265 / 491
陽と叶夢(その2)
しおりを挟む
陽とは東京駅では銀の鈴で待ち合わせることにしている
『着いたよ』
ラインしてスタンプを送った
言葉だけだと無愛想かな?と、思ったからである
すぐ近くのコーヒーショップから陽が出てきた
「早く着いたら暇だったんでね」
叶夢には綺麗な共通語に聞こえる。叶夢は四国の香川出身で神戸の大学に進学した。家にお金がないので奨学金である
言葉は香川の四国弁。神戸では恥ずかしいので共通語もどきの関西弁で話している
関西弁と四国弁に共通点が多いためである
陽は和歌山出身である。和歌山の関西弁であった
和歌山弁は同じ関西人にも笑われることがある。また東京で仕事する機会も多いので関西弁交じりの共通語を話している
が、叶夢にはキレイな共通語に聞こえるらしい
「早くから来てくれていたの?」
叶夢は少し恐縮そうに尋ねた
陽は叶夢にとって奴隷ボーイから救ってくれた恩人でもあるので普通の恋仲とは違う感情もあった
「さっきついたところだよ」
陽は手のひらを振って否定した
「お茶でもして待つつもりで店に入った。暑いしお茶でもしよっか?」
確かに新幹線から降りると少し暑い
「そうですね。冷たいものでも………」
「じゃ決まり!!」
陽は元来た店に戻った
「いらっしゃいませ」
店の女の子が迎える
「やっぱり戻って来たよ」
陽は気さくに近くのウェイトレスさんに声をかけた
「おかえりなさい。待ち合わせの方とですね。いらっしゃいませ!」
女の子は叶夢を見て声をかけた。そして、
「お客様、お連れ様、凄いイケメンですね」
叶夢の風貌はやはり目に付く
「失礼しました」
女の子は改めて謝った
「なかなかイケてるだろう?」
陽は笑いながら言う。女の子は黙って頷いた
「もう、恥ずかしいから止めて!」
叶夢は真っ赤になって俯いた。こんなところが好きなんだ!陽はそう思った
席に案内されて叶夢は水を飲む。やはり暑かった…
お冷を飲むと一気に汗がひいた
そしてオーダーしたアイスコーヒーに涼しさを感じた
陽は暑さから解放されて饒舌になった叶夢の話しをいつまでも楽しそうに聞いていた。こんな可愛い男子に慕われている自分が誇らしかった
「あ、これ、また食べて」
叶夢は京都駅で求めた京ばあむを陽に手渡した
京の文字がバームクーヘンになっている独特の紙袋である
「わざわざ買って来てくれたの?」
陽は紙袋を見て礼を言う
「関東では売ってなくてね」
京ばあむは関西でも京都でしか売ってない。関西の有名駅には必ずあると言うものでもない
「神戸や大阪でも売ってないよ」
叶夢は笑いながら言った
これを喜んでくれるなら次からは在来線で京都駅に向かい買ってきたら良いと思った
「そうなんだ。ありがとね」
叶夢が面倒をかけて買って来てくれたのが嬉しい
「帰ったら紅茶でも淹れるね。一緒に食べよ」
紙袋を受け取り2人は家路を急ぐのだった
『着いたよ』
ラインしてスタンプを送った
言葉だけだと無愛想かな?と、思ったからである
すぐ近くのコーヒーショップから陽が出てきた
「早く着いたら暇だったんでね」
叶夢には綺麗な共通語に聞こえる。叶夢は四国の香川出身で神戸の大学に進学した。家にお金がないので奨学金である
言葉は香川の四国弁。神戸では恥ずかしいので共通語もどきの関西弁で話している
関西弁と四国弁に共通点が多いためである
陽は和歌山出身である。和歌山の関西弁であった
和歌山弁は同じ関西人にも笑われることがある。また東京で仕事する機会も多いので関西弁交じりの共通語を話している
が、叶夢にはキレイな共通語に聞こえるらしい
「早くから来てくれていたの?」
叶夢は少し恐縮そうに尋ねた
陽は叶夢にとって奴隷ボーイから救ってくれた恩人でもあるので普通の恋仲とは違う感情もあった
「さっきついたところだよ」
陽は手のひらを振って否定した
「お茶でもして待つつもりで店に入った。暑いしお茶でもしよっか?」
確かに新幹線から降りると少し暑い
「そうですね。冷たいものでも………」
「じゃ決まり!!」
陽は元来た店に戻った
「いらっしゃいませ」
店の女の子が迎える
「やっぱり戻って来たよ」
陽は気さくに近くのウェイトレスさんに声をかけた
「おかえりなさい。待ち合わせの方とですね。いらっしゃいませ!」
女の子は叶夢を見て声をかけた。そして、
「お客様、お連れ様、凄いイケメンですね」
叶夢の風貌はやはり目に付く
「失礼しました」
女の子は改めて謝った
「なかなかイケてるだろう?」
陽は笑いながら言う。女の子は黙って頷いた
「もう、恥ずかしいから止めて!」
叶夢は真っ赤になって俯いた。こんなところが好きなんだ!陽はそう思った
席に案内されて叶夢は水を飲む。やはり暑かった…
お冷を飲むと一気に汗がひいた
そしてオーダーしたアイスコーヒーに涼しさを感じた
陽は暑さから解放されて饒舌になった叶夢の話しをいつまでも楽しそうに聞いていた。こんな可愛い男子に慕われている自分が誇らしかった
「あ、これ、また食べて」
叶夢は京都駅で求めた京ばあむを陽に手渡した
京の文字がバームクーヘンになっている独特の紙袋である
「わざわざ買って来てくれたの?」
陽は紙袋を見て礼を言う
「関東では売ってなくてね」
京ばあむは関西でも京都でしか売ってない。関西の有名駅には必ずあると言うものでもない
「神戸や大阪でも売ってないよ」
叶夢は笑いながら言った
これを喜んでくれるなら次からは在来線で京都駅に向かい買ってきたら良いと思った
「そうなんだ。ありがとね」
叶夢が面倒をかけて買って来てくれたのが嬉しい
「帰ったら紅茶でも淹れるね。一緒に食べよ」
紙袋を受け取り2人は家路を急ぐのだった
32
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる