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1章 商業都市フレンティア
追悼 (ゼルナside)
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「おぉーい!どこだー!?」
クレアさんの魔力を追って北の森に来た僕とハース隊長は、クレアさんの座標が止まったところを探して大声を出して捜索していた。
僕の探索魔法はそこまで性能がよくないため、ここからはちまちま探さないといけない。
追いかけている途中、北の森に入る直前あたりで、僕たちの目の前にそびえる禍々しい北の森が、黄金色の光に包まれた。
あまりにも膨大な魔力に圧倒された。
大陸中の魔法使いの序列でも、最上位に君臨するほどの実力だった。
僕は恐ろしいくらいの魔力にこの世の終わりを感じていたけれど、隣で見ていたハース隊長は黄金色の光にうっとりと見惚れていた。
魅了する美しさも持ち合わせているところも恐ろしく感じてしまう。
僕の予想が間違っていなければ、あれはクレアさんの魔力だった。
だから、北の森にいるはずなんだけど……。
「あっ」
大声をあげながら歩いていたハース隊長が、急に止まって僕は俯いていたせいで、ハース隊長の背中に額をぶつけた。
鍛えられているせいでぶつかると痛いんだけど……。
僕が額をさすりながらハース隊長の視線の先を確認すると、そこには倒れた黒髪の誰かと、それを立って見つめる、銀髪を高い場所で結んだクレアさんがいた。
近づこうと思えば近づける距離なのに、クレアさんが痛みに耐えるように唇を噛み締めているのを見て、体が動かなかった。
ハース隊長も僕と同じように最初はその場を動けないでいたが、痺れを切らしたようでクレアさんに近寄った。
「クレア、大丈夫か」
ハース隊長に声をかけられて、ぴくりと肩を揺らしたクレアさんは、ハース隊長に顔を向けた。
僕は、多分ハース隊長も、この瞬間に、
(あぁ……失言した)
と思った。
ハース隊長を見るクレアさんは、これまで見てきた優しい顔じゃなくて、お前は何を言っているんだ?と心底絶望したような顔で見てきた。
クレアさんの口がはく、と動いて、何か言おうとしたのをやめた気がした。
クレアさんはパッと顔を逸らして、横たわっている黒髪の少年のそばに座り、髪を撫でた。
そして、髪を撫でている手が少しずつ、顔から胸に動いた。
心臓のあたりで手を止めて、拍動を感じたいというように、クレアさんは耳も近づけた。
……僕から見てもわかる。
この少年はもう手遅れだ。
クレアさんもやっとの思いで、少年の死を受け入れた。
クレアさんが地面に手を置くと、少年を包むように魔法陣が現れた。
魔法陣が黄金色に染まると、魔法陣は本当に少年を包んでしまった。
黄金色の光を発する魔力の繭が、少年を閉じ込めた。
『帰せ』
何が起こったかわからないまま、クレアさんの行う魔法を見守った。
クレアさんの言葉で、光の繭が綺麗な球体となって空へ浮かんでいき、最後は散り散りになって森の各地にかけらが落ちた。
光のかけらは雪のように溶けていって、少年と共に跡形もなく消えてしまった。
同胞や友を悼むとき、魔法使いは相手の体を魔法を使って自然に戻す。
すべての属性にこの魔法は一般魔法として存在するが、光魔法の追悼は初めて見た。
僕たちがすっかり黙っていると、クレアさんはこちらを向いて笑顔を見せた。
「帰りましょう」
その笑顔は、逆境を生き延びようと必死だった。
クレアさんの魔力を追って北の森に来た僕とハース隊長は、クレアさんの座標が止まったところを探して大声を出して捜索していた。
僕の探索魔法はそこまで性能がよくないため、ここからはちまちま探さないといけない。
追いかけている途中、北の森に入る直前あたりで、僕たちの目の前にそびえる禍々しい北の森が、黄金色の光に包まれた。
あまりにも膨大な魔力に圧倒された。
大陸中の魔法使いの序列でも、最上位に君臨するほどの実力だった。
僕は恐ろしいくらいの魔力にこの世の終わりを感じていたけれど、隣で見ていたハース隊長は黄金色の光にうっとりと見惚れていた。
魅了する美しさも持ち合わせているところも恐ろしく感じてしまう。
僕の予想が間違っていなければ、あれはクレアさんの魔力だった。
だから、北の森にいるはずなんだけど……。
「あっ」
大声をあげながら歩いていたハース隊長が、急に止まって僕は俯いていたせいで、ハース隊長の背中に額をぶつけた。
鍛えられているせいでぶつかると痛いんだけど……。
僕が額をさすりながらハース隊長の視線の先を確認すると、そこには倒れた黒髪の誰かと、それを立って見つめる、銀髪を高い場所で結んだクレアさんがいた。
近づこうと思えば近づける距離なのに、クレアさんが痛みに耐えるように唇を噛み締めているのを見て、体が動かなかった。
ハース隊長も僕と同じように最初はその場を動けないでいたが、痺れを切らしたようでクレアさんに近寄った。
「クレア、大丈夫か」
ハース隊長に声をかけられて、ぴくりと肩を揺らしたクレアさんは、ハース隊長に顔を向けた。
僕は、多分ハース隊長も、この瞬間に、
(あぁ……失言した)
と思った。
ハース隊長を見るクレアさんは、これまで見てきた優しい顔じゃなくて、お前は何を言っているんだ?と心底絶望したような顔で見てきた。
クレアさんの口がはく、と動いて、何か言おうとしたのをやめた気がした。
クレアさんはパッと顔を逸らして、横たわっている黒髪の少年のそばに座り、髪を撫でた。
そして、髪を撫でている手が少しずつ、顔から胸に動いた。
心臓のあたりで手を止めて、拍動を感じたいというように、クレアさんは耳も近づけた。
……僕から見てもわかる。
この少年はもう手遅れだ。
クレアさんもやっとの思いで、少年の死を受け入れた。
クレアさんが地面に手を置くと、少年を包むように魔法陣が現れた。
魔法陣が黄金色に染まると、魔法陣は本当に少年を包んでしまった。
黄金色の光を発する魔力の繭が、少年を閉じ込めた。
『帰せ』
何が起こったかわからないまま、クレアさんの行う魔法を見守った。
クレアさんの言葉で、光の繭が綺麗な球体となって空へ浮かんでいき、最後は散り散りになって森の各地にかけらが落ちた。
光のかけらは雪のように溶けていって、少年と共に跡形もなく消えてしまった。
同胞や友を悼むとき、魔法使いは相手の体を魔法を使って自然に戻す。
すべての属性にこの魔法は一般魔法として存在するが、光魔法の追悼は初めて見た。
僕たちがすっかり黙っていると、クレアさんはこちらを向いて笑顔を見せた。
「帰りましょう」
その笑顔は、逆境を生き延びようと必死だった。
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