大鳥居横あやかし宅配便~ワケアリ荷物お届けします~

シェリンカ

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9 昨日までとは違う日々

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 店に着く前に二人は人型に戻っており、見た目はいかにも今時の若い男の人だが、ついさっきまでの姿を思い出せば、もう違和感しかない。

「コンビニ……」

 思わず呟く私へ向けるクロの目は冷たい。

「夜中に開いてるところといったら、ここぐらいだろう……文句を言うな」
「いや、文句じゃなくって……」

 私の言い訳に耳を傾けることなく、クロは手慣れた様子で豆腐や牛乳やパンを、次々と買い物かごに入れていく。

「瑞穂ちゃんも欲しいものあったら入れちゃいなよー」

 シロが勝手にかごに入れるお菓子は、全てクロの手によって棚に返されているのだが、本人はまったく気にしていない。
 懲りることなくどんどん入れていく。

「うん……」

 シロの勧めに乗るつもりはないが、私も自分のお金で何か買おうかと隣の棚の列へ移動した。
 しかしその通路をちらりと見た時、どきりとして足が止まってしまった。

(あ……)

 そこでは男女のカップルが仲良さそうに買い物をしていた。
 男のほうが、私が入って来たのに気がついて顔を上げるより早く、私は急いでその場所から逃げ出した。

「私、何もいらないから外で待ってるね」
「え? ちょっとー……?」

 シロが驚いたように呼び止めようとしてくれているが、立ち止まって説明をしている心の余裕はなかった。

(雅司と理加ちゃん……!)

 偶然、二人が寄り添う姿を目撃してしまい、私の心臓は口から飛び出てしまいそうにけたたましく鳴り響いていた。 
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