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第2章 雪乃との日常
第12話 俺、雪乃とお散歩へ行く5
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克海母「じゃ!あたしは引き返して帰るから、ここからは二人で仲良くね?」
克海「ああ、わかった。」
雪乃「わかったにゃ!」
そう言い残すと、克海母は帰っていった。
克海「じゃあ、歩こうか雪乃。」
雪乃「はいにゃ!」
大きな池の周りをてくてく歩いていく二人。
克海は池側を歩き、雪乃は陸側を歩く。
雪乃「ギュッ。」」
雪乃は克海の右腕の裾を掴みだした。
克海「ん?どうした雪乃?」
雪乃「.........」
雪乃は顔を真っ赤にしてそっぽを向く。
克海「もしかして、陸側を歩いてても尚、水が怖いのか?」
雪乃は黙ってうなづく。
克海「うーん、どうしたものか、、、ん?」
克海は雪乃の手が小刻みに震えていることに気づく。
この距離感でも相当水に対して恐怖心を感じているようだ。
克海「雪乃、どうしたらいい?どうしたら落ち着ける?」
雪乃は顔を真っ赤にしてそっぽを向きながら答える。
雪乃「お、おんぶ、、、」
克海「おんぶすれば少しは気持ちが落ち着く?」
雪乃は黙ってうなづく。
克海「仕方ないなぁ。わかったよ。ほら。」
克海がしゃがみこむと、待ってましたといわんばかりにひょいと飛び乗る雪乃。
克海は雪乃をおんぶして進んでいく。
しばらくすると、、、
雪乃「でーんでんむーっしむっしゆーっきのっむっしー、
おーまえっのっあーたまっはっどーっこにっあっるー、
かおだせしりだせしっぽーだせー、
でーんでんむーっしむっしゆーっきのっむっしー、
おーまえっのっおーめめっはっどーっこにっあっるー、
かおだせしりだせしっぽーだせー、
でーんでんむーっしむっしゆーっきのっむっしー、
おーまえっのっあーたまっはっどーっこにっあっるー、
かおだせしりだせしっぽーだせー、
でーんでんむーっしむっしゆーっきのっむっしー、
おーまえっのっおーめめっはっどーっこにっあっるー、
かおだせしりだせしっぽーだせー」
突然ぼそぼそ歌い出した雪乃。
克海「何その歌。」
雪乃「でんでんむしの歌である。」
克海「いや、ユキノムシとか言ってなかった?」
雪乃「正確には、でんでんむしの替え歌である。」
克海「なんで自分のことユキノムシだなんて言ってんの?」
雪乃「あたしは、虫さんのようにちっぽけで無力な存在だから、、、」
克海「え?」
雪乃「体も小さいし、小心者だし、力も弱いし、所詮、偶々お金持ちの名家に生まれたから今のところ人生なんとかなってるだけの娘である。
一般家庭に生まれていたらとっくに人生詰んでいたはず。こんな性格のせいでお友達もいないし、、、」
克海「いやそんなことないと思うし、そもそも雪乃まだ中学生だろ?人生まだまだこれからだし、まだ始まってすらないと思うけど?」
雪乃「いや、わかるにゃ。こう見えてあたしはけっこー!人生経験豊富なので!」
克海「あ、そ、そうなの?」
雪乃「えっへん!そうである!」
克海「そ、そうなんだ。でもそんな早くから悲観する必要ないと思うけど。雪乃さ、初めて会った時、俺に言ってくれたじゃん?
どれだけ体がブヨブヨになろうとブヨはブヨだ。自信を持って、どーんと行けってさ。その言葉、そっくりお返しするよ。」
雪乃「あ、兄様、、、」
克海「どれだけ雪乃がユキノムシだろうと雪乃は雪乃なんだから、自信を持って、どーんと行けよ。」
雪乃「.....」
克海「ん?どうした?」
雪乃「しくしく、しくしく」
克海「え?雪乃泣いてんの?」
雪乃「う、嬉しくって。そんなこと言ってくれる人は中々いないというものぉ。」
克海「ま、まじ?」
雪乃「まじであるぅ。」
雪乃は克海の肩に大粒の涙をこぼす。
自身の肩でしくしく泣きじゃくる雪乃を背負って進んでいく克海。
気付けばもう池を半周していた。
克海「ああ、わかった。」
雪乃「わかったにゃ!」
そう言い残すと、克海母は帰っていった。
克海「じゃあ、歩こうか雪乃。」
雪乃「はいにゃ!」
大きな池の周りをてくてく歩いていく二人。
克海は池側を歩き、雪乃は陸側を歩く。
雪乃「ギュッ。」」
雪乃は克海の右腕の裾を掴みだした。
克海「ん?どうした雪乃?」
雪乃「.........」
雪乃は顔を真っ赤にしてそっぽを向く。
克海「もしかして、陸側を歩いてても尚、水が怖いのか?」
雪乃は黙ってうなづく。
克海「うーん、どうしたものか、、、ん?」
克海は雪乃の手が小刻みに震えていることに気づく。
この距離感でも相当水に対して恐怖心を感じているようだ。
克海「雪乃、どうしたらいい?どうしたら落ち着ける?」
雪乃は顔を真っ赤にしてそっぽを向きながら答える。
雪乃「お、おんぶ、、、」
克海「おんぶすれば少しは気持ちが落ち着く?」
雪乃は黙ってうなづく。
克海「仕方ないなぁ。わかったよ。ほら。」
克海がしゃがみこむと、待ってましたといわんばかりにひょいと飛び乗る雪乃。
克海は雪乃をおんぶして進んでいく。
しばらくすると、、、
雪乃「でーんでんむーっしむっしゆーっきのっむっしー、
おーまえっのっあーたまっはっどーっこにっあっるー、
かおだせしりだせしっぽーだせー、
でーんでんむーっしむっしゆーっきのっむっしー、
おーまえっのっおーめめっはっどーっこにっあっるー、
かおだせしりだせしっぽーだせー、
でーんでんむーっしむっしゆーっきのっむっしー、
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でーんでんむーっしむっしゆーっきのっむっしー、
おーまえっのっおーめめっはっどーっこにっあっるー、
かおだせしりだせしっぽーだせー」
突然ぼそぼそ歌い出した雪乃。
克海「何その歌。」
雪乃「でんでんむしの歌である。」
克海「いや、ユキノムシとか言ってなかった?」
雪乃「正確には、でんでんむしの替え歌である。」
克海「なんで自分のことユキノムシだなんて言ってんの?」
雪乃「あたしは、虫さんのようにちっぽけで無力な存在だから、、、」
克海「え?」
雪乃「体も小さいし、小心者だし、力も弱いし、所詮、偶々お金持ちの名家に生まれたから今のところ人生なんとかなってるだけの娘である。
一般家庭に生まれていたらとっくに人生詰んでいたはず。こんな性格のせいでお友達もいないし、、、」
克海「いやそんなことないと思うし、そもそも雪乃まだ中学生だろ?人生まだまだこれからだし、まだ始まってすらないと思うけど?」
雪乃「いや、わかるにゃ。こう見えてあたしはけっこー!人生経験豊富なので!」
克海「あ、そ、そうなの?」
雪乃「えっへん!そうである!」
克海「そ、そうなんだ。でもそんな早くから悲観する必要ないと思うけど。雪乃さ、初めて会った時、俺に言ってくれたじゃん?
どれだけ体がブヨブヨになろうとブヨはブヨだ。自信を持って、どーんと行けってさ。その言葉、そっくりお返しするよ。」
雪乃「あ、兄様、、、」
克海「どれだけ雪乃がユキノムシだろうと雪乃は雪乃なんだから、自信を持って、どーんと行けよ。」
雪乃「.....」
克海「ん?どうした?」
雪乃「しくしく、しくしく」
克海「え?雪乃泣いてんの?」
雪乃「う、嬉しくって。そんなこと言ってくれる人は中々いないというものぉ。」
克海「ま、まじ?」
雪乃「まじであるぅ。」
雪乃は克海の肩に大粒の涙をこぼす。
自身の肩でしくしく泣きじゃくる雪乃を背負って進んでいく克海。
気付けばもう池を半周していた。
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