86 / 113
13-"いつも"の終わりとユリウスの災難
雷鳴
しおりを挟む
頭上でヘリコプターの爆音が鳴っている。
「中隊長!」
「どした?」
展開中の部隊の状況確認、撃破数等、報告を聞き終えて屋外に出、ストレッチしながら着陸を眺めていたところ、不意に後ろから声をかけられた。
声のトーンからして敵の襲撃である、緩めていた気を戻す。しかし普段なら続けて聞こえる筈の音、兵士の足音や車両のエンジン音が伴わず、代わりにざわざわと困惑する声がそこかしこで上がる。
「総隊長見ませんでした?」
「朝イチで見たけどそれっきりだね。なに? いないの?」
「1人だけじゃないですよ、総隊の幹部が全員いません、司令部が機能を止めてます」
それはまた穏やかな話ではない、司令部建屋をちらりと見て眉を寄せ、さっきまで仕事をしていた建物へ舞い戻る。内部にはテーブルに広げられた地図と通信機があり、通信機のヘッドギアを頭に着けつつチャンネルを切り替えた。
「門の防衛担当、応答しろ」
『はい』
「今日の出入り記録を教えて欲しい」
『午前5時40分頃にパトロールが出たのが最後です、改めて見れば昨日から帰っていない隊が相当数あります。それとあと数分もすれば工場からの定期便が到着する筈ですが』
「オーケー、輸送隊は壁の外で待機させといて。問題が発生した、誰も壁を通したくない」
神経過敏だろうか、いやこのくらいの方がいいだろう、誰もいない、というのは明らかな異常だ。
これで陸からの出入りは無い、後は空からの出入りだ、さっき降りてきたヘリコプターはエンジンを止め、ヘリポートは静かになっている。
「ヘリポート、応答しろ。…………ヘリポート? どうした?」
なんて、チャンネルを変えて呼びかけたものの、返事が無い。通常であれば数秒経たずに管制員が通信に出て、門番と似たような会話が行われるのだが。送信先を格納庫に切り替えても結果は同じ、メカニックはねーちゃんず含めて誰も応答しなかった。
「確かめに行く、武装して」
壁に立てかけてあったライフルを部下が取る、弾倉装着と初弾装填を行う間にティーも腰にベルトを巻きつけ、片刃剣の鞘とハンドガンのホルスターを取り付けた。ハンドガンはすぐに抜き、スライドを引いて、建物を出る。
ヘリポートはすぐ近くだ、10秒も小走りすれば目に入る。その間出会った兵士全員に戦闘準備と不審者不審物の捜索を指示、さっそくバンカー中が慌て始めた。惜しいのはこの中にサーティエイトがいない点である、いたらいたで急にやかましくなるが、フェルトにどやされるくらいでしかビビるという行為をしないあの連中はこういう場面で滅法強い。まぁ今更悔やんでも仕方ないので、ティー自身でヘリポートに踏み込んだ。
「うわ誰もいない」
格納庫はもぬけの殻、管制塔からも人の気配を感じない。よっぽどの事がなければ常にヘリか車いじってるねーちゃんずの姿すら見えぬとは。
しかし全員でどっか出かけた訳ではなさそうだ、着陸したばかりのヘリコプターはほったらかし、床にはレンチやスパナが転がっている。武器持って集まってきた兵士達に警戒させつつ格納庫へ、人が隠れていそうな物陰をしらみつぶしにしつつ手がかりを探す。
床にゴム片が散らばっていた、ヘリのパッキン等には見えない黄色の硬いゴム、粉々になっており、何らかの原因で破裂したのだろう。何か関係があるのだろうか、ティーには何に使っていたのか検討もつかないが、そこら中にあるから失踪とは無関係な気もする。
「うーん……ちょっと鍵取りに行ってくる」
とりあえず格納庫の奥にある小部屋が施錠されていたので、ここを開けるために合鍵を探そう。とはいえ警察署を走り回ってバルブを回したりメダルを集めたりする訳ではない、司令部に一括保管されている筈だ。この状況下で1人は危険だと部下含む何人かがついてきて、シェルター入口をスルー、司令部建屋へ。
「!」
「どうしました?」
今、誰かに背中を狙われた、気がした。ドアノブに手をかけたままがばりと振り返るも、特に変化は無し。しばらく周りを睨みつけ、屋内に滑り込み、一応鍵を閉めておく。
「見張りも一緒に行方不明?」
「ええ、まず彼がいない事に気付いて、その後に司令部のもぬけの殻が発覚しました」
受付嬢の座るデスクが右に、個人的な依頼等を貼り付ける酒場みたいな掲示板が左にある室内だ、簡単な金庫も置いてあるが、荒らされた形跡は無い。強いて言えば車輪付きのイスがあさってを向いて、床にスティックタイプの電子メモリーが転がっている程度。
ここで戦闘があった様子は無い、しかし不意を突かれて拘束された可能性はある。
『中隊長、こちら東門。輸送隊の車列が中に入る許可を求めています、非常に危険な薬品を運んでいるとか』
「ぬ……仕方ない、不審物の有無を確かめたあと、緊急性の高いものだけ入れていいよ」
ヘッドギアから聞こえてきた声に応答しつつ、ティーは階段を早足に降りた。すぐ正面が会議室、右の通路を進むと司令室があり、左へ行けば簡易キッチンやトイレ、保管庫が並ぶ。用があるのは保管庫だが、まず司令室から扉の解錠操作をしなければならない。よって突き当たりを右へ、不必要に見えるが実は必要なアホほど曲がりくねった廊下を抜け司令室に入り、薄暗かった照明の光量を最大まで上げる。
こちらは何の痕跡も無かった、部屋自体はいつも通りで、ただ人間だけがいない。ひと通りの確認をしたのち管理PCを操作、保管庫を開けた。
『戦闘隊が指示を求めています』
「私に? 他の大隊長とかは?」
『安否が確認できません、全員です』
「なんだとこのやろう……」
その後も少し話を続けると、ティーが指揮を執らなければならなくなった人数は300強、これでも過半数が出払っていて、なんとかならない事もないか、という程度。仕方なし、居残り隊への状況伝達と、外に出ている隊の引き戻し、その他非戦闘員の退避(=行動制限)を続けて命令。やっている間に保管庫まで辿り着いた、壁にかかる大量の鍵から目当ての1本と、他にも必要になりそうな鍵を見繕って鍵束を作成、保管庫を出る。ちらりとキッチンの方を流し見、一応見ておくべきかと逡巡、確認せず階段を駆け上がる。
「お」
地上階まで戻ってくると制服ファッションの赤髪ツインテールがおろおろしていた、左肩は完治し、後ろ腰にはハンドガンが戻っている。まだ無事だったか、ならばよし、両手を広げて彼女に近寄っていく。
「ええとあの…いったい何が起きて……」
「レア! こないだのレポート、小隊長クラスで最優秀だってね!」
「へ…? いやその……まぁ座学だけならあのくらいは……」
「実戦でもすぐ活躍できるって! キミほどの頭脳はそうそういないから! いやーすごいなー!」
「ま……まぁまぁまぁそうでしょうとも、そうでしょうとも!」
「という訳だから、1個中隊の指揮よろしく」
「任せなさいな!」
これでよし。
ふんぞり返るレアの肩を叩いて格納庫へ舞い戻る。
「中隊長!」
「どした?」
展開中の部隊の状況確認、撃破数等、報告を聞き終えて屋外に出、ストレッチしながら着陸を眺めていたところ、不意に後ろから声をかけられた。
声のトーンからして敵の襲撃である、緩めていた気を戻す。しかし普段なら続けて聞こえる筈の音、兵士の足音や車両のエンジン音が伴わず、代わりにざわざわと困惑する声がそこかしこで上がる。
「総隊長見ませんでした?」
「朝イチで見たけどそれっきりだね。なに? いないの?」
「1人だけじゃないですよ、総隊の幹部が全員いません、司令部が機能を止めてます」
それはまた穏やかな話ではない、司令部建屋をちらりと見て眉を寄せ、さっきまで仕事をしていた建物へ舞い戻る。内部にはテーブルに広げられた地図と通信機があり、通信機のヘッドギアを頭に着けつつチャンネルを切り替えた。
「門の防衛担当、応答しろ」
『はい』
「今日の出入り記録を教えて欲しい」
『午前5時40分頃にパトロールが出たのが最後です、改めて見れば昨日から帰っていない隊が相当数あります。それとあと数分もすれば工場からの定期便が到着する筈ですが』
「オーケー、輸送隊は壁の外で待機させといて。問題が発生した、誰も壁を通したくない」
神経過敏だろうか、いやこのくらいの方がいいだろう、誰もいない、というのは明らかな異常だ。
これで陸からの出入りは無い、後は空からの出入りだ、さっき降りてきたヘリコプターはエンジンを止め、ヘリポートは静かになっている。
「ヘリポート、応答しろ。…………ヘリポート? どうした?」
なんて、チャンネルを変えて呼びかけたものの、返事が無い。通常であれば数秒経たずに管制員が通信に出て、門番と似たような会話が行われるのだが。送信先を格納庫に切り替えても結果は同じ、メカニックはねーちゃんず含めて誰も応答しなかった。
「確かめに行く、武装して」
壁に立てかけてあったライフルを部下が取る、弾倉装着と初弾装填を行う間にティーも腰にベルトを巻きつけ、片刃剣の鞘とハンドガンのホルスターを取り付けた。ハンドガンはすぐに抜き、スライドを引いて、建物を出る。
ヘリポートはすぐ近くだ、10秒も小走りすれば目に入る。その間出会った兵士全員に戦闘準備と不審者不審物の捜索を指示、さっそくバンカー中が慌て始めた。惜しいのはこの中にサーティエイトがいない点である、いたらいたで急にやかましくなるが、フェルトにどやされるくらいでしかビビるという行為をしないあの連中はこういう場面で滅法強い。まぁ今更悔やんでも仕方ないので、ティー自身でヘリポートに踏み込んだ。
「うわ誰もいない」
格納庫はもぬけの殻、管制塔からも人の気配を感じない。よっぽどの事がなければ常にヘリか車いじってるねーちゃんずの姿すら見えぬとは。
しかし全員でどっか出かけた訳ではなさそうだ、着陸したばかりのヘリコプターはほったらかし、床にはレンチやスパナが転がっている。武器持って集まってきた兵士達に警戒させつつ格納庫へ、人が隠れていそうな物陰をしらみつぶしにしつつ手がかりを探す。
床にゴム片が散らばっていた、ヘリのパッキン等には見えない黄色の硬いゴム、粉々になっており、何らかの原因で破裂したのだろう。何か関係があるのだろうか、ティーには何に使っていたのか検討もつかないが、そこら中にあるから失踪とは無関係な気もする。
「うーん……ちょっと鍵取りに行ってくる」
とりあえず格納庫の奥にある小部屋が施錠されていたので、ここを開けるために合鍵を探そう。とはいえ警察署を走り回ってバルブを回したりメダルを集めたりする訳ではない、司令部に一括保管されている筈だ。この状況下で1人は危険だと部下含む何人かがついてきて、シェルター入口をスルー、司令部建屋へ。
「!」
「どうしました?」
今、誰かに背中を狙われた、気がした。ドアノブに手をかけたままがばりと振り返るも、特に変化は無し。しばらく周りを睨みつけ、屋内に滑り込み、一応鍵を閉めておく。
「見張りも一緒に行方不明?」
「ええ、まず彼がいない事に気付いて、その後に司令部のもぬけの殻が発覚しました」
受付嬢の座るデスクが右に、個人的な依頼等を貼り付ける酒場みたいな掲示板が左にある室内だ、簡単な金庫も置いてあるが、荒らされた形跡は無い。強いて言えば車輪付きのイスがあさってを向いて、床にスティックタイプの電子メモリーが転がっている程度。
ここで戦闘があった様子は無い、しかし不意を突かれて拘束された可能性はある。
『中隊長、こちら東門。輸送隊の車列が中に入る許可を求めています、非常に危険な薬品を運んでいるとか』
「ぬ……仕方ない、不審物の有無を確かめたあと、緊急性の高いものだけ入れていいよ」
ヘッドギアから聞こえてきた声に応答しつつ、ティーは階段を早足に降りた。すぐ正面が会議室、右の通路を進むと司令室があり、左へ行けば簡易キッチンやトイレ、保管庫が並ぶ。用があるのは保管庫だが、まず司令室から扉の解錠操作をしなければならない。よって突き当たりを右へ、不必要に見えるが実は必要なアホほど曲がりくねった廊下を抜け司令室に入り、薄暗かった照明の光量を最大まで上げる。
こちらは何の痕跡も無かった、部屋自体はいつも通りで、ただ人間だけがいない。ひと通りの確認をしたのち管理PCを操作、保管庫を開けた。
『戦闘隊が指示を求めています』
「私に? 他の大隊長とかは?」
『安否が確認できません、全員です』
「なんだとこのやろう……」
その後も少し話を続けると、ティーが指揮を執らなければならなくなった人数は300強、これでも過半数が出払っていて、なんとかならない事もないか、という程度。仕方なし、居残り隊への状況伝達と、外に出ている隊の引き戻し、その他非戦闘員の退避(=行動制限)を続けて命令。やっている間に保管庫まで辿り着いた、壁にかかる大量の鍵から目当ての1本と、他にも必要になりそうな鍵を見繕って鍵束を作成、保管庫を出る。ちらりとキッチンの方を流し見、一応見ておくべきかと逡巡、確認せず階段を駆け上がる。
「お」
地上階まで戻ってくると制服ファッションの赤髪ツインテールがおろおろしていた、左肩は完治し、後ろ腰にはハンドガンが戻っている。まだ無事だったか、ならばよし、両手を広げて彼女に近寄っていく。
「ええとあの…いったい何が起きて……」
「レア! こないだのレポート、小隊長クラスで最優秀だってね!」
「へ…? いやその……まぁ座学だけならあのくらいは……」
「実戦でもすぐ活躍できるって! キミほどの頭脳はそうそういないから! いやーすごいなー!」
「ま……まぁまぁまぁそうでしょうとも、そうでしょうとも!」
「という訳だから、1個中隊の指揮よろしく」
「任せなさいな!」
これでよし。
ふんぞり返るレアの肩を叩いて格納庫へ舞い戻る。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
独身おじさんの異世界おひとりさまライフ〜金や評価は要りません。コーヒーとタバコ、そして本があれば最高です〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
ブラック企業で身も心もすり減らした相馬蓮司(42歳)。
過労死の果てに辿り着いたのは、剣と魔法の異世界だった。
神様から「万能スキル」を押し付けられたものの、蓮司が選んだのは──戦いでも冒険でもない。
静かな辺境の村外れで、珈琲と煙草の店を開く。
作り出す珈琲は、病も呪いも吹き飛ばし、煙草は吸っただけで魔力上限を突破。
伝説級アイテム扱いされ、貴族も英雄も列をなすが──本人は、そんな騒ぎに興味なし。
「……うまい珈琲と煙草があれば、それでいい」
誰かと群れる気も、誰かに媚びる気もない。
ただ、自分のためだけに、今日も一杯と一服を楽しむ。
誰にも縛られず、誰にも迎合しない孤高のおっさんによる、異世界マイペースライフ、ここに開店!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる