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第二話 とある異世界とMy heart falls in you
脱出
しおりを挟む髪や肌の色が変わっても、この青みがかった銀色に光る瞳だけは変わらない。
そして彼が今私と対となす世継ぎの証であるピアスを外していようとも、こんなに高圧的な俺様オーラを醸し出す男性は、そうはいないでしょう???
た、確かにジャンプというか、いや転落に近いというモノから受け止めてくれたのはめっちゃ助かりましたけれど、だからと言って私にとってこの状況はあまり好転していないと思うのは何故でしょう……か?
う~ん、エディーと一週間ぶりの再会なのだけれど、何故か複雑な気持ちがしてならない。
でもって兎に角この抱きあげられた状態より脱出しなければ……。
「エディー助けて貰って有難う御座いますが、でもですね、何時までもこのままではなく、早く地面に降ろして下さい」
ちょっと他人行儀過ぎたかな?……とは言っても元々私達立派な赤の他人同志だし、住んでる世界も、身分も何もかもぜ~んぶ違うから―――――いいよね?
ちらりと――――うん、何となく彼がどう思っているのか少し気になって、思わず見てしまった。
そう怒ってしまったかなって思ったら、はい、何もなく無表情でした。
あぁやっぱり、助けに来たのは聖女っていうコトだけなんだ。
然も一度は婚約したもんだから、形式的にも助けに来てくれたってコトでしょう。
はぁ、な~んかほんと何か白けちゃった。
やっぱり好きになる前?で良かったですよね。
こんな冷血漢好きになったら厄介なコトこの上ないだろうし……と言ってエヴァンの馬鹿との結婚もほんとに馬鹿らしいけれど、エディーとの結婚も有り得ないわっっ。
やっぱりこれは元の世界へ帰るべきなんだっっ!!
大体他人に自分の人生を決められるなんてナンセンスなんだわっっ!!
ここは大人しくこの国より脱出される様に見せかけて、隙を見て何処か落ち着ける所へとんずらしよう。
うん、その方が良いに決まっている。
ほんと、見事に私の意思を皆で寄ってたかって無視してくれちゃって、ふーんだ、見てらっしゃい。
今度こそ私は自分の意思で動くのだからっっ。
私がそんな思いを巡らせていると、エディーは漸く地面へ降ろしてくれた。
「殿下、城内の者が気付く前に脱出しましょう」
彼の傍で周囲の様子を窺っていた騎士がそう告げる。
「あぁ愛美、君も早くこちらへ来るんだ」
「は、はいっっ」
私は取り敢えずゼノイスより脱出する為に、エディーの指示を聞くコトとしました。
そうしてマスター達が確保しておいてくれている南門に向けて、なるべく静かに行動してます。
うん、この国を出るまでの我慢、我慢だからね。
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