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第一章 召喚された聖女のあれやこれ
10 聖女様はとある契約を提示されました 茉莉花Side
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「全くこんな事で大切な聖女様を不敬罪なんて問われやしませんよ」
声の主は勿論ヴァルではない。
ヴァルの傍近くに控えていた萌黄色の髪に人参色の瞳を持つ青年からのもの。
ひょろっと背が高くそれでいてヴァルもだけれど細い身体の付きの癖に、つくべき所にはちゃんと筋肉がついている。
ぱっと見た感じは飄々と掴みどころのないちょっとチャラいお兄ちゃんと言う印象。
「こいつはセオだ、長年俺の側近を務めてくれている」
セオ、正式名はセオドア・ウィンストン・ボーナム……侯爵っっ!?
はあぁぁ……こんなチャラいお兄ちゃんでも侯爵様なんだ。
見た目チャラくてもこの男性はちゃんとしたお貴族様なんだと私はある意味感心すると同時に、この国は本当に大丈夫なのかとも不安を抱く。
まあ私からすればそれすらも如何でもいい事なのかもしれない。
何故なら私はこの世界の住人ではない。
そしてとっとと帰る方法を探して、この世界よりなるべく早くさよならする人間だからだ。
だからこの世界に対してあまり感情移入しない方がいい。
だってこの世界を好きになってしまえば、それこそ元の世界へ帰る時に辛くなるもの。
下手をしたら今までの聖女同様に帰りたくなくなるかもしれない。
それだけは何としても回避しなければっっ。
そう、一社会人としてミジンコ一匹分のプライドはあるのだ。
予期せぬ事とはいえ、投げ出してしまった仕事に対して迷惑を掛けた各方面へしっかり挨拶をしなくちゃいけないし、多分……人材不足な業界だから解雇はないと思うけれど、まだ私の籍があるといいな。
まあともあれ私はこの国の王様である彼をヴァル――――と、愛称呼びをする事となった。
当然愛称呼びをする程の付き合いはまだ一日しか経っていないし、勿論深い仲と言う訳でもない。
まだまだまっ更々の譬えて言うならば、出汁の上澄み部分の様に非常に薄~い関係なのだ。
そしてこれからもその関係は変わらないと私は思う。
いやいや絶対に変わらない。
理由……そうだね、敢えて言うならば彼がイケメン過ぎるから?
イケメンは鑑賞している分にはいいけれど、近づかれると自分との差を酷く自覚してしまうから心の負担が半端ないでしょ。
それに周りの彼を想う女性達の嫉妬と言うのも面倒くさいしね。
また王様と言う身分も私にしてみればめちゃくちゃ重い。
殆ど身分なんてものがない日本で育った私からすれば、王様とか王子様にお貴族様なんて職業はアウト・オブ眼中なのだ。
現実に全くあり得ない存在。
幾ら甘い言葉で囁かれても決して本気に受け取れない相手が今のところヴァルと言う存在なのだ。
そして私が一人悶々と考え込んでいると、目の前のヴァルがとんでもない事をっ、それもなんで行き成りなのだろう。
そんなに私が驚くのを見たいのだろうか。
なんにしてもその全く理解不能なモノを申し入れてきたのだ。
「我が愛しの聖女よ、出来れば貴女と契約を、そう婚姻の契約を結びたい」
はい?
ワンス・モア・プリーズ???
一体この王様は何がしたいのだろう。
私は元の世界へ帰りたいと言っているのに、何故に契約、然も婚姻の契約って所謂契約結婚なのでしょっっ。
益々訳がわからないと言うか、もう私の頭は混沌だよっっ。
いや~仕事柄訳のわからない事を言う患者さんは少なくはないけれど、ここまで話が平行線と言うのも中々とない。
もういっその事この王宮を出て街で協力してくれそうな人材を自分で探そうかな。
ああその方が早いかもしれない。
街にいる人の方が私の言葉を理解してくれる様な気がしてくるよ。
そろりと席から立ち上がり、何もなかったかのようにこの場所、いいや王宮から一目散に逃げ出したい!!
でもなんでだろう。
目の前のヴァルは至って笑顔……正直この笑顔も怖いっちゃ怖いんだけれどね。
私が心の中で何を考えているかなんてわからない筈なのにね。
ヴァルの傍で立っているセオさんと二人の騎士?
セオさんは、セオさんだけは一人だけ両肩を震わせて笑っている???
セオさんの隣にいる騎士らしき男性二人と、それに私の部屋よりついてきた侍女さん一人に女性の騎士さん二人の圧は半端なくって、私は見事に座ったままカチコチに固まっているのが精一杯だった。
声の主は勿論ヴァルではない。
ヴァルの傍近くに控えていた萌黄色の髪に人参色の瞳を持つ青年からのもの。
ひょろっと背が高くそれでいてヴァルもだけれど細い身体の付きの癖に、つくべき所にはちゃんと筋肉がついている。
ぱっと見た感じは飄々と掴みどころのないちょっとチャラいお兄ちゃんと言う印象。
「こいつはセオだ、長年俺の側近を務めてくれている」
セオ、正式名はセオドア・ウィンストン・ボーナム……侯爵っっ!?
はあぁぁ……こんなチャラいお兄ちゃんでも侯爵様なんだ。
見た目チャラくてもこの男性はちゃんとしたお貴族様なんだと私はある意味感心すると同時に、この国は本当に大丈夫なのかとも不安を抱く。
まあ私からすればそれすらも如何でもいい事なのかもしれない。
何故なら私はこの世界の住人ではない。
そしてとっとと帰る方法を探して、この世界よりなるべく早くさよならする人間だからだ。
だからこの世界に対してあまり感情移入しない方がいい。
だってこの世界を好きになってしまえば、それこそ元の世界へ帰る時に辛くなるもの。
下手をしたら今までの聖女同様に帰りたくなくなるかもしれない。
それだけは何としても回避しなければっっ。
そう、一社会人としてミジンコ一匹分のプライドはあるのだ。
予期せぬ事とはいえ、投げ出してしまった仕事に対して迷惑を掛けた各方面へしっかり挨拶をしなくちゃいけないし、多分……人材不足な業界だから解雇はないと思うけれど、まだ私の籍があるといいな。
まあともあれ私はこの国の王様である彼をヴァル――――と、愛称呼びをする事となった。
当然愛称呼びをする程の付き合いはまだ一日しか経っていないし、勿論深い仲と言う訳でもない。
まだまだまっ更々の譬えて言うならば、出汁の上澄み部分の様に非常に薄~い関係なのだ。
そしてこれからもその関係は変わらないと私は思う。
いやいや絶対に変わらない。
理由……そうだね、敢えて言うならば彼がイケメン過ぎるから?
イケメンは鑑賞している分にはいいけれど、近づかれると自分との差を酷く自覚してしまうから心の負担が半端ないでしょ。
それに周りの彼を想う女性達の嫉妬と言うのも面倒くさいしね。
また王様と言う身分も私にしてみればめちゃくちゃ重い。
殆ど身分なんてものがない日本で育った私からすれば、王様とか王子様にお貴族様なんて職業はアウト・オブ眼中なのだ。
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幾ら甘い言葉で囁かれても決して本気に受け取れない相手が今のところヴァルと言う存在なのだ。
そして私が一人悶々と考え込んでいると、目の前のヴァルがとんでもない事をっ、それもなんで行き成りなのだろう。
そんなに私が驚くのを見たいのだろうか。
なんにしてもその全く理解不能なモノを申し入れてきたのだ。
「我が愛しの聖女よ、出来れば貴女と契約を、そう婚姻の契約を結びたい」
はい?
ワンス・モア・プリーズ???
一体この王様は何がしたいのだろう。
私は元の世界へ帰りたいと言っているのに、何故に契約、然も婚姻の契約って所謂契約結婚なのでしょっっ。
益々訳がわからないと言うか、もう私の頭は混沌だよっっ。
いや~仕事柄訳のわからない事を言う患者さんは少なくはないけれど、ここまで話が平行線と言うのも中々とない。
もういっその事この王宮を出て街で協力してくれそうな人材を自分で探そうかな。
ああその方が早いかもしれない。
街にいる人の方が私の言葉を理解してくれる様な気がしてくるよ。
そろりと席から立ち上がり、何もなかったかのようにこの場所、いいや王宮から一目散に逃げ出したい!!
でもなんでだろう。
目の前のヴァルは至って笑顔……正直この笑顔も怖いっちゃ怖いんだけれどね。
私が心の中で何を考えているかなんてわからない筈なのにね。
ヴァルの傍で立っているセオさんと二人の騎士?
セオさんは、セオさんだけは一人だけ両肩を震わせて笑っている???
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