叩きつけた絶縁状!!  真実の幸せは何処にある!?

雪乃

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第一章  召喚された聖女のあれやこれ

18 聖女様は色々と疲れました。  その3 本日契約を交わしました  茉莉花Side

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 そんな貴族社会の頂点に立つのが現宰相デンホルム・コンラッド・アッカーソン。
 ランズウィック名門中の名門、六大公爵家の中の一つでもあるアッカーソン公爵家の現当主様。
 古くは王族とも姻戚関係になったと言う由緒正しい名家。
 パンピーな私とは雲泥の差……ですよねー。
 そして中国の所為太后宜しく五年前にヴァルが国王として即位して以来今も尚睡廉すいれん政治をやっているらしい。

 睡廉政治とは皇帝が幼い場合、皇后・皇太后のような女性が 代わって摂政政治を行う事。
 でもこの場合は少し……いやいや思いっきり違うよね。
 第一にヴァルはではなく、ただ今二十五歳の青年です。
 確かに即位当時は弱冠二十歳という若さで以って、到底一人で一国を背負う事は容易ではないと思う。
 うんその為の補佐は必要だと部外者の私でも理解するわよ。
 でもそれはあくまでも――――であって、断じて国王の裏で黒幕宜しく彼を操るものじゃあないわ!!

 そしてこの国は当然ながら絶対君主制を敷いている。
 要するに王様一人が全ての権限と責任を負っているって事。
 勿論宰相や多くの大臣重臣達が若き国王へ助言する事はあるよね。
 でも決定を下すのは王様であるヴァル一人――――の筈なのに、何故か彼にはその決定権がないっっ!?
 いやいや公には絶対的な権限を有しているのはヴァルで間違いはないらしいけれどっ、ごく一部の、高位貴族達は知っていると言う公然の秘密!?
 それも驚いた事にそれはヴァルだけではなかったという事!!
 ヴァルの父親……ランズウィックの先王陛下もまた、同じく睡廉政治が成されていたと言うんだから驚きよね。
 そしてヴァル達の話からすると、先王陛下は如何やら暗殺されたらしいと言う事実。
 また容疑者……いやもう犯人と言ってもいいのかもしれないのが現宰相。
 多分直接は手を下してはいないだろうと言う事だけれどっ、それはそうだと私も思う!!
 だってドラマや映画でもよくあるじゃない。

 権力や地位の高い悪人程直接罪を犯さず、手の者……子飼?に一言命じて事を成すってね。

 それに先王陛下は何も全て宰相の意のままに操られていた訳じゃあないらしい。
 何でも事ある毎に宰相や高位貴族の重臣と揉めていたとかね。
 病弱だったのは王妃様……現王太后様であられるヴァルのお母様であって、先王陛下はどちらかと言えば健康だとヴァルも出し、セオさんや他の皆もしっかりと頷いていた。
 なのにある日突然――――先王陛下は病に倒れその数日後、ヴァルと王妃様を残して崩御された。
 国民を愛し、また国民からも慕われていたと言う先王陛下。
 即位したての、まだまだ成人して日の浅いヴァルへ更なる悲劇が訪れた。
 病弱だった王太后様が行方不明になったとか……ってっ、これ絶対日本じゃあり得ないわね!!
 幾らずっと郊外の離宮で静養していらしたとしてもよっ、一国の王妃様であり王太后様でしょう、警備だって当然ながら厳重だった筈よ。
 なのにヴァルがどんなに探しても今日まで手がかり一つ見つからないと言う。
 王代后様の件もきっと宰相が何か関与している可能性は高いと皆は言うわ。
 確かに話を聞いていればその確率は高いと思う。
 
 ヴァルは即位して五年もの間生きる事を優先する為に宰相との衝突を避け、傀儡の王として存在していたと言う。
 まあ王として国民には申し訳ないと言っていたけれど、全ては私を召喚する為までだと言っていた。
 300年毎に召喚する聖女……つまり私にはがあると皆は言う。
 うーん確かに看護師としての知識と技術はある……わね。
 でもそれ以上変な期待をして貰うと正直言って困るわよ。
 元の世界でもパンピーだったもん。
 それが行き成り聖女様と言われても、悪い気はしないけれど人には出来る事と出来ない事があって、私はまoff遣いでも何でもないと言うのに、ヴァルや皆は本当に居た堪れないくらい期待を込めた瞳でうるうると見つめてくるっっ。

 そうして持ち掛けられたのが契約婚。
 何でも召喚された聖女とランズウィックの王は結婚をする事により未知なる力を得ると言うらしい。
 それでその力で以って現在この国をほぼほぼその手の中に掌握し、そして絶大なる権力を手に入れ、名実共に国を動かしている宰相より王であるヴァルへと実験を取り戻すと言うワケ。
 うん、簡単に言えばね。
 そして国の実権を取り戻し国民のほんの一握りの貴族、言わずと知れた高位貴族を粛清すると共に貴族制度を刷新し、住みやすい国造りをすると言う。
 まぁ宰相一派を取り抑えられれば行方不明の王太后様の御身も無事に見つかるでしょう。
 一方そこまで協力をする私の見返りとして願う事はただ一つ――――日本へ帰る!!
 その一点だけ。
 それ以外私に望むものはない。
 だから私はヴァルと契約を交わしたの。
 無事に生きて故郷である日本へ帰る為の契約婚を、今日ヴァルと契約を交わしました。
 
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