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変人の集い
第2話 冒険の始まり
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「こ、こんな変態が優良パーティーのリーダー……」
「残念ながらな」
ヤレヤレとため息を付くレイカさん。
すると、さっきまでガラスの上で悶えていた男がこちらに近づき、
「冒険者パーティー、MMTリーダーのマツザカだ。よろしく」
爽やかな顔でそう言い、こちらに手を差し出して来た。
「は、はぁ、よろしくお願いします」
生理的嫌悪感はあったものの、最低限のマナーだと思い、私は手を握り返した。
グチャ……
え……、何今の音……。
私は咄嗟にマツザカの手から離し、自分の手のひらを見た。
するとそこには、
「はっはっはっ、致死量寸前の出血量だったからね。回復魔法を掛けてもまだ出血が止まらないよ」
マツザカの血で真っ赤に染まった私の手があった。
「き、キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
私は、気持ち悪さが限界に達し、マツザカの腹に蹴りを入れた。
「アアン」
と気色の悪い声を上げ、吹き飛ばされるマツザカ。
その体からは再び血が吹き出しており、床を真っ赤に染めていた。
そして、
ドンッ
鈍い音と共に、マツザカは壁に激突し、ピクリとも動かなくなった。
……まさか死んだんじゃ。
ま、まずい、このままじゃ私、犯罪者になっちゃう。
「だ、大丈夫ですか!」
私は慌てて駆け寄り、マツザカの顔を覗き込んだ。
「あ……、良い」
するとマツザカは、今にも昇天しそうな顔で体をビクビクと痙攣させていた。
「う、うわぁ……」
私は、あまりの気持ち悪さにそんな声を漏らした。
すると、
「す、素晴らしい! 合格だ!!」
死にかけていたはずのマツザカが突然立ち上がった。
そして、
「ヒカリさん、明日からよろしく」
という言葉と共に、ぐっと親指をあげた。
「え……、それってまさか」
「おめでとう、合格だってさ」
レイカさんが、ポンっと肩を叩く。
そして、ニヤッと笑うマツザカ。
そんなマツザカを見て私は……、
「ご、ごめんなさい!!」
そう言ってマツザカに深々と頭を下げた。
「ま、そうなるよな」
腕を組みながらマツザカを睨み付けるレイカさん。
「あっふ、レイカちゃんのその目、良いね。それはそれとして、ヒカリさん、君は本当に断って良いのかな?」
マツザカがガサゴソと机の中をあさり、何かを取り出す。
そして、
「はいこれ」
と一枚の紙を手渡してきた。
「何ですか……、これ」
渡された紙の表紙には「中途採用実態調査」と書かれていた。
「これって」
「毎年ギルドが行なっている調査報告書だよ。6ページ目を見てごらん」
ページをめくり、6ページに目を通す。
そこには「転職求人倍率レポート」という題名と共に、1つの図表が貼り付けられていた。
「その表の一番上が冒険者パーティーだ。何か思うことは?」
冒険者パーティーと書かれていた欄には「有効求人倍率 0.10」と書かれていた。
その下を見ると、「有効求人倍率 1.20」と記入されている。
冒険者パーティーの欄だけ、明らかに低い数値になっていた。
「……、そんな」
「それがこの業界の現状だよ。見て分かる通り、たいした実績のない素人がパーティーに加入するのはかなり厳しい。である以上、少しの期間でも、実績のあるうちのパーティーに所属していたという経歴を作るのは悪くないんじゃないかな?」
マツザカが、さっきまでと打って変わって、真剣な表情でそう話す。
「ヒカリ、こいつと一緒に居たくない気持ちは分かるが、あいつの言ってることは正論だ。もし、お前が冒険者で居たいのなら、この話乗っておくべきだと思うぞ」
そう言ってレイカさんは私の肩を叩く。
「……、少し考えさせて下さい」
私は俯きながらそう答えた。
するとマツザカは、
「そうか。では、1度私達の仕事ぶりを見てから改めて、返事を聞かせてくれないか?」
そう言って、優しく微笑んだ。
―そして、3日後
「マツザカさん、何ですかその格好? ふざけてるんですか??」
「……俺はいったって真面目だが? どうかしたのかい??」
「どうもこうもありません! なんですか、その格好は!! ほぼ全裸じゃないですか!!」
マツガサは、おおよそ正気の人間の沙汰とは思えない、ふんどし一丁の格好でクエストに来ていた。
「ふふ、魔物達とは直接体を触れ合いたいと思っていてね」
「頭おかしいですよ……あなた。見てるこっちが寒くなるので早く服を着てください!」
季節は初秋。
段々と肌寒くなって来る季節だった。
「いいや、断る。この寒さを受け入れてこその冒険者だ!」
「バカ言わないでください! 現に、凄い鳥肌が立ってるじゃないですか!!」
「はっはっはっ、何のこれしき」
愉快な声を上げるマツガサだったが、肌は真っ赤になっていた。
「もう、どうなっても知りませんからね」
私は、そんなマツガサを置いてさっさと依頼主に指定された場所に向かった。
今回のクエストは討伐クエスト。
山奥にある集落の周辺に、ウルフの群れが住み着いてしまったため、村に被害が出る前に、ウルフを討伐して欲しいとのことだった。
ウルフと言えば、凶暴なキバとナイフのようにとがった爪を持った強力な魔物。
例え上級者だったとしても、重装備は必須だと言われているハズなんだけど……。
あの人は……。
考えるだけでも頭が痛くなってきた。
「おーい、待ちたまえ」
「マツガサさん、仲間だと思われたくないので、近寄らないで頂けますか」
険しい森の中を、マツガサがふんどし一丁で走ってくる。
傍から見れば、ただの変質者だ。
そんなマツガサから距離をとるため、走り出そうとした時だった、
「ガルゥゥゥゥ」
「え?」
突如、茂みの中から三匹のウルフが飛び出し、私に襲いかかって来た。
やばっ、武器をー
咄嗟に剣を抜こうとしたが、間に合いそうになかった。
あっ、死ぬ
そう思った瞬間だった、
「危ない!」
マツザカが、私を庇い、ウルフに噛みつかれたのは。
________________________________________
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「残念ながらな」
ヤレヤレとため息を付くレイカさん。
すると、さっきまでガラスの上で悶えていた男がこちらに近づき、
「冒険者パーティー、MMTリーダーのマツザカだ。よろしく」
爽やかな顔でそう言い、こちらに手を差し出して来た。
「は、はぁ、よろしくお願いします」
生理的嫌悪感はあったものの、最低限のマナーだと思い、私は手を握り返した。
グチャ……
え……、何今の音……。
私は咄嗟にマツザカの手から離し、自分の手のひらを見た。
するとそこには、
「はっはっはっ、致死量寸前の出血量だったからね。回復魔法を掛けてもまだ出血が止まらないよ」
マツザカの血で真っ赤に染まった私の手があった。
「き、キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
私は、気持ち悪さが限界に達し、マツザカの腹に蹴りを入れた。
「アアン」
と気色の悪い声を上げ、吹き飛ばされるマツザカ。
その体からは再び血が吹き出しており、床を真っ赤に染めていた。
そして、
ドンッ
鈍い音と共に、マツザカは壁に激突し、ピクリとも動かなくなった。
……まさか死んだんじゃ。
ま、まずい、このままじゃ私、犯罪者になっちゃう。
「だ、大丈夫ですか!」
私は慌てて駆け寄り、マツザカの顔を覗き込んだ。
「あ……、良い」
するとマツザカは、今にも昇天しそうな顔で体をビクビクと痙攣させていた。
「う、うわぁ……」
私は、あまりの気持ち悪さにそんな声を漏らした。
すると、
「す、素晴らしい! 合格だ!!」
死にかけていたはずのマツザカが突然立ち上がった。
そして、
「ヒカリさん、明日からよろしく」
という言葉と共に、ぐっと親指をあげた。
「え……、それってまさか」
「おめでとう、合格だってさ」
レイカさんが、ポンっと肩を叩く。
そして、ニヤッと笑うマツザカ。
そんなマツザカを見て私は……、
「ご、ごめんなさい!!」
そう言ってマツザカに深々と頭を下げた。
「ま、そうなるよな」
腕を組みながらマツザカを睨み付けるレイカさん。
「あっふ、レイカちゃんのその目、良いね。それはそれとして、ヒカリさん、君は本当に断って良いのかな?」
マツザカがガサゴソと机の中をあさり、何かを取り出す。
そして、
「はいこれ」
と一枚の紙を手渡してきた。
「何ですか……、これ」
渡された紙の表紙には「中途採用実態調査」と書かれていた。
「これって」
「毎年ギルドが行なっている調査報告書だよ。6ページ目を見てごらん」
ページをめくり、6ページに目を通す。
そこには「転職求人倍率レポート」という題名と共に、1つの図表が貼り付けられていた。
「その表の一番上が冒険者パーティーだ。何か思うことは?」
冒険者パーティーと書かれていた欄には「有効求人倍率 0.10」と書かれていた。
その下を見ると、「有効求人倍率 1.20」と記入されている。
冒険者パーティーの欄だけ、明らかに低い数値になっていた。
「……、そんな」
「それがこの業界の現状だよ。見て分かる通り、たいした実績のない素人がパーティーに加入するのはかなり厳しい。である以上、少しの期間でも、実績のあるうちのパーティーに所属していたという経歴を作るのは悪くないんじゃないかな?」
マツザカが、さっきまでと打って変わって、真剣な表情でそう話す。
「ヒカリ、こいつと一緒に居たくない気持ちは分かるが、あいつの言ってることは正論だ。もし、お前が冒険者で居たいのなら、この話乗っておくべきだと思うぞ」
そう言ってレイカさんは私の肩を叩く。
「……、少し考えさせて下さい」
私は俯きながらそう答えた。
するとマツザカは、
「そうか。では、1度私達の仕事ぶりを見てから改めて、返事を聞かせてくれないか?」
そう言って、優しく微笑んだ。
―そして、3日後
「マツザカさん、何ですかその格好? ふざけてるんですか??」
「……俺はいったって真面目だが? どうかしたのかい??」
「どうもこうもありません! なんですか、その格好は!! ほぼ全裸じゃないですか!!」
マツガサは、おおよそ正気の人間の沙汰とは思えない、ふんどし一丁の格好でクエストに来ていた。
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愉快な声を上げるマツガサだったが、肌は真っ赤になっていた。
「もう、どうなっても知りませんからね」
私は、そんなマツガサを置いてさっさと依頼主に指定された場所に向かった。
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山奥にある集落の周辺に、ウルフの群れが住み着いてしまったため、村に被害が出る前に、ウルフを討伐して欲しいとのことだった。
ウルフと言えば、凶暴なキバとナイフのようにとがった爪を持った強力な魔物。
例え上級者だったとしても、重装備は必須だと言われているハズなんだけど……。
あの人は……。
考えるだけでも頭が痛くなってきた。
「おーい、待ちたまえ」
「マツガサさん、仲間だと思われたくないので、近寄らないで頂けますか」
険しい森の中を、マツガサがふんどし一丁で走ってくる。
傍から見れば、ただの変質者だ。
そんなマツガサから距離をとるため、走り出そうとした時だった、
「ガルゥゥゥゥ」
「え?」
突如、茂みの中から三匹のウルフが飛び出し、私に襲いかかって来た。
やばっ、武器をー
咄嗟に剣を抜こうとしたが、間に合いそうになかった。
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