奴隷島の青年たち

KEYちゃん

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陽太の受験(その2)

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学科試験が終わり、翌日は面接試験。この日は父の優馬の勧めで電車で学校に行った。合格後のことを思ってのことだ
受験生は受験票の番号ごとに教室にて待機。1学年上の先輩が迎えに来る
「受験番号2203の伊藤陽太君どうぞ」
新2年生だと思う。紺の学ラン制服をきた生徒が一人ひとり迎えに来るのだ。本来の同級生でもある
「はい」
陽太は少し緊張気味に立ち上がった
「緊張しなくて良いよ」
先輩は優しく笑ってくれた。翌年の今ごろ、陽太が先生に指名されて同じことをするのは先のお話し
リゾートで奴隷ボーイをしていた経歴は口が裂けても言えない。腎臓の病気で去年は受験ができなかったことになっている。また両親は事実、亡くなっており親戚の優馬が陽太を引き取り養子縁組したことになっている。
「ご両親を中学生の時に亡くされ大変だったね」
3人並ぶ面接の先生の1人に言われた。思い出すと本当に悲しい
「はい。思い出すと涙が出てきます」
陽太はそっと涙を拭った。その先生は悪いことを言ったと思い謝ってくれた
「腎臓の病気をしたんだね。去年の受験前に」
「はい。今の父に引き取って貰う前でしたので世田谷区にいました」
卒業中学は世田谷区立になっている
「今の父が大阪で仕事をしておりますのでこちらに引っ越ししてきました」
陽太が応じる
「1年遅れて勉強することになるけどそこは大丈夫?」
と聞かれると、
「もちろん、人生の中のたった1年のことですし、恥ずかしことをして遅れた訳ではないので…」
と答える。そのあたりは塾でも指導されている
面接試験も思ったより早く終わった。面接者も陽太を見て不良とは思わないだろうし、試験の内容も手応えがあった
「本日はありがとうございました」
一礼して教室を出るとさっき案内してくれた生徒が廊下で待っていてくれた
「どうだった?緊張した?」
と、聞いてくれる
「はい。めちゃくちゃ緊張しました。心臓バクバク言ってます」
陽太が言うとその先輩は笑っていた
「俺は中学からここだけど、それでも面接試験はあって、慣れた学校なのに緊張したよ~」
と、笑って返してくれた。この先輩な中学からの内部進学なのだろう
「ではこの学校、詳しそうですね。合格したら色々、教えて下さい」
半ば社交辞令で半ば本気で陽太は言った
「うん。必ず4月に会おうね!」
先輩が言う。先ほどの教室に戻ると、
「忘れ物がないんやったらもう帰って大丈夫やで」
陽太と話すのに慣れてきたのか少し訛って言った
「ありがとうございました。必ず4月、先輩にお会いしたいです!」
陽太の受験は終わった





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