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第一話 突き付けられた現実と…… 後編
もしかしなくても迷子?
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ルーズベルトさんはアリステル城へ着くと優雅な体勢で下降する。
そして両足をちょこんと地面に下ろし、大きく広げていた翼を静かに折り畳む。
「疲れただろう、ルーベルト向こうでゆっくり休んでくれ」
送ってくれたルーズベルトさんを優しく労わるエディーの言葉に、ルーズベルトさんは承知したと言った感じで数人の兵士達と共に左奥の方にある大きな塔、多分竜舎だと思う方向へと向かって行く。
ドタドタと大きな足音を立てて……。
そして私達はその姿を見送ってから城内へとてくてく歩き出す。
だけどね、エディーの館も無駄に広いと思ったのだけれど、このアリステル城はそれ以上に広いっっ。
おまけに超がつく程デカイ……ときている。
TVやネットで世界のお城特集なんかを見るのが好きだったから、こうしてお城の中を実際に歩くのは感動モノなんだけれどね。
建物をイメージするとすれば、エディーの館はキルケニー城の様なシックな感じなのだけれど、このアリステル城はう~んそう、モンサンミッシェルを2倍くらい大きくした城下の街と一体化した荘厳華麗なお城。
実際行ったコトなんてないんだけれど、当然17歳の女子高生じゃ当り前。
でも今朝見た朝焼けの中で浮かんでいるアリステル城の姿を上空から見たけれど、めっちゃ綺麗で感動したわ。
そんな感動したお城の中を今歩いているというのも何だか信じ難い。
因みに上空から見た限り海は……ないけれどね。
それにしても城内の造りも相当凝っている。
私みたいなお子様が見てもめっちゃ凄いって思うんだもん。
これは下手に触れない……というか、触っちゃいけないと思ってしまうのが私の最初の感想です。
そうして城内を散々歩かされた後、エディーは私にある部屋で暫く待つ様にと言ってそのままその部屋を後にした。
しかし案内されたこの部屋にしてもまた美し過ぎて、壁やそこらの装飾品に触ってはいけない様な、そして猫足の長椅子へも腰を掛けてはいけない様な気にさえなってくるではないですか。
だから少しして侍女がお茶を運んでくれるまでの間、ええ、私は立派な観光客気分で立っていましたよ。
お茶を運んできてくれた侍女は、そんな観光客気分の私を見ても特に驚く様子もなく、優しげな笑顔と共に長椅子へ座る様に促してくれた。
「姫様、どうぞお掛けになって下さいませ」
そう言われてやっと私は長椅子へ腰を掛けて、お茶を一口っておいおい私は姫じゃあないしっっ!!
だけど変に騒ぐのは淑女としてあるまじきコトだというものを、この1ヶ月の間にしっかりと叩き込まれた礼儀作法の所為でツッコミも入れられず、お茶を呑んでただ「ありがとう」と言うのが関の山だった。
だがしか~し今現在私は1人なのですよね。
ふふふ邪魔な、いやいや面倒なというか、あーもうどちらでも一緒か、兎に角今そのエディーは傍にいない。
脱走するならば今しかないっっ!!
なんでお城へ連れてこられたのかも理由はわからないけれど、取り敢えず私は当初の目的通り元の世界へ帰る為に行動を起こすべきなのですよっっ。
そしてそうとなればこんなトコには1秒たりとも居られない。
私はそうろ~っと席を立ち、それで以って扉をゆっくりと音を立てずに開ける。
誰もいない……。
よしっっ、とばかりに廊下へと出る。
そして何もなかったかの様に歩き出す。
数人の侍女らしい人とは擦れ違ったけれど、皆私を見て道を開け、何故か恭しく頭を垂れている。
変なのって思ったけれど、直ぐに気がついた。
きっとエイミー達が着せてくれたこのドレスの所為で、何処かの令嬢か何かだと思われているってコトなんだと、その時はそう納得したのです。
だけど行けども行けども出口は見当たらない。
何故か何処も同じ様な造りに思えて、もしかしなくってもいやいやこれはあの所謂迷子って奴ですかっっ!?
いや~自分がそんな方向音痴ではないと思っていただけにかなりショックだけれど、廊下で擦れ違う人へ一々『ここは何処ですか?』なんてコト聞く訳にもいかない。
だってこれは明らかに逃亡中であって、それで以ってエディーに気付かれると逃亡先がわかって直ぐにでも捕獲されるコト間違いないでしょっっ。
なんだかな~、あの男性は決してお馬鹿ではないというよりも、兎に角私なんかよりめっちゃ頭がいいと思う。
おまけになんて言うんだろう、そう何でも人を従わせてしまうカリスマ性って言うのかしら、オーラ、そうそう覇気ってもんが半端ない。
そんなエディーにもし私が逃げ出したと知ったら……いやいや、怖くなるだけだから出来るだけ考えないようにしましょうね。
うん、余計な思考はこの際横に置いておきましょう。
きっとその方が前に進めるに違いないと、そしてお願いっ、誰かそう断言して欲しいっっ!!!
そうして私は気を取り直しズンズン前へと歩き出す。
しかしですね、この先は出口ではなく――――奥へと向かっているコトにも気づかずに……。
そして両足をちょこんと地面に下ろし、大きく広げていた翼を静かに折り畳む。
「疲れただろう、ルーベルト向こうでゆっくり休んでくれ」
送ってくれたルーズベルトさんを優しく労わるエディーの言葉に、ルーズベルトさんは承知したと言った感じで数人の兵士達と共に左奥の方にある大きな塔、多分竜舎だと思う方向へと向かって行く。
ドタドタと大きな足音を立てて……。
そして私達はその姿を見送ってから城内へとてくてく歩き出す。
だけどね、エディーの館も無駄に広いと思ったのだけれど、このアリステル城はそれ以上に広いっっ。
おまけに超がつく程デカイ……ときている。
TVやネットで世界のお城特集なんかを見るのが好きだったから、こうしてお城の中を実際に歩くのは感動モノなんだけれどね。
建物をイメージするとすれば、エディーの館はキルケニー城の様なシックな感じなのだけれど、このアリステル城はう~んそう、モンサンミッシェルを2倍くらい大きくした城下の街と一体化した荘厳華麗なお城。
実際行ったコトなんてないんだけれど、当然17歳の女子高生じゃ当り前。
でも今朝見た朝焼けの中で浮かんでいるアリステル城の姿を上空から見たけれど、めっちゃ綺麗で感動したわ。
そんな感動したお城の中を今歩いているというのも何だか信じ難い。
因みに上空から見た限り海は……ないけれどね。
それにしても城内の造りも相当凝っている。
私みたいなお子様が見てもめっちゃ凄いって思うんだもん。
これは下手に触れない……というか、触っちゃいけないと思ってしまうのが私の最初の感想です。
そうして城内を散々歩かされた後、エディーは私にある部屋で暫く待つ様にと言ってそのままその部屋を後にした。
しかし案内されたこの部屋にしてもまた美し過ぎて、壁やそこらの装飾品に触ってはいけない様な、そして猫足の長椅子へも腰を掛けてはいけない様な気にさえなってくるではないですか。
だから少しして侍女がお茶を運んでくれるまでの間、ええ、私は立派な観光客気分で立っていましたよ。
お茶を運んできてくれた侍女は、そんな観光客気分の私を見ても特に驚く様子もなく、優しげな笑顔と共に長椅子へ座る様に促してくれた。
「姫様、どうぞお掛けになって下さいませ」
そう言われてやっと私は長椅子へ腰を掛けて、お茶を一口っておいおい私は姫じゃあないしっっ!!
だけど変に騒ぐのは淑女としてあるまじきコトだというものを、この1ヶ月の間にしっかりと叩き込まれた礼儀作法の所為でツッコミも入れられず、お茶を呑んでただ「ありがとう」と言うのが関の山だった。
だがしか~し今現在私は1人なのですよね。
ふふふ邪魔な、いやいや面倒なというか、あーもうどちらでも一緒か、兎に角今そのエディーは傍にいない。
脱走するならば今しかないっっ!!
なんでお城へ連れてこられたのかも理由はわからないけれど、取り敢えず私は当初の目的通り元の世界へ帰る為に行動を起こすべきなのですよっっ。
そしてそうとなればこんなトコには1秒たりとも居られない。
私はそうろ~っと席を立ち、それで以って扉をゆっくりと音を立てずに開ける。
誰もいない……。
よしっっ、とばかりに廊下へと出る。
そして何もなかったかの様に歩き出す。
数人の侍女らしい人とは擦れ違ったけれど、皆私を見て道を開け、何故か恭しく頭を垂れている。
変なのって思ったけれど、直ぐに気がついた。
きっとエイミー達が着せてくれたこのドレスの所為で、何処かの令嬢か何かだと思われているってコトなんだと、その時はそう納得したのです。
だけど行けども行けども出口は見当たらない。
何故か何処も同じ様な造りに思えて、もしかしなくってもいやいやこれはあの所謂迷子って奴ですかっっ!?
いや~自分がそんな方向音痴ではないと思っていただけにかなりショックだけれど、廊下で擦れ違う人へ一々『ここは何処ですか?』なんてコト聞く訳にもいかない。
だってこれは明らかに逃亡中であって、それで以ってエディーに気付かれると逃亡先がわかって直ぐにでも捕獲されるコト間違いないでしょっっ。
なんだかな~、あの男性は決してお馬鹿ではないというよりも、兎に角私なんかよりめっちゃ頭がいいと思う。
おまけになんて言うんだろう、そう何でも人を従わせてしまうカリスマ性って言うのかしら、オーラ、そうそう覇気ってもんが半端ない。
そんなエディーにもし私が逃げ出したと知ったら……いやいや、怖くなるだけだから出来るだけ考えないようにしましょうね。
うん、余計な思考はこの際横に置いておきましょう。
きっとその方が前に進めるに違いないと、そしてお願いっ、誰かそう断言して欲しいっっ!!!
そうして私は気を取り直しズンズン前へと歩き出す。
しかしですね、この先は出口ではなく――――奥へと向かっているコトにも気づかずに……。
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