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陽と叶夢(その3)
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久しぶりに復活です
ボチボチ更新して行けたらと思います
「帰ろうか」
暑さと疲れが癒えた叶夢を見計らって陽が言う
「はい」
叶夢も素直に頷いた
東京駅からは中央線で新宿。そして京王で調布に向かう。マンモス駅だ。四国ではデカいとされている高松でもこんなに改札は広くない
この線は若い人も多いようだ
元奴隷ボーイ20号の実樹輝が通学する大学もこの沿線である。もっとも実樹輝も叶夢もお互いを知らない。奴隷ボーイであった時期に重なりがないからである。今、隣の席に座っていても解らない
駅を降りて緩い坂道を登ると陽の自宅がある。数年前に建て替えた一戸建てだ
数室ある部屋のうち一つを叶夢の部屋にしてくれている。あまり部屋に籠もることはないが、夏休みや冬休みなどでここで長期に過ごす時は陽を仕事に送り出すとここにいることになるだろう
「紅茶でいい?」
陽は京ばあむの紙袋を開きながら言った
「僕が淹れるよ」
叶夢が席を立った。キッチンの場所も大体は解る
「えっ?カップとか解る?」
陽はまだ数回しかここに来ていない叶夢の顔を見た
「相変わらず可愛い」
心の声が漏れた。叶夢は顔を真っ赤にしてしまった
「もう、何をいきなり!」
赤面した自分をごまかすつもりが叶夢は怒ってみせた
その顔も可愛いくて陽は後ろから抱きしめてしまった
「ごめんね。ついつい声に出ちゃったよ」
陽は叶夢の耳元で言う
少し感じる
「解ったから離して。紅茶淹れるから」
陽は叶夢を解放した
背の低い叶夢は背伸びして紅茶カップを取ろうとした。キッチンの吊戸棚にそれはある。陽のお気に入りのカップである
背の高い陽は背後からカップを取り出した
「ありがとう」
叶夢が言った
「陽さん、背、高いね~。いいなぁ」
とも
「叶夢みたいに小さい方が可愛いよ」
陽は笑いながら応えた
ここで怒ったらまた陽が気を使う
「褒めてるの?貶してるの?」
叶夢はティーポットを少し温めにオレンジペコのブレンド茶葉を適量入れた
カップにもポットのお湯を注ぎ温める
ティーポットに熱湯を注ぎスマホでタイムを計った
陽は紅茶にこだわりがあるからである
コーヒーも好きなのに無頓着なくせに
細々動く叶夢のため陽は京ばあむを切っておいてくれた。オシャレな皿に乗せる
「可愛いお皿ですね」
叶夢が言った
晩ご飯から少し歩いて帰ってきたのでちょうど小腹が空いた
「美味しい」
買ってきた叶夢が言うのは反則だがそれだけ陽と打ち解けているからかも知れない
「確かに!」
陽も応じた。好物でもある
「外国の人が並んでたよ。皆んな、美味しいものは知ってるんだね」
叶夢が伝えた
「もう少し切ろうか?」
陽が言うと叶夢はそれには断った
「もういいよ。あとはまたにしよう」
そう言うと陽は
「じゃ、これから叶夢を頂こう」
と笑った。叶夢は赤い顔して俯いた。ゆっくり時間が流れた
ボチボチ更新して行けたらと思います
「帰ろうか」
暑さと疲れが癒えた叶夢を見計らって陽が言う
「はい」
叶夢も素直に頷いた
東京駅からは中央線で新宿。そして京王で調布に向かう。マンモス駅だ。四国ではデカいとされている高松でもこんなに改札は広くない
この線は若い人も多いようだ
元奴隷ボーイ20号の実樹輝が通学する大学もこの沿線である。もっとも実樹輝も叶夢もお互いを知らない。奴隷ボーイであった時期に重なりがないからである。今、隣の席に座っていても解らない
駅を降りて緩い坂道を登ると陽の自宅がある。数年前に建て替えた一戸建てだ
数室ある部屋のうち一つを叶夢の部屋にしてくれている。あまり部屋に籠もることはないが、夏休みや冬休みなどでここで長期に過ごす時は陽を仕事に送り出すとここにいることになるだろう
「紅茶でいい?」
陽は京ばあむの紙袋を開きながら言った
「僕が淹れるよ」
叶夢が席を立った。キッチンの場所も大体は解る
「えっ?カップとか解る?」
陽はまだ数回しかここに来ていない叶夢の顔を見た
「相変わらず可愛い」
心の声が漏れた。叶夢は顔を真っ赤にしてしまった
「もう、何をいきなり!」
赤面した自分をごまかすつもりが叶夢は怒ってみせた
その顔も可愛いくて陽は後ろから抱きしめてしまった
「ごめんね。ついつい声に出ちゃったよ」
陽は叶夢の耳元で言う
少し感じる
「解ったから離して。紅茶淹れるから」
陽は叶夢を解放した
背の低い叶夢は背伸びして紅茶カップを取ろうとした。キッチンの吊戸棚にそれはある。陽のお気に入りのカップである
背の高い陽は背後からカップを取り出した
「ありがとう」
叶夢が言った
「陽さん、背、高いね~。いいなぁ」
とも
「叶夢みたいに小さい方が可愛いよ」
陽は笑いながら応えた
ここで怒ったらまた陽が気を使う
「褒めてるの?貶してるの?」
叶夢はティーポットを少し温めにオレンジペコのブレンド茶葉を適量入れた
カップにもポットのお湯を注ぎ温める
ティーポットに熱湯を注ぎスマホでタイムを計った
陽は紅茶にこだわりがあるからである
コーヒーも好きなのに無頓着なくせに
細々動く叶夢のため陽は京ばあむを切っておいてくれた。オシャレな皿に乗せる
「可愛いお皿ですね」
叶夢が言った
晩ご飯から少し歩いて帰ってきたのでちょうど小腹が空いた
「美味しい」
買ってきた叶夢が言うのは反則だがそれだけ陽と打ち解けているからかも知れない
「確かに!」
陽も応じた。好物でもある
「外国の人が並んでたよ。皆んな、美味しいものは知ってるんだね」
叶夢が伝えた
「もう少し切ろうか?」
陽が言うと叶夢はそれには断った
「もういいよ。あとはまたにしよう」
そう言うと陽は
「じゃ、これから叶夢を頂こう」
と笑った。叶夢は赤い顔して俯いた。ゆっくり時間が流れた
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