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和風ポークソテー

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俺は豚肉を酒と醤油にまぶして、暫く置いた。
筋を切り、麺棒でたたいて広げる。
「おおお、そのように料理するのかっっ!!」
エリザベス。
「はじめてみたわ」
チャロ。
「は…はあ…」
俺。
俺は母子家庭の長男だったので、料理作りには慣れているのだ。
エリンギを縦半分に切った。
フライパンに油を熱し、生姜を入れて香りが出始めたら中火にした。
「あーいい匂いだー」
アブリル。
「はよ、食べたい」
エリザベス。
「まだ早い」
俺は制止する。
豚肉を並べ、こんがりと焼き色をつける。エリンギも焼く。
最高に器に盛り、混ぜ合わせる。これだけ。
玉ねぎとねぎの味噌汁も作った。
ごはんも用意する。玄米である。
「はいどうぞ」
俺。
「おいしいーーーー」
エリザベス。
「感激ですわ」
チャロ。
「呪いさえなければ、我々もこんなおいしい料理が作れるのか!!」
ん?呪い。
「おい、呪いってなんだよ」
俺。
「実はね、この世界の人たちは、悪い魔女に呪いをかけられてしまって」
チャロ。
「みんながみんな、クロコゲ料理しか作れないのよ!!」
エリザベス。
「え…そうなんですか?」
俺。
「この1000年の間、おいしい料理が食べれないの!!」
アブリル。
「は、はあ…」
なるほど。
だから俺が召喚されたのか。
「呪いはどうやったら解けるんです?」
俺。
「それが、美味しい料理を1000回食べないと、解けないのよ!!」
エリザベス。
「ああ…それはなんという無理難題」
俺。
「あなたはある意味世界の救世主なのよ」
チャロ。
「奴隷だけどね」
エリザベス。
おいおい…。
「じゃあ、美味しい料理を1000回作ったら、返してくれます?」
俺。
「ああ」
エリザベス。
「それならいいでしょう」
アブリル。
ほっ。
良かった。
「よし、じゃあ美味しい料理をバシバシ作るぞーー!!」
俺。
「わぁい」
三人姉妹は喜んだ。

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