大鳥居横あやかし宅配便~ワケアリ荷物お届けします~

シェリンカ

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6 あやかしの宅配便

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 真っ黒に塗りつぶされた木立も、途中でわずかに光る集落の灯りも、途切れ途切れの道路も、全てがあっという間に私たちの背後に過ぎ去る。
 あまりの速さに目を開けていることができなくて、ぎゅっと両目を瞑る私にシロが明るく語りかける。

「もう少しだからね。しっかり掴まっててー」

 このスピードで振り落とされれば、命に係わるかもしれないという恐怖で、言われるまでもなく私は全力で、彼の背にしがみついていた。

 ようやく速度が落ちてきたように感じ、恐る恐る目を開けてみれば、山から市街地へと下る最後の坂道にさしかかっている。

(一瞬……とまでは言わないけど、体感、数十秒ぐらいしか経ってないんですけど!?)

 そのまま坂を下り、街外れのとある民家の裏に着くと、シロは私を背中から降ろしてくれた。

「はい、とうちゃーく」

 必死にしがみついていたおかげで、すっかり体がこわばっており、脚に力が入らない。
 またもやふらっと倒れかけた私を支えてくれたのは、白い毛に覆われた獣の背中ではなく、普通の人間の腕だった。

「……え?」

 いつの間にかシロが、若い青年の姿に戻っている。
 白い着流しに白い羽織という、最初に会った時と同じ格好の彼を、私は眩しく見つめた。

(もう……どうでもいい……)

 考えていることがそのまま顔に出るらしい私の表情が、シロは気に入っているようで、「ははは」と笑いながら、私の体を起こしてくれる。

「ほら、瑞穂ちゃんしっかりして。行くよー」

 どこからか出した小さな包みを手に、家の表にまわる彼を、私もふらふらとした足取りで追った。
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