その場の空気に身を任せればなんとか生きれるって!

里見 碧

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プロローグ

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「ただいまァ!!」


家の鍵を開け自分の家に飛び込む。親は共働きで深夜まで居ないが防犯対策か何かで誰もいなくても一応ただいまとかいってきますとかは言うようにしている。


乱暴にランドセルを空中に放り投げ


「いってきまーす!!」


と叫び家を飛び出す。アパートの古い階段を走りながら降りている時、鍵を閉め忘れたのに気づき、急いでしめに戻った。


私、治美(はるみ)は現役の5年生女子だ。



薄い長袖にお馴染みの半ズボン。ポニーテールしてるのによく男の子に間違えられるのがこの格好の玉に傷なとこ。ほぼ毎日この格好だ。ちなみに今は10月。この位の涼しさって好きだ。


私には幼なじみがいる。幼稚園の頃からの。
私の理解者であり、ゲーム友達でもある。
放課後は毎日欠かさず共にゲームをする。
きっと家族より一緒にいる時間が長いに違いない。



三丁目の札が書かれた角をスライディングをするように曲がる。最近のマイブーム。

そのまま真っ直ぐに行くと神社がある。
そこが私の幼なじみである和麻(かずま)の家だ。




「おじゃましまーす!!」


最近はインターホンを押すことなく入っていいことを許されているためこの言葉だけを残し靴を脱いでズカズカと人様の家へ入り込む。了承得てなかったら犯罪だ。





磨きたてツヤツヤの木製廊下の上を履きなれた靴下でスケート選手のごとく滑りながら和麻の部屋を目指す。我が愛しのゲームにもうすぐ会える。




「和麻!!」



私が思い切り和麻の部屋の扉を横にスライドする。
コン!!と大きな音が響き、ゆっとりと眠そうに和麻がふりかえる。




「寒い。」



と一言いいいつもの様に毛布にくるまって読書をしている。芥川龍之介の羅生門…。名前だけなら知ってるぞ。名前だけなら。





眠たそうな和麻から布団をひっぺがそうと布団を掴んだ。



「ゲームしよ!!ほら早く起きて!!」

「んえー待ってもーちょっとー」

「むーり!!待たない!!ほら早く!!」

「むにゅー」


綱引きならぬ布団引きが行われるのは毎日恒例だ。
毎回私が勝つけどねっ!!


男の子のくせに弱っちいったらありゃしない!!



最近私達はあるオンラインゲームにハマっていた。

『World』

単純な名前だ。内容もたんじゅんでこのゲームは好きな友達と二人以上でパーティを組み、オンラインで世界の人々と戦うというものだ。

これが案外楽しい。
2人だけのパーティなので大人数の相手パーティに勝てた時はものすごく嬉しい。
和麻とハイタッチで喜びを噛み締め合う。
いつまでもお互い変わんないなぁ…。






 テレビの電源をつけて入力切替を私がしている間に和麻がテレビに色々な線をテレビに慣れた手つきでし、ゲームの本体の電源を入れる。




今日もオンラインゲームの始まりだ!!


『テレテレテレテーレ♪』


「やったね!和麻!!また私たちランキング1位だよ!!」
「さすがだねー2位とのあっとー的な差だよー!」



他のゲームも久々にしてみたいと思い何かないかなぁとリモコンを地面に置き、カセットの詰まった籠を漁りだした。その時だった。


「なんかメールきたー」

のんびりとした和麻の声に私は思わず振り向いた。




確かにメールが届いていた。


『オンラインゲームをしませんか?』


「どういうこと?」
「さー…」
 「私たちオンラインゲームしてるよね?」
「しーてるしーてるー、じゃあこのメール捨てとくねー?」
「待って!!でも…開く価値ありそうじゃない?」
「えーこわーい」
「いいじゃんいいじゃん!!お金の請求が来たら来た時だよ!!」


私は無理やり和麻のリモコンを取り、開封のボタンを押した。

あたりは光に包まれた…。
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