奴隷島の青年たち

KEYちゃん

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陽と叶夢(その2)

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陽とは東京駅では銀の鈴で待ち合わせることにしている
『着いたよ』
ラインしてスタンプを送った
言葉だけだと無愛想かな?と、思ったからである
すぐ近くのコーヒーショップから陽が出てきた
「早く着いたら暇だったんでね」
叶夢には綺麗な共通語に聞こえる。叶夢は四国の香川出身で神戸の大学に進学した。家にお金がないので奨学金である
言葉は香川の四国弁。神戸では恥ずかしいので共通語もどきの関西弁で話している
関西弁と四国弁に共通点が多いためである
陽は和歌山出身である。和歌山の関西弁であった
和歌山弁は同じ関西人にも笑われることがある。また東京で仕事する機会も多いので関西弁交じりの共通語を話している
が、叶夢にはキレイな共通語に聞こえるらしい
「早くから来てくれていたの?」
叶夢は少し恐縮そうに尋ねた
陽は叶夢にとって奴隷ボーイから救ってくれた恩人でもあるので普通の恋仲とは違う感情もあった
「さっきついたところだよ」
陽は手のひらを振って否定した
「お茶でもして待つつもりで店に入った。暑いしお茶でもしよっか?」
確かに新幹線から降りると少し暑い
「そうですね。冷たいものでも………」
「じゃ決まり!!」
陽は元来た店に戻った

「いらっしゃいませ」
店の女の子が迎える
「やっぱり戻って来たよ」
陽は気さくに近くのウェイトレスさんに声をかけた
「おかえりなさい。待ち合わせの方とですね。いらっしゃいませ!」
女の子は叶夢を見て声をかけた。そして、
「お客様、お連れ様、凄いイケメンですね」
叶夢の風貌はやはり目に付く
「失礼しました」
女の子は改めて謝った
「なかなかイケてるだろう?」
陽は笑いながら言う。女の子は黙って頷いた
「もう、恥ずかしいから止めて!」
叶夢は真っ赤になって俯いた。こんなところが好きなんだ!陽はそう思った

席に案内されて叶夢は水を飲む。やはり暑かった…
お冷を飲むと一気に汗がひいた
そしてオーダーしたアイスコーヒーに涼しさを感じた
陽は暑さから解放されて饒舌になった叶夢の話しをいつまでも楽しそうに聞いていた。こんな可愛い男子に慕われている自分が誇らしかった

「あ、これ、また食べて」
叶夢は京都駅で求めた京ばあむを陽に手渡した
京の文字がバームクーヘンになっている独特の紙袋である
「わざわざ買って来てくれたの?」
陽は紙袋を見て礼を言う
「関東では売ってなくてね」
京ばあむは関西でも京都でしか売ってない。関西の有名駅には必ずあると言うものでもない
「神戸や大阪でも売ってないよ」
叶夢は笑いながら言った
これを喜んでくれるなら次からは在来線で京都駅に向かい買ってきたら良いと思った
「そうなんだ。ありがとね」
叶夢が面倒をかけて買って来てくれたのが嬉しい
「帰ったら紅茶でも淹れるね。一緒に食べよ」
紙袋を受け取り2人は家路を急ぐのだった
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