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第1話『溺愛』
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レストール家の優秀な一人息子、ガブリエル郷。
23歳である彼の人望はとにかく厚く、その整った美貌と柔らかな人当たりの良さは、ダリア国全体に響き渡る程のものだ。
彼のファンは多く、日々世の女性たちからの彼への求愛は絶えない。
ダリア国でも指折りの大貴族でありながら、彼は白魔法まで扱うことができるという噂だ。
通常、この世界では魔法を扱えるものは極々わずか存在するものの、白魔法を扱える者は数えられる程しか存在しない。
それ故、ガブリエルはとにかく国の大スター的存在であり、彼の人気は絶大であった。
「おはよう、ソフィア」
色素の薄い、やたらと整った顔の少女は、ガブリエルの声に反応し、静かに瞼を開けた。
白に近い銀髪、雪のような肌、吸い込まれそうな瞳、果実のような小さな唇。
ソフィアはまるで、人間ではないような、そんな錯覚をもたらす程の美しい少女だ。
ガブリエルが指でソフィアの頬を撫でる。
ソフィアはくすぐったそうに、撫でられた頬の方の瞳を瞑ると、その様子をガブリエルは愛おしそうに見つめた。
「ソフィアは今日も美しいね。
僕の愛しのソフィア‥。僕の命を救ってくれたソフィア‥」
金色のサラサラの髪を靡かせ、ガブリエルは言う。
ソフィアは何の反応も見せずに、起き上がった。
いつもなら、ここでメイドが来るはずなのに来ない。
ソフィアは不思議そうに扉を見つめる。
「今日はメイドは来ないよ」
ソフィアの疑問を察し、ガブリエルがそう告げた。
反応のないソフィアのその白銀の髪を、ガブリエルはそっと撫でる。
「僕はね、あの時ーー
ソフィアの白魔法に救われて命拾いをした時‥父さんと母さんがソフィアに涙を流しながら感謝をしていたことを今でも鮮明に覚えているよ。
ソフィアと離れたくなかったから、父さんと母さんが身寄りのないソフィアをレストール家の娘として招き入れてくれたのも、当時は嬉しかった‥。
でもね、いま僕はとても悲しいんだ」
ガブリエルの青い瞳は、窓の外を遠く見つめていた。
「僕はソフィアと、永遠に一緒にいたい‥
片時も離れたくない‥
ソフィアが妹じゃなければ‥君と結婚できるのに‥」
そう言って、眉を顰めて辛そうな表情を浮かべるガブリエル。
ソフィアはただ静かに、ガブリエルの言葉を聞いていた。
「‥毎日のように、見合いの話が舞い込んでくる‥
僕ももういい歳だ。見合いを断り続けていても、いつかは誰かと結婚させられてしまうかもしれない‥
なんとかソフィアも一緒に生活し続けられるようにするつもりだけど、どうなるかなんてわからない‥
そう思うとね、少しでも君と一緒に過ごす時間が欲しいんだ‥
だから、今日からは出来る限りのソフィアの身の回りのこと、僕にやらせてもらうよ」
そうして、ガブリエルはソフィアの丈の長いオフホワイトの肌着に手をかけた。
ソフィアは、咄嗟に脱がされまいと抵抗するが、ガブリエルは滑らかな動きでそのソフィアの抵抗をするりと躱した。
ぐっと唇に力を入れ、それでも抵抗を続けるソフィアを見て、ガブリエルは愛おしそうに笑う。
「恥ずかしがらないで、ソフィア。
君の着替えを手伝ってあげるだけだよ?」
ソフィアは目をぎゅっと瞑り、ふるふると首を横に振った。
胸元のリボンを解かれると、もともと緩い作りのそのネグリジェは、軽く下に引っ張るだけで簡単にソフィアの白い両肩を露出させた。
「君は本当に、全てが美しいね‥
僕が結婚できないのは君のせいだよ?
ソフィアほど美しい人は他にいない‥」
ガブリエルが、妖艶な笑みを見せる。
ソフィアはただ、下を向いてこれ以上ネグリジェが落ちないよう胸元を抑えるので必死だった。
「妖精‥女神‥聖女‥
全ての言葉が似合うね。
ソフィア‥」
ソフィアの肩が突然ピクリと跳ねた。
ガブリエルが、ソフィアの肩にキスをしたのだ。
ガブリエルのサラサラの髪が、ソフィアの顔や首、肩にかかる。唇の熱を感じる肩を、どうにかガブリエルから解放させようと、ソフィアは懸命にガブリエルの体を押した。
ガブリエルは、胸元を抑えていたソフィアの手がガブリエルを押しのけることで精一杯になっていると気付くと、不適に微笑んでネグリジェを一気に下までずり下げた。
しまった、とソフィアが咄嗟にしゃがみ込むも時既に遅し。朝だというのに、ガブリエルのスイッチがはいってしまったようだった。
とは言っても、仮にも兄弟。今の今まで、ガブリエルに肌を露出したことも、こんな展開になってしまったこともない。
ソフィアは恐怖から、体を固く縮こませ、その身を守った。
「ああ‥ごめんね、ソフィア‥
怖がらせてしまったようだね‥」
ガブリエルがその端正な顔立ちを、悲しそうに歪める。
「君の近くにいたい‥誰よりも、君の側に‥
でも、近くにいるとこうして暴走してしまう‥
いま‥メイドを呼ぶね。下で待ってるよ、ソフィア」
ガブリエルが部屋を出て行く姿を見送ってから、ソフィアはやっと立ち上がって、ネグリジェをもう一度着直した。
そして、窓の外を見て、小さくため息をこぼしたのである。
23歳である彼の人望はとにかく厚く、その整った美貌と柔らかな人当たりの良さは、ダリア国全体に響き渡る程のものだ。
彼のファンは多く、日々世の女性たちからの彼への求愛は絶えない。
ダリア国でも指折りの大貴族でありながら、彼は白魔法まで扱うことができるという噂だ。
通常、この世界では魔法を扱えるものは極々わずか存在するものの、白魔法を扱える者は数えられる程しか存在しない。
それ故、ガブリエルはとにかく国の大スター的存在であり、彼の人気は絶大であった。
「おはよう、ソフィア」
色素の薄い、やたらと整った顔の少女は、ガブリエルの声に反応し、静かに瞼を開けた。
白に近い銀髪、雪のような肌、吸い込まれそうな瞳、果実のような小さな唇。
ソフィアはまるで、人間ではないような、そんな錯覚をもたらす程の美しい少女だ。
ガブリエルが指でソフィアの頬を撫でる。
ソフィアはくすぐったそうに、撫でられた頬の方の瞳を瞑ると、その様子をガブリエルは愛おしそうに見つめた。
「ソフィアは今日も美しいね。
僕の愛しのソフィア‥。僕の命を救ってくれたソフィア‥」
金色のサラサラの髪を靡かせ、ガブリエルは言う。
ソフィアは何の反応も見せずに、起き上がった。
いつもなら、ここでメイドが来るはずなのに来ない。
ソフィアは不思議そうに扉を見つめる。
「今日はメイドは来ないよ」
ソフィアの疑問を察し、ガブリエルがそう告げた。
反応のないソフィアのその白銀の髪を、ガブリエルはそっと撫でる。
「僕はね、あの時ーー
ソフィアの白魔法に救われて命拾いをした時‥父さんと母さんがソフィアに涙を流しながら感謝をしていたことを今でも鮮明に覚えているよ。
ソフィアと離れたくなかったから、父さんと母さんが身寄りのないソフィアをレストール家の娘として招き入れてくれたのも、当時は嬉しかった‥。
でもね、いま僕はとても悲しいんだ」
ガブリエルの青い瞳は、窓の外を遠く見つめていた。
「僕はソフィアと、永遠に一緒にいたい‥
片時も離れたくない‥
ソフィアが妹じゃなければ‥君と結婚できるのに‥」
そう言って、眉を顰めて辛そうな表情を浮かべるガブリエル。
ソフィアはただ静かに、ガブリエルの言葉を聞いていた。
「‥毎日のように、見合いの話が舞い込んでくる‥
僕ももういい歳だ。見合いを断り続けていても、いつかは誰かと結婚させられてしまうかもしれない‥
なんとかソフィアも一緒に生活し続けられるようにするつもりだけど、どうなるかなんてわからない‥
そう思うとね、少しでも君と一緒に過ごす時間が欲しいんだ‥
だから、今日からは出来る限りのソフィアの身の回りのこと、僕にやらせてもらうよ」
そうして、ガブリエルはソフィアの丈の長いオフホワイトの肌着に手をかけた。
ソフィアは、咄嗟に脱がされまいと抵抗するが、ガブリエルは滑らかな動きでそのソフィアの抵抗をするりと躱した。
ぐっと唇に力を入れ、それでも抵抗を続けるソフィアを見て、ガブリエルは愛おしそうに笑う。
「恥ずかしがらないで、ソフィア。
君の着替えを手伝ってあげるだけだよ?」
ソフィアは目をぎゅっと瞑り、ふるふると首を横に振った。
胸元のリボンを解かれると、もともと緩い作りのそのネグリジェは、軽く下に引っ張るだけで簡単にソフィアの白い両肩を露出させた。
「君は本当に、全てが美しいね‥
僕が結婚できないのは君のせいだよ?
ソフィアほど美しい人は他にいない‥」
ガブリエルが、妖艶な笑みを見せる。
ソフィアはただ、下を向いてこれ以上ネグリジェが落ちないよう胸元を抑えるので必死だった。
「妖精‥女神‥聖女‥
全ての言葉が似合うね。
ソフィア‥」
ソフィアの肩が突然ピクリと跳ねた。
ガブリエルが、ソフィアの肩にキスをしたのだ。
ガブリエルのサラサラの髪が、ソフィアの顔や首、肩にかかる。唇の熱を感じる肩を、どうにかガブリエルから解放させようと、ソフィアは懸命にガブリエルの体を押した。
ガブリエルは、胸元を抑えていたソフィアの手がガブリエルを押しのけることで精一杯になっていると気付くと、不適に微笑んでネグリジェを一気に下までずり下げた。
しまった、とソフィアが咄嗟にしゃがみ込むも時既に遅し。朝だというのに、ガブリエルのスイッチがはいってしまったようだった。
とは言っても、仮にも兄弟。今の今まで、ガブリエルに肌を露出したことも、こんな展開になってしまったこともない。
ソフィアは恐怖から、体を固く縮こませ、その身を守った。
「ああ‥ごめんね、ソフィア‥
怖がらせてしまったようだね‥」
ガブリエルがその端正な顔立ちを、悲しそうに歪める。
「君の近くにいたい‥誰よりも、君の側に‥
でも、近くにいるとこうして暴走してしまう‥
いま‥メイドを呼ぶね。下で待ってるよ、ソフィア」
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そして、窓の外を見て、小さくため息をこぼしたのである。
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