奴隷島の青年たち

KEYちゃん

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美樹輝と翔太のハロウィン(その3)

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玄関の呼び鈴、鍵を空ける音。そして、
「ただいま~」
と、翔太の声
「あれ~、美樹輝居ないのかなぁ…?」
翔太は独り言を言ってリビングの明かりを入れた
「美樹輝~、いないのォ?」
忘れ物を買いにでも行ったのかなぁ?
寝室から微かに美樹輝の声がする。何やら苦しんでいる声だ!
何があったのか?美樹輝を守ってやらないと!!
翔太は何時でも闘えるように身構えるながら寝室のドアを開けた。誰かに襲われているのかと思った。が、美樹輝は1人でいるようだ
「あれ?1人?病気?しんどいの?」
しんどいは元々関西弁だが今は普通の日本語と言って良い
「来ないで」
美樹輝はか細い声を出した。ベッドにうずくまっている。顔まですっぽりと布団を被っていた
「どうしたの?」
そっと翔太は美樹輝に近づいた
「布団少しめくって良い?」
翔太は美樹輝に優しく言う
「ダメ、絶対、ダメ」
美樹輝は強めに応じた
「どうしたの?言って」
布団の中で美樹輝は泣いているようだ。布団が小刻みに揺れた
少し沈黙が続いて、
「顔、ケガした。かなり酷いケガ」
美樹輝は悲しそうに言った
「病院は行ったの?」
「うん。跡は残るかなり酷くらしい」
「そうなんだ」
大好きだった美樹輝の可愛い顔。それが酷いケガをした
翔太はそう言ってから、
「布団めくるよ」
と、優しく言った。美樹輝は小さな声で
「うん」
と、言った
布団の中で目薬を指したから身体を上げた美樹輝の両眼から涙が伝う
「ケガしたのはホッペだね?」
ガーゼには血が滲んている
「ガーゼを替えなきゃ」
美樹輝がいう。薬局の紙袋には傷口に合わせたサイズのガーゼが何枚も入っている
美樹輝は血などで汚れたガーゼを取る。パックリと頬は割れ肉が見えている
美樹輝はガーゼに塗り薬を付けて頬にあてた
「見たでしょう?」
美樹輝は翔太に言った。こくりと翔太は頷いた
「もし美樹輝がその顔がいやなら………。俺、いっぱい稼いで美樹輝を美容整形に通わせる!」
「えっ?」
美樹輝は翔太を見返した
「嫌でないなら………。俺はそのままでも良い」
翔太は言った
「美樹輝、可愛い過ぎるもん。俺、心配で心配で………」
美樹輝が可愛い過ぎるので少しはケガしている方が安心だと

「こんなブサイクになっても愛してくれるの?」
美樹輝は少し泣いたあと、翔太に聞いた
「もちろん!」
翔太は即答した。可愛い美樹輝の顔に最初は好きになったけど今は全部が好きだ!
翔太はそんなことを言った。宣言とも言えた
段々、美樹輝は申し訳なくなってきた。そして堪えきれなくなって大笑いしてしまった
「ごめんなさい!」
美樹輝はガーゼを外した。そさて醜い傷口を親指と人差し指で摘んだ
「何をするの!!」
翔太は叱るように叫んだ。ケガはより酷くなるではないか!
が、醜い傷口は美樹輝の掌に収まり美樹輝の頬はいつも通りに戻った。やや絵の具かなんかが付いている
翔太は言葉に詰まった。現実が解らない
「ハッピーハロウィン!」
そう言って美樹輝は翔太に抱きついた
「ごめんね、嘘ついて」
翔太はその時は抱き返した

ただご飯の時に美樹輝をかなり叱った。どれだけ心配したと思っているんだ!と

しかし美樹輝の美味しい晩ごはん。好物がならんだ食卓にあっけなく許した
「しかし演技上手過ぎ!!」
こんなに可愛い容姿でこの演技力。俳優のオーディション受けた通るよ!
その日、2人は激しく抱き合ったのだった



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