44 / 119
2章 魔法の国ルクレイシア
本屋の前で
しおりを挟む
「こちら鍵になります」
バタン。
「………さて、と」
クレアは宿で取った自分の部屋に荷物を置いた。
ルクレイシアの宿は魔法で清潔に保っている分質がいいが、どこも高いのは難点だった。
周辺を歩いた中で1番安かった宿にしたものの、高いものは高い。
とはいえ、クレアはあと5年は旅を続けられるほどの金額───大金貨200枚(日本円に換算して2000万円)───をグラント公爵から与えられているため、別に宿代は今後の旅に支障が出るほどではない。
ただ、居候の身で資金まで与えられると気がひけるもので、多少の豪遊は痛くないのだがどうしてもできないでいた。
「…………よし」
クレアは腹を括った。
カランコロン
「おや……いらっしゃいませ」
扉に備え付けられた錆びた鉄製のベルが鳴り、優しそうな印象の老紳士がクレアを迎えた。
老紳士もとい、店主はクレアを見て少し驚いた様子を見せたが、すぐに目を逸らした。
クレアがやってきたのはルクレイシアの中心地……の外れにある小さな書店だった。
特段有名だったり魔法書が豊富だったりするわけではないが、懐かしさを感じさせる暖かい雰囲気と木製の古めかしさにとても惹かれたようだ。
クレアは店主に会釈して店に足を踏み入れた。
店内は入り口側から差す太陽の光とランプの光だけを頼りにしている。
今は夕暮れ時で店内の木製の棚が朱く照り付けられている。
蔵書数はとても多く、壁には天井まで届く本棚にびっしりと本が並んでいる。通路にも何台か本棚があり、魔法、実用書、小説などジャンルごとに並べられている。
クレアは目を輝かせながら本を手に取っていった。
「では20点のお買い上げで、大金貨2枚(日本円で20万円)になります」
「お願いします」
「ちょうどをお預かり致します」
クレアは気になる本が次々と見つかり、大金貨2枚という、平民がひと月暮らせるほどの額を使い切った。
少し買いすぎたと思ったクレアはやはり節制を心がけようと誓った。
店から出る際に入り口まで店主が見送ってくれるらしく、入り口まで来るとクレアはお礼を言って20冊の本を空間魔法で収納しようとした。
ドンッ
しかし、クレアが空間魔法を出そうとしたときに何かとぶつかってしまい、その拍子で本を落としてクレア自身も尻もちをついてしまった。
「おい、ちゃんと前見とけよ」
ぶつかった張本人と思われる人物が立ちはだかって、クレアは尻もちをついたまま見上げた。
深みのある紫紺色の長い髪を後ろでひとつにまとめ、小麦色の切れ長の瞳でクレアを見下ろす男。
170センチは越えていそうだが、顔を見る感じ、歳はクレアと近そうだ。
清楚に見えるぱりっとした白いシャツに藍色のベストにスラックスを穿いている。
ベストに紋章らしきものがついているのが見えるため、どこかの貴族か学生だろう。
「すみません、夢中になっていて」
クレアは少し呆れたように男に言い放って地面に散らばる本を拾い始めた。
クレアが拾おうと手を伸ばした一冊を男が横から拾い上げた。
『魔法陣の緻密性と魔力の関係』
男は題名を見てクレアのほうを見た。
「お前、魔法使いか?」
「………一応」
クレアがおずおずと答えると、男は「ふーん」と言って拾った本をクレアに差し出す。
クレアは差し出された本を手にするが、男が一向に手を離さない。
男はしゃがんでクレアと同じ目線になった。
フードを被るクレアの顔は見えないが、怪訝な顔をしているだろうと察しがつく。
男はフッと笑った。
「魔法見せろよ」
「───っ!」
厄介なことになった。
ルクレイシアは魔法の国。
『一般的な魔法』以外は馬鹿にされる。
彼の態度からして、クレアが魔法を使えば馬鹿にされるのは決まっている。
クレアはためらいを見せたが、男が本を返してくれないのを見てため息をついた。
見せる以外に選択肢はないみたいだ。
「それじゃあ、今拾ったこの本を魔法でしまいます」
クレアはそう言って19冊をひとつの山にして積んで持った。
『収納』
クレアの言葉で、クレアの目の前に銀色に光る魔法陣、亜空間が現れた。
魔法陣は本一冊が入る程度の大きさだが、幾多の幾何学模様が調和している。
クレアが亜空間に19冊を丸ごと入れて手を叩くと、亜空間は何事もなかったように消えた。
ふう、と息をついてクレアは男のほうを向いた。
「これでいいですよね?それじゃあその本を返してください」
クレアが男が手に持つ本へ手を伸ばすと、男は長身を利用してクレアのはるか頭上へ本を上げた。
突然の行動にクレアが驚いていると、男はクレアを馬鹿にするように笑った。
「今のが魔法だって?手の込んだ手品じゃないのか?」
ははは、と乾いた笑いをしながらクレアを見下ろしてくる。
クレアは馬鹿にされるのは予想通りだったため、そこまで怒りが湧いてこなかった。
自分でも自分の魔法が『普通』でないことはわかっていたからだ。
それに馬鹿にされたのは今回が初めてではなかった。
(あぁ、なんだ……ただのいじりか)
クレアは慣れたように納得して手を伸ばすのをやめた。
そのまま立ち去ろうと踵を返したとき、今まで黙って見ていた本屋の店主が「セイルク」と低い調子で声を出した。
男は笑うのをやめて店主のほうを見た。
店主に従順な態度にクレアが驚いていると、店主は呆れたようにため息をついた。
「その本はこの子が私の店で買った。お客様だ。これ以上お客様を侮辱するならここには来るな」
「なっ……、なんでこんなおかしな奴を庇うんだよ!だいたい、客の侮辱をしても店の侮辱はしてないだろ!?」
さっきまでの偉そうな態度はどこへいったのか。
男、セイルクは取り乱して店主を問い詰めている。
店主はもう一度ため息をついた。
『офлю』
店主が短縮した詠唱をすると、セイルクの持っていた本がひとりでに浮いてクレアの元まで飛んできた。
クレアが手にすると魔法が解けて重みがやってくる。
「お客さん、すまないね。もう暗いから早めに帰りなさい」
店主は優しい笑顔でクレアにそう言って帰りを促した。
その反面、店主は驚いて呆然と立つセイルクを鋭く睨んだ。
「せん、」
「今日は帰れ」
セイルクの言葉を待たずにきっぱりと言うと、店主は扉を閉めた。
セイルクは俯いて拳に力を込めている。
一連を見ていたクレアが動けないでいると、セイルクはきっ、と鋭く睨んで踵を返して帰っていった。
セイルクの背中が遠くなっていって見えなくなったころにはすっかり太陽が落ちきっていた。
「………はぁ」
初日からまた面倒なことに巻き込まれたと、クレアはため息をついた。
バタン。
「………さて、と」
クレアは宿で取った自分の部屋に荷物を置いた。
ルクレイシアの宿は魔法で清潔に保っている分質がいいが、どこも高いのは難点だった。
周辺を歩いた中で1番安かった宿にしたものの、高いものは高い。
とはいえ、クレアはあと5年は旅を続けられるほどの金額───大金貨200枚(日本円に換算して2000万円)───をグラント公爵から与えられているため、別に宿代は今後の旅に支障が出るほどではない。
ただ、居候の身で資金まで与えられると気がひけるもので、多少の豪遊は痛くないのだがどうしてもできないでいた。
「…………よし」
クレアは腹を括った。
カランコロン
「おや……いらっしゃいませ」
扉に備え付けられた錆びた鉄製のベルが鳴り、優しそうな印象の老紳士がクレアを迎えた。
老紳士もとい、店主はクレアを見て少し驚いた様子を見せたが、すぐに目を逸らした。
クレアがやってきたのはルクレイシアの中心地……の外れにある小さな書店だった。
特段有名だったり魔法書が豊富だったりするわけではないが、懐かしさを感じさせる暖かい雰囲気と木製の古めかしさにとても惹かれたようだ。
クレアは店主に会釈して店に足を踏み入れた。
店内は入り口側から差す太陽の光とランプの光だけを頼りにしている。
今は夕暮れ時で店内の木製の棚が朱く照り付けられている。
蔵書数はとても多く、壁には天井まで届く本棚にびっしりと本が並んでいる。通路にも何台か本棚があり、魔法、実用書、小説などジャンルごとに並べられている。
クレアは目を輝かせながら本を手に取っていった。
「では20点のお買い上げで、大金貨2枚(日本円で20万円)になります」
「お願いします」
「ちょうどをお預かり致します」
クレアは気になる本が次々と見つかり、大金貨2枚という、平民がひと月暮らせるほどの額を使い切った。
少し買いすぎたと思ったクレアはやはり節制を心がけようと誓った。
店から出る際に入り口まで店主が見送ってくれるらしく、入り口まで来るとクレアはお礼を言って20冊の本を空間魔法で収納しようとした。
ドンッ
しかし、クレアが空間魔法を出そうとしたときに何かとぶつかってしまい、その拍子で本を落としてクレア自身も尻もちをついてしまった。
「おい、ちゃんと前見とけよ」
ぶつかった張本人と思われる人物が立ちはだかって、クレアは尻もちをついたまま見上げた。
深みのある紫紺色の長い髪を後ろでひとつにまとめ、小麦色の切れ長の瞳でクレアを見下ろす男。
170センチは越えていそうだが、顔を見る感じ、歳はクレアと近そうだ。
清楚に見えるぱりっとした白いシャツに藍色のベストにスラックスを穿いている。
ベストに紋章らしきものがついているのが見えるため、どこかの貴族か学生だろう。
「すみません、夢中になっていて」
クレアは少し呆れたように男に言い放って地面に散らばる本を拾い始めた。
クレアが拾おうと手を伸ばした一冊を男が横から拾い上げた。
『魔法陣の緻密性と魔力の関係』
男は題名を見てクレアのほうを見た。
「お前、魔法使いか?」
「………一応」
クレアがおずおずと答えると、男は「ふーん」と言って拾った本をクレアに差し出す。
クレアは差し出された本を手にするが、男が一向に手を離さない。
男はしゃがんでクレアと同じ目線になった。
フードを被るクレアの顔は見えないが、怪訝な顔をしているだろうと察しがつく。
男はフッと笑った。
「魔法見せろよ」
「───っ!」
厄介なことになった。
ルクレイシアは魔法の国。
『一般的な魔法』以外は馬鹿にされる。
彼の態度からして、クレアが魔法を使えば馬鹿にされるのは決まっている。
クレアはためらいを見せたが、男が本を返してくれないのを見てため息をついた。
見せる以外に選択肢はないみたいだ。
「それじゃあ、今拾ったこの本を魔法でしまいます」
クレアはそう言って19冊をひとつの山にして積んで持った。
『収納』
クレアの言葉で、クレアの目の前に銀色に光る魔法陣、亜空間が現れた。
魔法陣は本一冊が入る程度の大きさだが、幾多の幾何学模様が調和している。
クレアが亜空間に19冊を丸ごと入れて手を叩くと、亜空間は何事もなかったように消えた。
ふう、と息をついてクレアは男のほうを向いた。
「これでいいですよね?それじゃあその本を返してください」
クレアが男が手に持つ本へ手を伸ばすと、男は長身を利用してクレアのはるか頭上へ本を上げた。
突然の行動にクレアが驚いていると、男はクレアを馬鹿にするように笑った。
「今のが魔法だって?手の込んだ手品じゃないのか?」
ははは、と乾いた笑いをしながらクレアを見下ろしてくる。
クレアは馬鹿にされるのは予想通りだったため、そこまで怒りが湧いてこなかった。
自分でも自分の魔法が『普通』でないことはわかっていたからだ。
それに馬鹿にされたのは今回が初めてではなかった。
(あぁ、なんだ……ただのいじりか)
クレアは慣れたように納得して手を伸ばすのをやめた。
そのまま立ち去ろうと踵を返したとき、今まで黙って見ていた本屋の店主が「セイルク」と低い調子で声を出した。
男は笑うのをやめて店主のほうを見た。
店主に従順な態度にクレアが驚いていると、店主は呆れたようにため息をついた。
「その本はこの子が私の店で買った。お客様だ。これ以上お客様を侮辱するならここには来るな」
「なっ……、なんでこんなおかしな奴を庇うんだよ!だいたい、客の侮辱をしても店の侮辱はしてないだろ!?」
さっきまでの偉そうな態度はどこへいったのか。
男、セイルクは取り乱して店主を問い詰めている。
店主はもう一度ため息をついた。
『офлю』
店主が短縮した詠唱をすると、セイルクの持っていた本がひとりでに浮いてクレアの元まで飛んできた。
クレアが手にすると魔法が解けて重みがやってくる。
「お客さん、すまないね。もう暗いから早めに帰りなさい」
店主は優しい笑顔でクレアにそう言って帰りを促した。
その反面、店主は驚いて呆然と立つセイルクを鋭く睨んだ。
「せん、」
「今日は帰れ」
セイルクの言葉を待たずにきっぱりと言うと、店主は扉を閉めた。
セイルクは俯いて拳に力を込めている。
一連を見ていたクレアが動けないでいると、セイルクはきっ、と鋭く睨んで踵を返して帰っていった。
セイルクの背中が遠くなっていって見えなくなったころにはすっかり太陽が落ちきっていた。
「………はぁ」
初日からまた面倒なことに巻き込まれたと、クレアはため息をついた。
11
あなたにおすすめの小説
職業ガチャで外れ職引いたけど、ダンジョン主に拾われて成り上がります
チャビューヘ
ファンタジー
いいね、ブックマークで応援いつもありがとうございます!
ある日突然、クラス全員が異世界に召喚された。
この世界では「職業ガチャ」で与えられた職業がすべてを決める。勇者、魔法使い、騎士――次々と強職を引き当てるクラスメイトたち。だが俺、蒼井拓海が引いたのは「情報分析官」。幼馴染の白石美咲は「清掃員」。
戦闘力ゼロ。
「お前らは足手まといだ」「誰もお荷物を抱えたくない」
親友にすら見捨てられ、パーティ編成から弾かれた俺たちは、たった二人で最低難易度ダンジョンに挑むしかなかった。案の定、モンスターに追われ、逃げ惑い――挙句、偶然遭遇したクラスメイトには囮として利用された。
「感謝するぜ、囮として」
嘲笑と共に去っていく彼ら。絶望の中、俺たちは偶然ダンジョンの最深部へ転落する。
そこで出会ったのは、銀髪の美少女ダンジョン主・リリア。
「あなたたち……私のダンジョンで働かない?」
情報分析でダンジョン構造を最適化し、清掃で魔力循環を改善する。気づけば生産効率は30%向上し、俺たちは魔王軍の特別顧問にまで成り上がっていた。
かつて俺たちを見下したクラスメイトたちは、ダンジョン攻略で消耗し、苦しんでいる。
見ろ、これが「外れ職」の本当の力だ――逆転と成り上がり、そして痛快なざまぁ劇が、今始まる。
#密売じゃありません!ミツバイギフトで最高に美味しい果物作ったら、領主令息が夫になった件について
国府知里
ファンタジー
「がんばっても報われなかったあなたに」“スローライフ成り上がりファンタジー”
人生に疲れ果てた北村めぐみは、目覚めると異世界の農村で少女グレイスとして転生していた。この世界では6歳で神から“ギフト”を授かるという。グレイスが得た謎の力「ミツバイ」は、果物を蜜のように甘くするという奇跡の力だった!村を、領地を、やがて王国までも変えていく果樹栽培の物語がいま始まる――。美味しさが未来を育てる、異世界農業×スローライフ・ファンタジー!
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる