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3章 依存国ツィーシャ
今日は休憩、明日は…… (リュカオンside)
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僕は『ちびっ子』と違って何回も転移が使えるわけではないから、家まで歩いて帰っていた。
あとは、ここの状態をもう少し見ておきたいと思ったからだった。
貴族や王族には手が伸びているのを知っていたけれど、まさか国民にまでとは思っていなかったから、悠長にしていられないかもしれない。
あいつらは、やろうと思えばどんな手も使ってくるから、早いうちに芽は摘んでおかないといけない。
こんなことなら、ルレーヌにどこでロザリオをもらったか聞いておけばよかった。
そうしたら目星がつくんだけど。
帰り道で通れそうな場所をできるだけ回りつつ、怪しそうな場所を確認して、陽が沈むころ、僕はようやく家に戻った。
キィ……
古びた木製の扉が音を立てて開くと、奥から走ってくる音がした。
『ちびっ子』が心配そうな顔をして玄関まで来た。
『ちびっ子』は僕の体を上から下まで見て、怪我がないことがわかると胸を撫で下ろした。
「おかえりなさい」
「………うん、ただいま」
久しぶりに聞いた言葉に少し驚きながら返事をして、僕は『ちびっ子』と一緒に部屋に入った。
『ちびっ子』は僕が何をしてきたのか気になるといった様子で何度か見てくるけど、言葉にしてこない。
多分、自分が踏み込んでもいい話なのかを考えあぐねている。
実際、今回は『ちびっ子』がすごく関係しているから聞いてきたら話すけど、この様子だと、今日はきっと聞いてこないだろう。
今日はできるだけ暗い話はなしにしたいから。
僕はわざと気づいていない様子を装って『ちびっ子』のほうを見てすぐに目が合った。
目が合うと思ってなかったのか、少し目を見開いた『ちびっ子』にできるだけ優しい声音で話してみる。
「たくさん歩いて疲れたし、お風呂に入って早く寝ようか」
「………お風呂?」
「そうだけど……僕何か変なこと言った?」
『ちびっ子』はさっきまでの気になる様子を振り捨てて、僕の言った「お風呂」に対して敏感に反応した。
やけに目が光ってる気がする……。
「最高だった…………」
「それならよかった」
お風呂から上がって、顔を上気させて感想を述べた『ちびっ子』はとてもご満悦な様子だった。
どうやら、旅を始めてからまともなお風呂に入ったのは今回が初めてだそうだ。
今までは魔法でちょっと綺麗にするくらいしかできずにもどかしかったけど、ここでやっと入れたのがとても嬉しかったらしい。
アナスタシアにいたころは、そもそも「お風呂」という概念すらないような場所に居たはずだし、「お風呂」自体は1年中寒い北方で発達したもので、あまり他の地域では見ない。
実際、この家のお風呂も僕が作ったし。
『ちびっ子』はグラントに居たときがあったみたいだし、そこで知ったのだろう。
身体の芯まで温まって、心に安らぎを与えるあのひととき。
一度味わえば二度とお風呂なしでは生きていけないと言ってもいいくらいだ。
お風呂のよさに気づけるのは、北方出身の僕としてはちょっと嬉しかったりする。
僕はリラックスする『ちびっ子』に毛布を渡して、寝る場所の指示をしてお風呂に向かった。
一度お湯をすべて入れ換えて、温度の調節をして僕もゆっくりとお風呂を楽しんだ。
僕が上がったころには、『ちびっ子』は僕の寝室の隣の部屋でぐっすり寝ていた。
しっかり毛布にくるまって、髪も乾かしているみたいだから、風邪をひく心配はなさそうだ。
僕は様子だけ見て部屋の扉を閉めた。
────残された時間は少ない。
明日は、『ちびっ子』が嫌がっても今日あったことも含めて、大魔協について話さないといけない。
『ちびっ子』から今までの話も聞きたいけど、それはまた今度にしよう。
そう決めて、僕は家中の灯りを消して寝室に篭って眠りについた。
あとは、ここの状態をもう少し見ておきたいと思ったからだった。
貴族や王族には手が伸びているのを知っていたけれど、まさか国民にまでとは思っていなかったから、悠長にしていられないかもしれない。
あいつらは、やろうと思えばどんな手も使ってくるから、早いうちに芽は摘んでおかないといけない。
こんなことなら、ルレーヌにどこでロザリオをもらったか聞いておけばよかった。
そうしたら目星がつくんだけど。
帰り道で通れそうな場所をできるだけ回りつつ、怪しそうな場所を確認して、陽が沈むころ、僕はようやく家に戻った。
キィ……
古びた木製の扉が音を立てて開くと、奥から走ってくる音がした。
『ちびっ子』が心配そうな顔をして玄関まで来た。
『ちびっ子』は僕の体を上から下まで見て、怪我がないことがわかると胸を撫で下ろした。
「おかえりなさい」
「………うん、ただいま」
久しぶりに聞いた言葉に少し驚きながら返事をして、僕は『ちびっ子』と一緒に部屋に入った。
『ちびっ子』は僕が何をしてきたのか気になるといった様子で何度か見てくるけど、言葉にしてこない。
多分、自分が踏み込んでもいい話なのかを考えあぐねている。
実際、今回は『ちびっ子』がすごく関係しているから聞いてきたら話すけど、この様子だと、今日はきっと聞いてこないだろう。
今日はできるだけ暗い話はなしにしたいから。
僕はわざと気づいていない様子を装って『ちびっ子』のほうを見てすぐに目が合った。
目が合うと思ってなかったのか、少し目を見開いた『ちびっ子』にできるだけ優しい声音で話してみる。
「たくさん歩いて疲れたし、お風呂に入って早く寝ようか」
「………お風呂?」
「そうだけど……僕何か変なこと言った?」
『ちびっ子』はさっきまでの気になる様子を振り捨てて、僕の言った「お風呂」に対して敏感に反応した。
やけに目が光ってる気がする……。
「最高だった…………」
「それならよかった」
お風呂から上がって、顔を上気させて感想を述べた『ちびっ子』はとてもご満悦な様子だった。
どうやら、旅を始めてからまともなお風呂に入ったのは今回が初めてだそうだ。
今までは魔法でちょっと綺麗にするくらいしかできずにもどかしかったけど、ここでやっと入れたのがとても嬉しかったらしい。
アナスタシアにいたころは、そもそも「お風呂」という概念すらないような場所に居たはずだし、「お風呂」自体は1年中寒い北方で発達したもので、あまり他の地域では見ない。
実際、この家のお風呂も僕が作ったし。
『ちびっ子』はグラントに居たときがあったみたいだし、そこで知ったのだろう。
身体の芯まで温まって、心に安らぎを与えるあのひととき。
一度味わえば二度とお風呂なしでは生きていけないと言ってもいいくらいだ。
お風呂のよさに気づけるのは、北方出身の僕としてはちょっと嬉しかったりする。
僕はリラックスする『ちびっ子』に毛布を渡して、寝る場所の指示をしてお風呂に向かった。
一度お湯をすべて入れ換えて、温度の調節をして僕もゆっくりとお風呂を楽しんだ。
僕が上がったころには、『ちびっ子』は僕の寝室の隣の部屋でぐっすり寝ていた。
しっかり毛布にくるまって、髪も乾かしているみたいだから、風邪をひく心配はなさそうだ。
僕は様子だけ見て部屋の扉を閉めた。
────残された時間は少ない。
明日は、『ちびっ子』が嫌がっても今日あったことも含めて、大魔協について話さないといけない。
『ちびっ子』から今までの話も聞きたいけど、それはまた今度にしよう。
そう決めて、僕は家中の灯りを消して寝室に篭って眠りについた。
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