奴隷島の青年たち

KEYちゃん

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番外編(保と涼介時々慎太郎その2)

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涼介は少し悩んでいた。もちろん、保とのことでの悩みである
保が涼介のことを好きなのは態度で解る。涼介が好きだと言えば全力で喜んでくれる
しかし時おり暗い表情になるのを涼介は見逃さない。多分、保の過去に何か深い闇のようなものがある。それを取り除くことはできないとしても心を共用してやりたい。涼介は思う
しかし問うても答えはくれないのも解る。時おり見せる表情の暗さがいつも屈託なく笑う可愛い保の闇が深いことを物語っている

慎太郎に
「保と奴隷ボーイ45号は別の人間だ!!」
奴隷ボーイ45号も心がキレイで保とは似ている。しかし境遇のかわいそうな男の子でしかも今はもういない。
桜塚保も心の綺麗さでは奴隷ボーイ45号と似ている。ルックスの良さも似ている。が、境遇は全然違う。運動神経はそれほどでもないが学力は高く裕福な家庭で名門高校の生徒である。誰もが羨む境遇ではないか
バラ色の未来しか見えてこない。そう背中を押され保も少しは明るさを取り戻した

その日、保は涼介を自宅に呼んでいた。保はケラス委員をまかされるまでになっている。その委員会の後に自宅で涼介に勉強を教えることになっていたのだ。が、委員会が少し長引いた。すぐに涼介にはラインしたのだが、手違いで涼介は保の自宅に来てしまった

インターホン越しで慎太郎が応対した
「まぁ上がって、うちで待ってて」

「お邪魔します」
涼介は慎太郎に爽やかに挨拶して家にきた
「とりあえずソファーにでも掛けてて」
「須藤君だっけ?コーヒーでいい?」
と、慎太郎は保の友人をもてなした
「保と仲良くしてくれてるみたいやね?ありがとうね」

「あの子はかわいそうな過去を持つ子でね」
慎太郎は保とは実の親子でなく親戚だと伝えておいた(実際は全くの他人)。本当の両親を失い悪い別の親戚にだまされ、両親の財産は乗っ取られ本人も年端もいかないうちから悪どい組織に人身売買の道具として扱われて性を売るようなこともさせられたみたいだ。それを知り保の借金を返して保を養子縁組して迎えた
その過去を抱いて、今も自分は穢れた人間だと思い詰めている。と、涼介に伝えた
「でも心根は親の私が言うのもどうかだけどすごく良い」
「それで保君は暗い顔をたまにするんですね」
と、涼介はいった
「もしよかったらそれでも保と仲良くしてやって欲しい」
慎太郎は続ける
「いや、そんな過去のある人間とはやっては行けないと言うならこのまま今日は帰って欲しい」
高校生にとっては重い話やわな。と、慎太郎も思う。やはり難しいか?
少しの沈黙のあと、
「帰りません。保とゆっくり話をしてアイツを支えてやりたい」
涼介は言った
『この二人は大丈夫!!』
慎太郎は確信した
やり取りをラインで聞いていた保もいつしか泣いていた

「俺、会社に少し忘れ物してきたから取ってくる。ごめんやけど保が帰って来るまで留守番お願いしてもええ?」
慎太郎はこの後、2人きりにしてやることにした
「はい」 
慎太郎の配慮が嬉しかった。涼介は明るく応じた
『今日は帰らないから』
慎太郎は保にラインしたのだった

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