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No.37 一人ですが頑張ります!

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変貌したトータナスとの戦いの最中でアギ―は魔王達の力が扱えるように。そして今トータナスにダメージを与える事が出来た。

「召喚士がッ!!」
トータナスはアギ―に吹き飛ばされた身体を元に戻しながら、アギ―を睨みつけた。

アギ―はそんなトータナスに指を向ける。
「あなたをここで……ぶったおします!」


「ひゅー♪」
「なんだ、ちゃんと決める時は決めるじゃないか」
「だが少し言葉選びのセンスは気になるな……」
「まぁまぁ良いじゃないダーリン♥アギ―ちゃんかっこいい!」

後ろで魔王達が騒ぎ立てる。

「こんな筈はない!」
トータナスは灰色の光線を放つ。

「次は!」
アギーは地面から樹木を生やす。

その樹木から美しい蒼い花が咲くと、一瞬で周囲を凍てつかせ、巨大な氷の塊を形成した。

氷の塊に当たった光線は屈折し周囲に分散する。
その一部が魔王たちが閉じ込められている壁に当たる。

「ああ!ごめんなさい!氷の壁を作って守ろうとしたのですが!」
振り向いて謝るアギー。

「バカ!よそ見してんじゃねぇ!」
フラマーラがアギーの後ろを指差す。

背後から迫るトータナスの巨腕。

アギーは影に潜航しその攻撃を回避する。
影は移動しトータナスの影に混ざる。

するとトータナスの影から無数のトゲが発生。
トゲが彼の肉体を切り裂く。

「ぐっ、クソ!」
トータナスは灰色の光で周囲を強烈に照らし影をかき消した。

「おっとと」
アギーが影から飛び出る。

「あれ?身体がちっちゃく!」
影が小さいせいか、彼女は手のひらサイズになっていた。

「おい、あんな面白能力あるのかお前!?」
「いや、知らん」
フラマーラがテネバイサスをつついてきく。

「わ!元に戻りました!」
身体が元のサイズに戻るアギー。



「この我を前に随分とふざけてくれるな!」
トータナスの身体から怨念が吹きでる。
怨念の下から淡く赤い光を放つ球体が顔を出す。

「焔恨!!」
怨念を纏わせた灰色の焔の拳を放つ。
アギーはそれに合わせて冰の壁を展開する。

「ッ!アギーそいつは避けろ!」
「えっ!?は、はい!」
壁はいとも簡単に破壊されてしまう。
しかし、アギーは高速で移動し、なんとか脱出した。

「ここに来て更に魔力が上がってきてやがるぞ」
「恐らく破壊者のコアを扱えるようになってきているのだろう。このままではマズいな」

この一撃をみてフラマーラとグレイシモンドは驚く。

「今更焦っても遅い!」
すると今度は青い光を放つ球体が現れる。

「憑氷っ!」
地面が、一瞬で凍りつきトゲを形成する。

「うわわわ!」
アギーは光になって空中に逃げる。

「逃がすか!!」
空中に現れたアギー目掛けトータナスは闇の煙をムチにして繰り出す。

ムチはアギーを捕える、トータナスはそれを振り回し彼女を氷のトゲがびっしりと生えた地面に叩きつけた。

「闇は光すら飲み込む!光の力を使っている状態の貴様は逃れられないようだな」

「アギーちゃん大丈夫!?」
アウレンデントが呼びかける。

「めっっっっちゃ痛いです……グス、でも泣きません……!ズズッ!」
「もう9割ぐらい泣いてるけど偉いわ!」
彼女に褒められるアギー。

「なに!?今ので死なんか、頑丈なやつめ!」

するとテネバイサスがアギーに声をかける。
「アギー!アイツに破壊者のコアを使わせるな!奴から奪うんだ!」

「待てよ、そんな事したら」
フラマーラが止めようとする。
するとアウレンデントがそれを遮った。

「大丈夫よ、アギーちゃんを信じましょう」

「良いかアギーよく聞くんだ!奴のコアに自身の魔力を流すんだ。ティターノの時にやったのと同じことをすればいい!奴の支配下を離れたコアは勝手に奴から引き剥がされるはずだ!」

グレイシモンドがそう説明する。

「分かりました!やってみます!」

アギーは頷いてトータナスの方をみる。

「ふん、何か企んだ所で所詮は弱者の浅知恵。死に行くものが何をしたところで意味がない。どうせみな死ぬのだからな」



「そら行くぞ!!」
蛇の頭がついた触手と猿の巨腕を振るって攻撃を仕掛けるトータナス。

「アギ―なるべく奴の動きをみてかわせ!またアタシ達の魔力を使った逃げ方だと捕まるぞ!」

フラマーラからの助言通りにアギ―は相手をよく観察し、時に植物の力を借りてトータナスの攻撃を回避していく。

「このッ!!」
トータナスは怨念を纏わせた光線を放つ。
光線を避けながら地面に光線を放つアギ―。

「今ですね!煌々樹!」
するとトータナスの周囲の地面から樹木が出現する。

「ふん!こざかしい!」
自身を取り囲もうとするその植物を振り払おうとするトータナス。

しかし樹木は彼を捕らえようとはしなかった。
彼が光線を放つ際に露出した光のコア目掛けて伸びていたのだ。

「捕まえました!」
アギ―はそう言って手を光らせると同時に樹木も緑の光を放つ。
樹木に捕らえられたコアはこの緑の光を注ぎ込まれた。

「な、なんだと!?まさか貴様!!」
トータナスが気付いた時にはもう遅く、彼の身体から巨大な光のコアが解き放たれる。トータナスは光の破壊者の力を失い、その影響か体の岩のような外殻がなくなっていく。

「よし!まずは1つ!残すは3つだぞ!」
魔王達がガッツポーズを取った。

「ぐぬぅ!コアのコントロール権を奪われただと!?そんな能力はあの死にぞこないどもには無かった!貴様の能力か!!」

トータナスは触手を伸ばした。触手は先端にある蛇の頭から毒の霧を吐き出す。

アギーは地面を高速で移動し回避する。
彼女は黄金の光を纏っていた。
蛇の頭達がアギーを追いかける。

「ハハハ!バカ者が!さっきと同じだぞ!」
そして彼女に蛇が噛みつく。

「闇は光すら飲みこむ!もう忘れたのか!」
トータナスは笑った。

「良かった……影花、上手くいきました」
そういったアギーの体は紫煙を放つ花に変わる。

「なんだこれは!?本体はどこだ……!」
するとトータナスの身体に衝撃が走る。

彼は振り向いた、影が樹木が現れコアを捕まえていたのだ。その樹木の根本にある影からアギーが現れた。

アギーの魔力が樹木を通じて闇のコアに流し込まれた。コアは緑の光を放ち、トータナス身体から開放される。

トータナスの身体にあった触手が消えていく。
身体の大きさも一回り小さくなった。

「はあ、まだだァッ!!」
トータナスは氷の鎧を纏う。
彼はその身体で体当たりする。

植物を生み出し、その突進を止めるアギー。

「止めたぐらいでいい気になるなよ!雑草ごと氷漬けにしてやる!」

「おっと」
「あらら」
「それは……」
「悪手だろ、トータナス」
魔王達がそう言う。

「極天氷蓮ッ!」
アギーが発生させた植物をつたい、トータナスの身体全体に氷のような花弁をもった蓮の花が咲き乱れた。

彼の氷の鎧が砕ける。

「なんだとおォォッ!?」

花は根を氷のコアへと伸ばす。

「させるかぁぁぁっ!!」
トータナスはコアを取らせまいと猿の腕をアギ―に伸ばす。

しかしその腕も根に絡めとられてしまう。

「こんなもの!!」

トータナスはすぐに根を燃やそうとする、しかしこれが大きなミスだった。既にアギ―が生み出した植物の根は体全体に及んでいた、そんな状況で焔の力を使いコアを露出させてしまったのだ。

「いっぺんに行きますよ!」

アギ―が魔力を植物に流し込む。

魔力がトータナスに達すると彼の身体から二つのコアが解放される。
すると彼の身体は小さくなり、最後には元の背丈に戻ってしまう。

「グハァッ!ハァ……ハァッ」
彼は灰色の泥を吐き出した。
苦しそうにするトータナス。

「よし!」
「これであとは」
「ああ、アイツだけだ」
「こっからよ!アギ―ちゃん!」

魔王達がそう言うと、トータナスが起き上がる。

「ええ、やってみせます!」
「貴様ッ……!」
アギ―とトータナスが対峙する。
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