄パイプで殴り、突き、武器を絡めとり、関節を極め、投げ飛ばす。
まるで手足のように扱う。
鉄パイプよりも内側に入って来た相手も難なく無力化していく。
(打撃、投げ、関節、絞め技それに棒術まで。逮捕術に自己流も混ぜてるのかな。非の打ち所がない程どれも極まってる。)
ジーナは興味津々でキビの動きを観察していた。
「どんどん来い、片っ端からとっ捕まえてやる!」
今度はシャーロットの背後の物陰から現れシャーロットに襲い掛かる。
「シャロ!後ろ!」
「見えてるよ、コロちゃん!」
相手は自分の肩にコロちゃんがいる事に気付く。
「な、なんだコイツ!」
「いっけぇ!ビリビリショック!」
シャーロットが合図共にそのチューブ状の腕から電気ショックを相手に与える。
「がぁッ……!?」
相手はその場で倒れた。
「結構いるな」
「シャロ!後ろよろしくね」
「う、うん!」
まだまだ相手は出てくる、一体この者達はなんなのだろうか。
だがそんな事を考えるのは後だ。
盾を持った者が前に出て来た。
「任せてください!」
ジーナが盾を持った者の前に立つ。
相手が盾を構えて突進してきた。
(黒鉄ッ!!)
ジーナは相手を盾ごと殴る。
「ガアッ……!?」
激しい金属の激突音と共に相手は飛んだ。
「すっごい音したぞ、手大丈夫か?」
「ええ!鍛えてるんで!それにこのグローブもありますし!」
ジーナはガッツポーズを取った。
彼女はグローブをつけていた。そのグローブは拳と手の甲部分に金属が仕込まれており、グローブ全体も防刃、防火性が非常に高い材質で作られている。ユキチカのお手製だ。
同時刻、病院でウミノ・サヨリが担当の警官と話していた。
「大丈夫ですか、まだ気分が優れないなら……」
「ええ、もう大丈夫です。だいぶ落ち着きました、自分の状況も結構飲み込めて来たので」
ウミノはそういって話をし始めた。
誘拐されていた時の事だ。
「目隠しをずっとされていたから状況はよく分からなかったです。でもずっと優しく話しかけてくれてて……」
「話しかけてくれるって、他の被害者が?」
警官は質問した。
ウミノは首を横に振った。
「いえ、恐らく私を誘拐した人だと思います。とても優しい声で、変ですよね。こんな事を私にしようとしているのに。でも彼女はずっと私にこう言ってました……」
「これが完成したらみんなが幸せになれる、だから少しだけ辛抱して、絶対に自分の命だけは諦めないで」
「誘拐して、なんて身勝手な事を……」
警官の声に怒りが現れる。
「そうですよね。でもなんでしょう、彼女の声から凄く伝わったんです。とても苦しいって感じが」
「ここは!?」
外の騒ぎのせいなのか、ハナが目を覚ます。
「大丈夫よ、心配しないで、あなたは助かる」
メンハギはそう言った。
彼女はまだ薬品が並んだ机に向かって何かをしている。
「え?」
「この研究はここでようやく終わる、そんな予感がするの。私も終わる事ができる」
彼女はそう言ってある薬品を眺めていた。
「そう、これ、こんなものの為に私は……」
そう彼女が言うと突然扉が開かれ、ユキチカが現れる。
「あ!ハナちゃんだ!」
ユキチカはハナの元に行き、目隠しを外した。
「え?ユキチカ君!?」
「やっほー!」
驚くハナに笑って手を振るユキチカ。
すると薬品が並んだ机の前に行くユキチカ。
「おねぇさんがこれ作ったの?」
「え、ええ、あなた、それが何か分かるの?」
メンハギは少し呆気に取られた様子でユキチカを眺めていた。
「うん、これスゴイよねー」
興味津々で机の上に並んだものを見てそういうユキチカ。
「あなた、私が怖くないの?」
メンハギはユキチカに向かってそう言った。
「なんで?あ!そうだ、お腹へった?あんみつあるよ!」
ユキチカはそう言って紙袋からあんみつを取り出した。
「え?……私に?」
呆気にとられながらもあんみつを受け取ってしまうメンハギ。
「ハナちゃんも!はい、あ、食べるのたいへん?今起こすね」
拘束具を外し、ハナを起こす。
「ありがとう、でも本当、なんでここに?」
「ハナちゃんッ!!」
「え?!ジーナちゃんも?!」
ジーナがその部屋に現れた。
彼女は一目散にハナに駆け寄り、抱き着いた。
そしてキビを含めた他の警察官がその部屋に突入してきた。
「両手を頭の後ろに、ゆっくりとこっちを向くんだ」
キビがメンハギに銃を向ける。
「貴様を逮捕する」
「ええ、どうやらそのようね」
この時、メンハギの目元から一滴の涙が流れた。
早速犯人逮捕の為に出動する。
いつの間にか車に乗り込んでいたユキチカ達に呆れながらも、目的の倉庫に到着。
キビ、ジーナ、そしてシャーロットの三人は正面から侵入。コウノとその部下、そしてユキチカ、ウルルは裏口から侵入する手筈で動く。
倉庫内に侵入したコウノ達。
「侵入ー!」
「しーっ、ユキチカ様!声が大きいです!あと先程から持っているそれは……」
「あんみつ!」
ユキチカの持つ紙袋にあんみつが数個入っていた。
「もしかしてそれも……」
「すみません、どうしても必要だと頼まれたので……」
「いえ、こちらの方こそすみません。後でキビさんにも伝えておきます」
コウノが申し訳なさそうな顔をする。
ウルルも謝る。
突然、側面の物陰から人が現れた。
「コウノ様ッ!ユキチカ様!」
ウルルが叫ぶ。
直後、身が硬直する程の破裂音、銃の発砲音だ。
「発砲?!」
「どうしよう!」
ジーナとシャーロットはその音でビクッとする。
「落ち着け、向こうは心配しなくていい。ユキチカは強えし、それに」
キビは二人をなだめ、二ッと笑う。
「コウノに喧嘩の仕方はキッチリ教えてるからな」
「がぁっ!」
「まったく、急に発砲したりナイフだったり!銃刀法違反ってご存知なんですか?貴女達は!」
ナイフを持った相手を取り押さえているコウノ。
彼女の後ろで、先ほど発砲した者が気絶していた。
「おー!コウノつよーい!」
「あははーどうも、これでもキビ先輩に稽古つけて貰ってるので!」
少し得意げに話すコウノ。
すると影から他の者が現れ3人に目掛け数発を発砲。
「とうっ!そしてチェストボム!」
ユキチカは相手の銃口から放たれた銃弾をキャッチする。そしてその勢いのまま胸から相手に突撃した。
「おー!ユキチカくん良い動き!あれ、でも今ユキチカくん銃弾を掴んだような」
コウノは目をこすってそう言った。
「い、いやー偶然にも弾丸はそれたみたいですね!流石ユキチカ様!持ってますねぇラッキーですね!」
ウルルが必死に誤魔化そうとする。
「ん?持ってるよー銃弾」
ユキチカは先ほど発砲された銃弾を見せた。
「だ、だめじゃないですかぁ!勝手に拾ったらぁ!もう、どこでそんな、ダメじゃないですかぁ!危ないのでコウノ様に渡して下さい!」
その銃弾を見て取り乱しながら話すウルル。
ユキチカは頷いてコウノにその銃弾を渡した。
「え?ええ、はい。私が責任をもって回収させて頂きます……?」
少し混乱しながらコウノも銃弾を受け取った。
「この者達を拘束してから後を追うので、お先に!くれぐれも注意してください!」
他の警察官にその場を任せ、コウノ達は先に進んだ。
「だから私達は自分の身だけ守ればいい、気楽でいいだろ?」
キビの背後から敵が襲い掛かるが、一目もみずにそれを回避。
「よっ」
「っ!!」
そのまま相手の腹部に強烈な一撃をお見舞いする。
「すごい」
「まあ、こういうのは慣れてるからな」
キビは両手にまるでメリケンサックのように手錠を握っていた。
物陰から別の者が現れる。
「こっちは私が!じっとしてて!っと」
今度はジーナが相手に飛び掛かり、絞め技を極める。
「ひゅー!やるねぇ!芯が通った歩き方するなって思ってたけど、そこまでとは」
「いやーこういうのだけは得意で」
絞め上げながらそう言うジーナ。
少しばかり動いていた相手の頭がプツンと糸が切れたようにガクっと下がる。
相手は気絶した。
「銃は使うな、ここでは跳弾する」
次々と現れる相手集団は警棒やナイフを取り出す。
向かって来た相手のナイフをキビは手錠で弾き、拳を叩きこむ。
掴んで来た相手の力を利用し逆に相手を投げ飛ばす。
「お!いい感じの鉄パイプじゃーん」
戦いながらキビはそう言ってすぐそばに転がっていたパイプを手に取る。
「そらそら!!」
迫りくる相手を片っ端から打ちのめしていくキビ。
鉄パイプで殴り、突き、武器を絡めとり、関節を極め、投げ飛ばす。
まるで手足のように扱う。
鉄パイプよりも内側に入って来た相手も難なく無力化していく。
(打撃、投げ、関節、絞め技それに棒術まで。逮捕術に自己流も混ぜてるのかな。非の打ち所がない程どれも極まってる。)
ジーナは興味津々でキビの動きを観察していた。
「どんどん来い、片っ端からとっ捕まえてやる!」
今度はシャーロットの背後の物陰から現れシャーロットに襲い掛かる。
「シャロ!後ろ!」
「見えてるよ、コロちゃん!」
相手は自分の肩にコロちゃんがいる事に気付く。
「な、なんだコイツ!」
「いっけぇ!ビリビリショック!」
シャーロットが合図共にそのチューブ状の腕から電気ショックを相手に与える。
「がぁッ……!?」
相手はその場で倒れた。
「結構いるな」
「シャロ!後ろよろしくね」
「う、うん!」
まだまだ相手は出てくる、一体この者達はなんなのだろうか。
だがそんな事を考えるのは後だ。
盾を持った者が前に出て来た。
「任せてください!」
ジーナが盾を持った者の前に立つ。
相手が盾を構えて突進してきた。
(黒鉄ッ!!)
ジーナは相手を盾ごと殴る。
「ガアッ……!?」
激しい金属の激突音と共に相手は飛んだ。
「すっごい音したぞ、手大丈夫か?」
「ええ!鍛えてるんで!それにこのグローブもありますし!」
ジーナはガッツポーズを取った。
彼女はグローブをつけていた。そのグローブは拳と手の甲部分に金属が仕込まれており、グローブ全体も防刃、防火性が非常に高い材質で作られている。ユキチカのお手製だ。
同時刻、病院でウミノ・サヨリが担当の警官と話していた。
「大丈夫ですか、まだ気分が優れないなら……」
「ええ、もう大丈夫です。だいぶ落ち着きました、自分の状況も結構飲み込めて来たので」
ウミノはそういって話をし始めた。
誘拐されていた時の事だ。
「目隠しをずっとされていたから状況はよく分からなかったです。でもずっと優しく話しかけてくれてて……」
「話しかけてくれるって、他の被害者が?」
警官は質問した。
ウミノは首を横に振った。
「いえ、恐らく私を誘拐した人だと思います。とても優しい声で、変ですよね。こんな事を私にしようとしているのに。でも彼女はずっと私にこう言ってました……」
「これが完成したらみんなが幸せになれる、だから少しだけ辛抱して、絶対に自分の命だけは諦めないで」
「誘拐して、なんて身勝手な事を……」
警官の声に怒りが現れる。
「そうですよね。でもなんでしょう、彼女の声から凄く伝わったんです。とても苦しいって感じが」
「ここは!?」
外の騒ぎのせいなのか、ハナが目を覚ます。
「大丈夫よ、心配しないで、あなたは助かる」
メンハギはそう言った。
彼女はまだ薬品が並んだ机に向かって何かをしている。
「え?」
「この研究はここでようやく終わる、そんな予感がするの。私も終わる事ができる」
彼女はそう言ってある薬品を眺めていた。
「そう、これ、こんなものの為に私は……」
そう彼女が言うと突然扉が開かれ、ユキチカが現れる。
「あ!ハナちゃんだ!」
ユキチカはハナの元に行き、目隠しを外した。
「え?ユキチカ君!?」
「やっほー!」
驚くハナに笑って手を振るユキチカ。
すると薬品が並んだ机の前に行くユキチカ。
「おねぇさんがこれ作ったの?」
「え、ええ、あなた、それが何か分かるの?」
メンハギは少し呆気に取られた様子でユキチカを眺めていた。
「うん、これスゴイよねー」
興味津々で机の上に並んだものを見てそういうユキチカ。
「あなた、私が怖くないの?」
メンハギはユキチカに向かってそう言った。
「なんで?あ!そうだ、お腹へった?あんみつあるよ!」
ユキチカはそう言って紙袋からあんみつを取り出した。
「え?……私に?」
呆気にとられながらもあんみつを受け取ってしまうメンハギ。
「ハナちゃんも!はい、あ、食べるのたいへん?今起こすね」
拘束具を外し、ハナを起こす。
「ありがとう、でも本当、なんでここに?」
「ハナちゃんッ!!」
「え?!ジーナちゃんも?!」
ジーナがその部屋に現れた。
彼女は一目散にハナに駆け寄り、抱き着いた。
そしてキビを含めた他の警察官がその部屋に突入してきた。
「両手を頭の後ろに、ゆっくりとこっちを向くんだ」
キビがメンハギに銃を向ける。
「貴様を逮捕する」
「ええ、どうやらそのようね」
この時、メンハギの目元から一滴の涙が流れた。
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