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44 魔王からの招待
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さすが、魔力の中心だという魔王のいる南の森。魔物の数が凄い。
幸いだったのは、グリフォンが意外にも鳥目で暗くなってからは出てこないことと、悠真くんが巨大な光る椅子を設置してそこに更に八門遁甲の椅子を設置しておいたら、ジャイアントモスが光に集まって八門遁甲に掛かってくれたこと。
これは実は聖那ちゃんのアイディアで、彼女はただの虫嫌いではなくて、嫌いすぎて詳しくなってしまうタイプの虫嫌いだった。
私は「私たちに寄ってくる」という固定観念があったせいで、まさか誘蛾灯もどきにジャイアントモスが引っかかるとは思わなかったよ……。
もちろん、朝になって八門遁甲の椅子の中にみちみちになっているジャイアントモスを見て、聖那ちゃんは絶叫してた。
小学1年生はこんなに連続して椅子を投げられるんだ、という実例を目の当たりにして、私はちょっとチベットスナギツネの顔になった。
LVを確認したら、68まで上がっていた。うん、いい感じに上がってる。
おそらくここは、ゲームでいったら、まだ私たちのレベルでは到達できないエリア。そして敵も、こちらが一方的に倒せる訳がないモンスター。
だけど私たちはオートで攻撃をするゲームキャラじゃなくて、生身の人間。知恵もある。普通のRPGやってたら、「森で強い敵が出ます」って状況で「木を切り倒して広場を作って迎撃態勢を整えます」なんてことはあり得ない。TRPGなら結構そういうのは通るけども……。
朝ご飯を食べながら、私は今日の行動について考えていた。
友仁くん以外にも5人くらいの子に「必殺技の椅子」を投げてもらって広場を拡大し、じりじりと移動するか。
それとも、LV80くらいまではここで様子を見るか。
LV80も今のペースで行けば、それほど日数は掛からない気がするし。
悩んだ末に、私は先に進むことを選んだ。
だって、一日も早く元の世界に戻りたいから。
そして、驚天動地の出来事が私たちを待ち受けているなんて、この時の私は思いもしなかった。
じわりじわりと幅15メートルくらいの道を切り拓いて、私たちは前進する。
移動し始めてからすぐ蛇行した川があるのが遠くに見えて、昨日のワニはここから来たのか、とちょっと納得。
「わあ、でっかい川!」
「アマゾン川だ!」
「紫苑くんよく知ってるね。アマゾン川もくねくねしてるんだよ」
濁った水が緩やかに流れる川をちょっと離れたところから眺めていたら、
「うぉわ!」
「キャー!」
突如上がった水柱に驚いて子供たちが悲鳴を上げる。何事かと驚いていたら、川から水色の馬が突然飛び出してきた!
「ケルピー!?」
その青と水色の混じった毛並みと、水の中から時折見える魚の姿をした下半身で私は咄嗟にそう叫んでしまった。
やばい、ケルピーって水の魔法とか使うんじゃなかったっけ!?
人間はろくな魔法を使えなくても、魔物はそうとは限らない。ましてここは、魔力の濃い南の森。
ここは八門遁甲の椅子で守られているけど、遠隔から魔法を打たれたら――。
なんて思っていたけども、下半身が魚のケルピーは水から出ることができないらしくて、歯を剥き出しにする馬っぽい威嚇をしながら、ブルルンブルルン鳴いていた。
魔法も打ってきたけど、サッカーボール大の水球だったので、みんなはさくっと避け、湊斗くんが椅子で打ち返した。
駄目だよね……小学生にボールみたいなもの投げてきたって。この子たちは暇さえあればドッジボールしてるような子たちだよ……。しかもステータス馬鹿高いんだよ。
哀れ、ケルピーは川から出ることもなく椅子を投げつけられ、コンテナはブクブクと川に沈んでいった……。
システム管理者、計画性がないな。こんなモンスターけしかけられてもこっちも対応に困るわ。
「先生、黄色い箱沈んじゃったね……」
「沈んだねえ……」
「中身、何だったんだろう」
「今までの感じだと、水まんじゅうとかだったかもね。中がラムネ味の水色のやつ……」
「ちょっと食べてみたかったかも」
宗久くんは反応してたけど、他の子たちは水まんじゅうではピンとこなかったみたいだった。
お昼ご飯を食べ、八門遁甲の椅子に囲まれて食後のまったりタイムを過ごしていたとき、バサバサと盛大な羽音を響かせて、鮮やかな赤と緑の羽に彩られたオウムが椅子の上に舞い降りた。
「ゴッ、ゴキゲンヨー! コニャニャチワ!」
調子はずれの挨拶が頭上から降り注いでくる。
オウムは一度バサリと羽ばたいて見せてから、ぽかんとしている私たちに向かってもう一度同じ言葉を発した。
「先生、あのオウム、ギャーギャーじゃないよ?」
「喋ってるね……」
「コニャニャチワ! オヘンジ、ドシタノ!!」
「こ、こんにちは!!」
「こんにちは!」
まさかのオウムのツッコミに、みんなが慌てて挨拶を返す。オウムはフン、と言いたげに翼を広げた。
でかい……。全長1メートルはありそうだけど、オウムってこんなに大きな鳥だったっけ。
「マオウサマ、デンゴン!」
「魔王様!?」
「マオウサマ、ヨー!」
このオウム、魔王の使い!? 言葉をめちゃくちゃ使いこなしてるのは、使い魔か何かだからなのかな!?
「はいっ! デンゴン、聞きます! オネガイします!」
私までおかしなイントネーションになりつつ、直立不動でオウムの言葉を待つ。すると、オウムは羽ばたいて椅子から降りてきて、何故か私の頭の上に止まった。
「い、痛たたた! 足、爪痛いんですけど! 食い込んでる!」
「チョット、ガマーンシナサイ! マオウサマ、アナタタチヲ、オマネキ!」
「魔王様のお招き!?」
「サア、ツイテコイ!」
「え、ええー、急すぎるよー!」
私が文句を言うと、オウムは私の頭に止まったままで羽ばたいた。震動が足に伝わってきて、爪が食い込んで頭がめちゃくちゃ痛い!
オウムの傍若無人っぷりに子供たちもちょっと呆然としている。そんな子供たちに向かってオウムはもう一度声高らかに「ツイテコイ!」と宣言して飛び立った。
「待って! 魔物が出るから普通に飛ばれたら追いつけない!」
「マモノ、ダイジョブ! ワタクシサマ、イレバ、デナイ。ワタクシサマ、マオウサマノ、ツカイ!」
お、おう……凄く態度がデカいオウムだわ。でも、魔王の使いだからこのオウムがいれば魔物が出ないというのはもしかしたら本当かもしれない。
「みんなー! あのオウムさんに付いていくよー! 背の順に並んで、隣の子とはぐれないようにね!」
34人の子供たちは訓練されきった素早さであっという間に整列し、オウムの後に続いて走り始めた。私は最後尾でそれを追う。
緑濃い森の中を、赤と緑の翼を広げたオウムが飛んでいく。その姿は意外に目立つから、全身緑のオウムじゃなくて良かったななんて思ったりした。
そしてオウムの言う通り、魔物は私たちに襲いかかっては来なかった。気配はするけども、近づけないらしい。
魔王が私たちを招いてるってどういう事だろう。
クリスさんの話によれば、この世界の「魔王」は魔力を司る存在で、悪の概念が付いてるわけじゃないみたいだけど。
いろいろと考えながら私は走り、何回かオウムに休憩を懇願することになった。
幸いだったのは、グリフォンが意外にも鳥目で暗くなってからは出てこないことと、悠真くんが巨大な光る椅子を設置してそこに更に八門遁甲の椅子を設置しておいたら、ジャイアントモスが光に集まって八門遁甲に掛かってくれたこと。
これは実は聖那ちゃんのアイディアで、彼女はただの虫嫌いではなくて、嫌いすぎて詳しくなってしまうタイプの虫嫌いだった。
私は「私たちに寄ってくる」という固定観念があったせいで、まさか誘蛾灯もどきにジャイアントモスが引っかかるとは思わなかったよ……。
もちろん、朝になって八門遁甲の椅子の中にみちみちになっているジャイアントモスを見て、聖那ちゃんは絶叫してた。
小学1年生はこんなに連続して椅子を投げられるんだ、という実例を目の当たりにして、私はちょっとチベットスナギツネの顔になった。
LVを確認したら、68まで上がっていた。うん、いい感じに上がってる。
おそらくここは、ゲームでいったら、まだ私たちのレベルでは到達できないエリア。そして敵も、こちらが一方的に倒せる訳がないモンスター。
だけど私たちはオートで攻撃をするゲームキャラじゃなくて、生身の人間。知恵もある。普通のRPGやってたら、「森で強い敵が出ます」って状況で「木を切り倒して広場を作って迎撃態勢を整えます」なんてことはあり得ない。TRPGなら結構そういうのは通るけども……。
朝ご飯を食べながら、私は今日の行動について考えていた。
友仁くん以外にも5人くらいの子に「必殺技の椅子」を投げてもらって広場を拡大し、じりじりと移動するか。
それとも、LV80くらいまではここで様子を見るか。
LV80も今のペースで行けば、それほど日数は掛からない気がするし。
悩んだ末に、私は先に進むことを選んだ。
だって、一日も早く元の世界に戻りたいから。
そして、驚天動地の出来事が私たちを待ち受けているなんて、この時の私は思いもしなかった。
じわりじわりと幅15メートルくらいの道を切り拓いて、私たちは前進する。
移動し始めてからすぐ蛇行した川があるのが遠くに見えて、昨日のワニはここから来たのか、とちょっと納得。
「わあ、でっかい川!」
「アマゾン川だ!」
「紫苑くんよく知ってるね。アマゾン川もくねくねしてるんだよ」
濁った水が緩やかに流れる川をちょっと離れたところから眺めていたら、
「うぉわ!」
「キャー!」
突如上がった水柱に驚いて子供たちが悲鳴を上げる。何事かと驚いていたら、川から水色の馬が突然飛び出してきた!
「ケルピー!?」
その青と水色の混じった毛並みと、水の中から時折見える魚の姿をした下半身で私は咄嗟にそう叫んでしまった。
やばい、ケルピーって水の魔法とか使うんじゃなかったっけ!?
人間はろくな魔法を使えなくても、魔物はそうとは限らない。ましてここは、魔力の濃い南の森。
ここは八門遁甲の椅子で守られているけど、遠隔から魔法を打たれたら――。
なんて思っていたけども、下半身が魚のケルピーは水から出ることができないらしくて、歯を剥き出しにする馬っぽい威嚇をしながら、ブルルンブルルン鳴いていた。
魔法も打ってきたけど、サッカーボール大の水球だったので、みんなはさくっと避け、湊斗くんが椅子で打ち返した。
駄目だよね……小学生にボールみたいなもの投げてきたって。この子たちは暇さえあればドッジボールしてるような子たちだよ……。しかもステータス馬鹿高いんだよ。
哀れ、ケルピーは川から出ることもなく椅子を投げつけられ、コンテナはブクブクと川に沈んでいった……。
システム管理者、計画性がないな。こんなモンスターけしかけられてもこっちも対応に困るわ。
「先生、黄色い箱沈んじゃったね……」
「沈んだねえ……」
「中身、何だったんだろう」
「今までの感じだと、水まんじゅうとかだったかもね。中がラムネ味の水色のやつ……」
「ちょっと食べてみたかったかも」
宗久くんは反応してたけど、他の子たちは水まんじゅうではピンとこなかったみたいだった。
お昼ご飯を食べ、八門遁甲の椅子に囲まれて食後のまったりタイムを過ごしていたとき、バサバサと盛大な羽音を響かせて、鮮やかな赤と緑の羽に彩られたオウムが椅子の上に舞い降りた。
「ゴッ、ゴキゲンヨー! コニャニャチワ!」
調子はずれの挨拶が頭上から降り注いでくる。
オウムは一度バサリと羽ばたいて見せてから、ぽかんとしている私たちに向かってもう一度同じ言葉を発した。
「先生、あのオウム、ギャーギャーじゃないよ?」
「喋ってるね……」
「コニャニャチワ! オヘンジ、ドシタノ!!」
「こ、こんにちは!!」
「こんにちは!」
まさかのオウムのツッコミに、みんなが慌てて挨拶を返す。オウムはフン、と言いたげに翼を広げた。
でかい……。全長1メートルはありそうだけど、オウムってこんなに大きな鳥だったっけ。
「マオウサマ、デンゴン!」
「魔王様!?」
「マオウサマ、ヨー!」
このオウム、魔王の使い!? 言葉をめちゃくちゃ使いこなしてるのは、使い魔か何かだからなのかな!?
「はいっ! デンゴン、聞きます! オネガイします!」
私までおかしなイントネーションになりつつ、直立不動でオウムの言葉を待つ。すると、オウムは羽ばたいて椅子から降りてきて、何故か私の頭の上に止まった。
「い、痛たたた! 足、爪痛いんですけど! 食い込んでる!」
「チョット、ガマーンシナサイ! マオウサマ、アナタタチヲ、オマネキ!」
「魔王様のお招き!?」
「サア、ツイテコイ!」
「え、ええー、急すぎるよー!」
私が文句を言うと、オウムは私の頭に止まったままで羽ばたいた。震動が足に伝わってきて、爪が食い込んで頭がめちゃくちゃ痛い!
オウムの傍若無人っぷりに子供たちもちょっと呆然としている。そんな子供たちに向かってオウムはもう一度声高らかに「ツイテコイ!」と宣言して飛び立った。
「待って! 魔物が出るから普通に飛ばれたら追いつけない!」
「マモノ、ダイジョブ! ワタクシサマ、イレバ、デナイ。ワタクシサマ、マオウサマノ、ツカイ!」
お、おう……凄く態度がデカいオウムだわ。でも、魔王の使いだからこのオウムがいれば魔物が出ないというのはもしかしたら本当かもしれない。
「みんなー! あのオウムさんに付いていくよー! 背の順に並んで、隣の子とはぐれないようにね!」
34人の子供たちは訓練されきった素早さであっという間に整列し、オウムの後に続いて走り始めた。私は最後尾でそれを追う。
緑濃い森の中を、赤と緑の翼を広げたオウムが飛んでいく。その姿は意外に目立つから、全身緑のオウムじゃなくて良かったななんて思ったりした。
そしてオウムの言う通り、魔物は私たちに襲いかかっては来なかった。気配はするけども、近づけないらしい。
魔王が私たちを招いてるってどういう事だろう。
クリスさんの話によれば、この世界の「魔王」は魔力を司る存在で、悪の概念が付いてるわけじゃないみたいだけど。
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