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夢店屋 case2
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俺は今日も、一人、薄暗い部屋の中でPCを開いた。
【スレッド】ほぼ現実世界そのものの夢を見せてくれる店があるらしいwwwww
1:名無しの風来坊
らしいぞ。なんでも、自分が望んだ人生、一生分を体験できるらしい!ww
2:名無しの風来坊
嘘乙
3.名無しの風来坊
でもそれ、対価に自分の一番大事なもの奪われるって噂あるよな?
4.名無しの風来坊
また釣りか
5.名無しの風来坊
>>3.なにそれ怖い
6.名無しの風来坊
夢かぁ、、、現実にならないんならいいやw
俺は、変なスレッドを見つけた。
よくあるくだらない都市伝説スレだろうな。
と思って見ていると。
114.名無しの風来坊
やっぱりくだらない釣りスレだったな。こんな店、誰かの創作だろw
115.夢店屋の創設者
本当にあるけど、、?なんなら僕が店主だし。証明出来るよ?
いきなり、変なスレに変なやつが現れた。
なんなんだコイツ。なりすましか?クサイことするやつだな。
俺はちょっと、おちょくってやろうと思った。俺は高速でキーボードを叩く。
116.さすらいのネットマスター
>>115.なら証明してみせろ、創設者。
117.名無しの風来坊
さすらい来たwwwwwwwwwwww
118.名無しの風来坊
ネッマス来るとかこれ面白くなってきたぞw
俺は、一部ではネットで有名だ。ほんの一部の5ちゃんねるという最底辺の界隈でだが。
123.夢店屋の創設者
では、さすらいのネットマスターさん、あなたに今から招待状を送ります。
124.さすらいのネットマスター
いや、なんも来てないけど?w
だいたい招待状ってなんだよ。嘘くさいし面白くない。
もう、別のスレに行くかと思ったその時だった。
ピコンっとパソコンに一通のメールが届いた。
俺はまさかと思い、そのメールをクリックする。
そこには、件名 ご招待についてとあり、本文を見ると、
~招待状~
平崎 達哉 さん
あなたを、夢店屋まで特別にご招待致します。
興味があれば、この場所まで、この紙を持ってお越しください。
夢店屋創設者より
と書いてあり、住所も地図も添付ファイルに記載されていた。
「なんだよこれ、、、」
俺は声を震わせながら、独り言を呟いた。
俺の名前も、メールアドレスも教えていないのに。何故こいつは知っている、、
焦ってもう一度スレを確認する。
130.夢店屋の創設者
さすらいのネットマスターさん、届きましたかね?
俺は怖くなって、スレを閉じた。
なんなんだコイツは、新手のハッカーか?
落ち着け。俺の本名が知れたところで、ニートで引きこもりの俺には関係の無いことだ。悲しいことに俺なんかに興味のある人間はいない。
夢店屋か。現実のような理想の夢を見せてくれる店。アイツが本人だからといって、これが本当とは限らない。でも、俺にだって夢を見たくなる時はあった。あの時、ああしていればというやつだ。もし、仮にこれが本当だとしたらと考える程には俺はこの店のことが気になり始めていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺は、コンビニで漫画雑誌を立ち読みをしていた。
最近のコンビニは、立ち読み対策で、これまで読めていた漫画雑誌なども全て縛られるようになってしまった。そんな中、ここの田舎のコンビニは、まだそれがなされていない穴場のコンビニだ。俺はこのコンビニで立ち読みするのが習慣になっていた。人も全然来なくてちょうど良い。
ウィーンと店の扉が開いた。
珍しい。深夜のこの時間、来るやつはなかなかいないのに。
ま、どうでもいいかと思って、手元の雑誌に目線を戻す。
その時だった。
「やあやあ、君かなー?」
いきなり、さっき入ってきたであろう輩が話しかけてきた。
俺は話しかけられると思いもよらなくて、おっかなびっくり、体をのけぞった。
「なんだよーそんなに、ビビらなくてもいいじゃん」
俺の左横に体を寄せてきた黒いフードを被った男は、呑気にそう言う。なんだ、新手の不審者か?こいつ
「ど、どなたですか」
「え、もしや気づいてない?」
「は?」
「僕だよ僕。夢店屋の創立者、まさか覚えてない?ひらさ、」
「おおおい、、分かった。理解した。お前、公共の場で名前を言うな、プライバシーの侵害だぞ」
「へぇー、君にプライバシーなんてものがあるんだ」
「ちっ、お前どこまで知って」
「まぁ、君の身辺状況はざっとね」
「何者なんだよお前」
「さぁてね。まぁでも、夢店屋に来てくれるなら1つくらいは教えてやってもいいかな」
「俺に何をさせたい?」
「別に?僕はただお客様に満足して頂きたいだけさ」
「社畜みたいなこと言うんだな」
「ニートには分からないか」
「本当にイラつくやつだなお前」
「で?行くの?行かないの?こう見えても忙しいんだよ、僕」
「行けばいいんだろ行けば」
「あら素直。素直な人は、、別に好きでもないな。行こうか」
「なんなんだよほんとに」
俺は、奴に怪しい車に乗せられた。
奴は運転せず、助手席に乗り、俺は後部座席に乗った。
運転していたのは黒服の男だった。
「おい、俺を変な所へ連れてく気じゃないだろうな?」
中学生の見た目だからって舐めていたらやばいかもしれない。こんな大の大人を仕えているとは思わなかった。
「んなわけないじゃん、この僕が人身売買とかそういうアブナイやばいことすると思う?」
「...」
「しないから!黙るなよ。もう」
それ以降は話さずにただ車に揺られていた。
そして、いつの間にか到着していた。
森の中、不自然にそびえ立つ。一つの小さな家のような店。
俺と奴は車の中から出て、店に入った。
黒服は車の中で待っていて出てこなかった。
「では、改めて、ご来店ありがとうございます」
奴は改まって、燭台と何かの実験で使うような薬品やら実験道具が置かれたテーブルの椅子に座り、挨拶する。
先程話した時とは完全に雰囲気が変わっていた。明らかに営業モードだ。
「あなたの理想の人生の夢、見させてあげましょう、お金はいりません。ただし、あなたの一番大事なものを頂きます」
「いや、営業モードになってるとこ悪いんだけどさ、別に俺、お前が本物かとか本当に店はあるのかとか確かめたかっただけだし、、」
一番大事なものを奪われるとか怖いし、普通受けねぇだろこんなの。
「はぁー、、受ける気ないの、、それで、僕の秘密知らなくていいの?受けないと教えないけど」
「いや、お前はさっき、この店に来たら教えてあげるって言ったぞ?」
「ぎくり。仕方ないな、何が聞きたい?」
「何者なんだ?お前は」
「抽象的すぎるし、教えられない」
「何でも教えるんじゃないのかよ!」
「無理無理。プライバシーの侵害」
「俺のプライバシーは侵害しといてよく言えるよな、、」
「で、他には?」
「じゃ、名前教えろよ」
「名前なんかでいいの?」
「素性が聞けないなら、もうどうでもいい。名前でも何でもな」
「わかった、僕の名前は、、あっその前に」
「なんだ?」
「ちょっとした心理テストを受けてから、名前を言うよ」
「心理テスト?」
「心理テストというよりかは、ただの質問に近いかもしれないけど」
「めんどくせぇーなー、名前教えないからもう帰るぞ」
「あぁー、そこをなんとか!すぐ終わるからさ!お願いだから!」
と言ってら俺の前で両手を合わせ、必死に拝んでくる奴。ここまでお願いされたら断りずらい。
「ったく仕方ねぇーなー。すぐ終わるんだろ?じゃあやってやるよ、、」
「じゃ、質問させてもらうね」
「切り替えはやっ!」
「君は将来何になりたいの?」
最初の質問に、俺は数秒間沈黙した。
「なりたいものが、関係するのか?」
「うん」
「なりたいもの、、か。分からないな」
「じゃあ質問を変える、君の短所とか欠点ってある?」
「俺の短所か、、短所だらけだからな。難しいけど、強いて言うなら他人と比較して、羨んで、勝手に劣等感を抱く、独りよがりなところかもしれねえ」
「ふーん、意外とねちっこい性格してるんだねえ、見た目の割に」
「うるせえ」
「じゃあ、次の質問、趣味はある?」
「ネットかな」
「頻度はどれくらいやるの?」
「毎日」
「なんでそんなにやるのかな?」
「煽ってんのか?暇だからだよ、暇つぶし」
「さすがニートくん」
「お前さっきから煽ってるよな、、?」
「気のせいだよ。気のせい」
と言って流されるが、こいつ絶対やってやがる、、と俺は思った。
「これまでに一番感動したことを教えてほしいんだけど、、ある?」
「そうだな、、誰かに信頼されてなにか役割とか居場所を貰った時とかだけど、、具体的は覚えてないな」
「言いたくないだけじゃなくて?」
「ああ」
「分かった」
「じゃあ最後の質問、君はおそらくだけど人間関係に苦労してきたよね、その上で意識したこととか考えたことある?」
「、、、そうだな。なるべく目立たずに、平凡に生きていくってことかな。なんでも普通が一番だと思ってるし、俺が関わって楽なヤツとしか関わらなかった」
「ありがとう、質問に答えてくれたお礼にこれあげる」
「なんだこれ」
奴から手渡されたお守りは手のひらサイズもあって四角く、機械仕掛けのようで手触りは角張って固かった。金属製だ。スイッチのようなものをがあり、カチッと押すと四角いお守りがふたつに割れた。その中に古時計にあるような左右に揺れている金色の振り子が埋め込まれていた。
「よく見てみて、それは君の夢を叶えるお守りさ」
言われた通りにそれをじっくり見ていると、だんだんと視界が歪んでいき、意識が遠のいていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
チリリリン、チリリリンと目覚まし時計がけたたましく鳴った。
俺は目を覚ます。時計の針は午前6時を指していた。
俺こんなに早起き、というか目覚まし時計かけてたっけ、、
いや、俺新社会人だし!何言ってんだ!
早起きだったものだから寝ぼけていた。最近の仕事の疲れもあるだろうか。それかまだ大学生気分が抜けていなかったのかもしれない。
俺は、上場企業の大企業に、就職した。大した大学でもなく、頭も決していい訳では無い俺がこの企業に就職できた秘訣、それは、根拠の無い自信だった。それで、面接で熱意を伝えた結果、それが企業に伝わったのだ。
俺は、毎日仕事に励んでいる。就活の時も、ライバルはたくさんいて、俺より優秀なやつもたくさんいた。でも、そいつらに負けなかった。それは企業に入っても同じだ。同じく同期で入ったヤツらにも、負けたくなかった。
俺は、ひたすら同期の中の一番を狙って営業やらなんやらをこなした。必死だった。とにかく、何でもかんでも積極的に、自信を持って取り組んだ。その成果はちゃんと結果に出た。
「おー、さすがは!平崎くぅ~ん!今回も営業成績トップだよォ!みんな平崎くんを見習って!!」
「まぁ、まぁ、大したことでは無いですよ」
この営業部長の大袈裟なリアクションにももう慣れた。
こうやって、大袈裟に褒めることで、周りの社員の競走意欲を掻き立てるのだ。
俺は、出世コースまっしぐらだった。営業成績が良く、それが継続して続けられたことを会社から評価され、係長、課長、部長、そして管理職とステップアップして行った。
そして30代後半ながら、管理職をやっている有能若手社員という肩書きまでついた。
俺の仕事生活は順風満帆だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ねぇねぇ、同期の平崎、また昇級したんだってさ」
「へぇ~さすがは、たぬき人間だなぁ。良く言えば世渡り上手ってやつ?」
「アイツを良く言っちゃダメだろ。俺たちにとる態度と上司にとる態度のあの違い、みたか?俺達にはあんなに強く当たりやがってさぁ、、」
「営業の仕事だからって、ライバル意識強すぎるんだよな平崎。俺、アポ電の席隣だけど、まじでピリピリして怖かったよ」
「はぁ~あ、ほんとに報われないよねぇ、性格悪いやつ平崎みたいなやつほど、上に上がっていくんだからさぁ」
俺は深夜に夢を見て起きた。
同期の3人が、俺の悪口を言っている夢だ。
夢ではなく、本当にこう言われてそうだな、、と3人の同期の顔を思い浮かべながらそう思った。
「確かに、同期と頑張るじゃなくて、押し退けてきたもんな、、」
俺は寝起きのかすれ声でそう呟いた。
眠気が覚めてしまったので、ベットから降りて、洗面所で顔を洗う。
そして、鏡に映った俺の顔を見つめた。
俺、こんなに老けてたっけ。眉間にシワがよって、顔全体がやつれていた。人を寄せつけず、孤独な悲壮感を漂わせた顔つきになっていた。
「こんな、顔で睨まれたら怖いだろうな」
と思い、笑う。
俺は、仕事に全てを捧げ、そして職場でもリアルでも交友関係は持ってこなかった。
ひたすら一番を狙うために、遠慮を捨て、同情も捨て、気遣いも捨て、人間として大事な部分を捨てていた。
俺は、管理職まで登りつめるまでは、それでいいと、それが正しくて、自分の成すべきことなんだと思いやってきた。その自分は、活力があって、生き生きとしていて、やる気に満ち溢れていたから、その考え方は間違えじゃないんだと思っていた。
でも、管理職という地位まで登り詰めた今、生まれたのは迷いだった。
後悔に近い感情かもしれない。
ここまで登り詰めて、更なる上を目指すというのが俺の道。でも、暖かい家庭とか、仲のいい同僚と休日に遊ぶとか、ある程度上の地位についた俺にとって本当に欲しいものは、そういうものだった。
急にそれが、欲しくなってしまったのである。
でも結局、俺の道は、変わらなかった。
この道が本当に正しいのか、それを何度も考える日が多くなっていき、精神が安定しない日が続いたが、一度決まった道を引き返すのは、とても困難なものであると分かってからは、もう諦めて、前だけを見て、この道に進むことを決めた。
俺は、いつの間にか社長になって、社員をまとめる会社のトップ、ナンバーワンの存在になっていた。毎日が忙しく、そして責任感があり、やりがいがあった。取材も受けることがあったし、本を出版することもあった。色々な財界のお偉い様と話す機会もあり、知見も広がった。大変な毎日だったが、とても充実していた。人脈も広がり、一生では使い切れないお金も手に入れた。今にでも社長をやめていいほどの金だ。
客観的に見て、こんなにも、充実しているのに、俺の心はずっと満たされないままだった。
最期の最後、死ぬ時、俺は人の愛を求めていた。全てを捨て、1位だけを取ってそれを叶えた俺の最後に待っていたのは、孤独で、人の愛を求めている哀れな姿だった。
決して、社長になって会社のトップとして活躍したこれまでの人生がすべて悪かったわけじゃない。これが最初に自分の望んだことなのだから、納得している部分もある。それでも、やはり、最終的には人は愛を求めてしまう。それが人のサガなのだろう。
俺はその思いを抱えたまま、息を引き取った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おはようございます」
「おはよう、、、ってえ?」
いつの間に寝ていたのだろう。奴の声で飛び起きた俺は、自分が寝ていたことに驚いた。
「どうでしたか、、?夢の方は」
「おま、まさか」
「そのまさかです。お代はもう頂いたので、やり直しはききませんよ」
「お前が勝手に俺を眠らせたんだろう!こんなの詐欺じゃないか!」
俺は、奴に嵌められた事に激怒した。
「詐欺かぁ、、、人聞き悪いこと言うなぁ。君も夢が見たくてついて来たんでしょ?素直になりなよいい加減」
「でも、あんな夢、俺は望んでない」
「本当かな、そうは思えないけど」
「絶対望まねぇよ!孤独死なんて、、」
「じゃあ、心に聞いてみなよ。それで真意は掴めるはずさ」
俺は言われるままにそうした。今の自分が望むこと。それは素直にもう一度、就活を頑張って自分を信じてやってみる。自分ならできる。挑戦したいという気持ちだった。
「君は、就活に失敗して、自信を失って、ニート生活を送っている。そんな君は、ずっと就活を引きずって、悔しくて、いつか見返してやりたいって思ってたんじゃない?」
「そうかもしれない」
「でも、君にはそう出来る自信がなかった」
図星だった。いつも口だけで、行動は伴わなかった。感情的にやってやるという風になっても、前向きになっただけで前へは進めない。勇気が出なかった。
「君のお代でもらったもの、それは劣等感だよ」
「劣等感?」
「君は、劣等感のせいで周りと比べて、自信を無くし、人生が上手くいってなかった。でも逆にその劣等感のおかげで、人の痛みとか辛さとか苦しみが分かって、気遣いとか遠慮とか思いやりとか、人間に大切なものが備わったんだ。そして、その劣等感は君を苦しめながらも、君の大きなアイデンティティとして機能していたんだよ」
「だから、その劣等感が1番大事なもので、それを俺から奪ったと?」
「そう。でも、劣等感を奪っても大丈夫だったみたいだね」
「どうしてそう言い切れるんだ?」
「だって、今の君を見てると焦って無さそうだし。夢の時みたいに、大切なものを失ってない気がする。まぁ、劣等感は取っちゃったから、色んなことに挑戦しすぎて失敗して空回りするかもしれないけどねー」
奴は感覚的に軽くそう言う。そんな態度に俺は不安が募った。
「俺は、あの夢みたいなことにならずに、人生を、これからを歩めるだろうか?」
「うーん、わかんね。僕、未来人じゃないし」
「でも、一つだけ言えるのは、失って、得るものだってあるってことかな」
と奴は決め台詞のようにそう言った。
「失って、得るものか」
「その、失うものと得るものをどうするか。それは君次第だよ」
「...」
結局、俺はこの夢を見て、大事なものを失ったおかげで良い方向へ行くかは分からない。自分次第で変わるってことだ。
でも、変われるチャンスを得られたことは、俺にとって大きいことかもしれない。
「じゃあ、またどこかで会えたらよろしくねぇ~」
と言って奴は、ゆらゆらと手を振ってきた。
「もう会いたかねぇよ、、じゃあな」
「あっ!ちょっと待って!、僕の名前だけどさ、、、望(のぞむ)だよ」
「望かいい名前じゃんか」
俺はそう言って、照れくさく笑った。
「へへ、ありがとうニートくん。今の君ならニート脱出できるさ!」
「あ、おい、お前!また言ったな!名前で呼べよ!ニートっていうのが一番効くってわかって言ってるだろ!」
「アハハ、振り返ってみれば、ニートくんって呼び方に毎回キレてたもんねぇ!」
「おい、なんでそんなに楽しそうなんだよ!」
「いや、別に。僕はただ、君の、達也の夢が見れて満足なだけさ」
俺はその言葉を聞いて、その場を後にした。
夢店屋、、不思議な店で、不思議な奴だった。失うことで得るものがあるように、一見、マイナスな事も見方によっては良い事かもしれない。
俺は広い視野を持って、前へ一歩を踏み出した。
【スレッド】ほぼ現実世界そのものの夢を見せてくれる店があるらしいwwwww
1:名無しの風来坊
らしいぞ。なんでも、自分が望んだ人生、一生分を体験できるらしい!ww
2:名無しの風来坊
嘘乙
3.名無しの風来坊
でもそれ、対価に自分の一番大事なもの奪われるって噂あるよな?
4.名無しの風来坊
また釣りか
5.名無しの風来坊
>>3.なにそれ怖い
6.名無しの風来坊
夢かぁ、、、現実にならないんならいいやw
俺は、変なスレッドを見つけた。
よくあるくだらない都市伝説スレだろうな。
と思って見ていると。
114.名無しの風来坊
やっぱりくだらない釣りスレだったな。こんな店、誰かの創作だろw
115.夢店屋の創設者
本当にあるけど、、?なんなら僕が店主だし。証明出来るよ?
いきなり、変なスレに変なやつが現れた。
なんなんだコイツ。なりすましか?クサイことするやつだな。
俺はちょっと、おちょくってやろうと思った。俺は高速でキーボードを叩く。
116.さすらいのネットマスター
>>115.なら証明してみせろ、創設者。
117.名無しの風来坊
さすらい来たwwwwwwwwwwww
118.名無しの風来坊
ネッマス来るとかこれ面白くなってきたぞw
俺は、一部ではネットで有名だ。ほんの一部の5ちゃんねるという最底辺の界隈でだが。
123.夢店屋の創設者
では、さすらいのネットマスターさん、あなたに今から招待状を送ります。
124.さすらいのネットマスター
いや、なんも来てないけど?w
だいたい招待状ってなんだよ。嘘くさいし面白くない。
もう、別のスレに行くかと思ったその時だった。
ピコンっとパソコンに一通のメールが届いた。
俺はまさかと思い、そのメールをクリックする。
そこには、件名 ご招待についてとあり、本文を見ると、
~招待状~
平崎 達哉 さん
あなたを、夢店屋まで特別にご招待致します。
興味があれば、この場所まで、この紙を持ってお越しください。
夢店屋創設者より
と書いてあり、住所も地図も添付ファイルに記載されていた。
「なんだよこれ、、、」
俺は声を震わせながら、独り言を呟いた。
俺の名前も、メールアドレスも教えていないのに。何故こいつは知っている、、
焦ってもう一度スレを確認する。
130.夢店屋の創設者
さすらいのネットマスターさん、届きましたかね?
俺は怖くなって、スレを閉じた。
なんなんだコイツは、新手のハッカーか?
落ち着け。俺の本名が知れたところで、ニートで引きこもりの俺には関係の無いことだ。悲しいことに俺なんかに興味のある人間はいない。
夢店屋か。現実のような理想の夢を見せてくれる店。アイツが本人だからといって、これが本当とは限らない。でも、俺にだって夢を見たくなる時はあった。あの時、ああしていればというやつだ。もし、仮にこれが本当だとしたらと考える程には俺はこの店のことが気になり始めていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺は、コンビニで漫画雑誌を立ち読みをしていた。
最近のコンビニは、立ち読み対策で、これまで読めていた漫画雑誌なども全て縛られるようになってしまった。そんな中、ここの田舎のコンビニは、まだそれがなされていない穴場のコンビニだ。俺はこのコンビニで立ち読みするのが習慣になっていた。人も全然来なくてちょうど良い。
ウィーンと店の扉が開いた。
珍しい。深夜のこの時間、来るやつはなかなかいないのに。
ま、どうでもいいかと思って、手元の雑誌に目線を戻す。
その時だった。
「やあやあ、君かなー?」
いきなり、さっき入ってきたであろう輩が話しかけてきた。
俺は話しかけられると思いもよらなくて、おっかなびっくり、体をのけぞった。
「なんだよーそんなに、ビビらなくてもいいじゃん」
俺の左横に体を寄せてきた黒いフードを被った男は、呑気にそう言う。なんだ、新手の不審者か?こいつ
「ど、どなたですか」
「え、もしや気づいてない?」
「は?」
「僕だよ僕。夢店屋の創立者、まさか覚えてない?ひらさ、」
「おおおい、、分かった。理解した。お前、公共の場で名前を言うな、プライバシーの侵害だぞ」
「へぇー、君にプライバシーなんてものがあるんだ」
「ちっ、お前どこまで知って」
「まぁ、君の身辺状況はざっとね」
「何者なんだよお前」
「さぁてね。まぁでも、夢店屋に来てくれるなら1つくらいは教えてやってもいいかな」
「俺に何をさせたい?」
「別に?僕はただお客様に満足して頂きたいだけさ」
「社畜みたいなこと言うんだな」
「ニートには分からないか」
「本当にイラつくやつだなお前」
「で?行くの?行かないの?こう見えても忙しいんだよ、僕」
「行けばいいんだろ行けば」
「あら素直。素直な人は、、別に好きでもないな。行こうか」
「なんなんだよほんとに」
俺は、奴に怪しい車に乗せられた。
奴は運転せず、助手席に乗り、俺は後部座席に乗った。
運転していたのは黒服の男だった。
「おい、俺を変な所へ連れてく気じゃないだろうな?」
中学生の見た目だからって舐めていたらやばいかもしれない。こんな大の大人を仕えているとは思わなかった。
「んなわけないじゃん、この僕が人身売買とかそういうアブナイやばいことすると思う?」
「...」
「しないから!黙るなよ。もう」
それ以降は話さずにただ車に揺られていた。
そして、いつの間にか到着していた。
森の中、不自然にそびえ立つ。一つの小さな家のような店。
俺と奴は車の中から出て、店に入った。
黒服は車の中で待っていて出てこなかった。
「では、改めて、ご来店ありがとうございます」
奴は改まって、燭台と何かの実験で使うような薬品やら実験道具が置かれたテーブルの椅子に座り、挨拶する。
先程話した時とは完全に雰囲気が変わっていた。明らかに営業モードだ。
「あなたの理想の人生の夢、見させてあげましょう、お金はいりません。ただし、あなたの一番大事なものを頂きます」
「いや、営業モードになってるとこ悪いんだけどさ、別に俺、お前が本物かとか本当に店はあるのかとか確かめたかっただけだし、、」
一番大事なものを奪われるとか怖いし、普通受けねぇだろこんなの。
「はぁー、、受ける気ないの、、それで、僕の秘密知らなくていいの?受けないと教えないけど」
「いや、お前はさっき、この店に来たら教えてあげるって言ったぞ?」
「ぎくり。仕方ないな、何が聞きたい?」
「何者なんだ?お前は」
「抽象的すぎるし、教えられない」
「何でも教えるんじゃないのかよ!」
「無理無理。プライバシーの侵害」
「俺のプライバシーは侵害しといてよく言えるよな、、」
「で、他には?」
「じゃ、名前教えろよ」
「名前なんかでいいの?」
「素性が聞けないなら、もうどうでもいい。名前でも何でもな」
「わかった、僕の名前は、、あっその前に」
「なんだ?」
「ちょっとした心理テストを受けてから、名前を言うよ」
「心理テスト?」
「心理テストというよりかは、ただの質問に近いかもしれないけど」
「めんどくせぇーなー、名前教えないからもう帰るぞ」
「あぁー、そこをなんとか!すぐ終わるからさ!お願いだから!」
と言ってら俺の前で両手を合わせ、必死に拝んでくる奴。ここまでお願いされたら断りずらい。
「ったく仕方ねぇーなー。すぐ終わるんだろ?じゃあやってやるよ、、」
「じゃ、質問させてもらうね」
「切り替えはやっ!」
「君は将来何になりたいの?」
最初の質問に、俺は数秒間沈黙した。
「なりたいものが、関係するのか?」
「うん」
「なりたいもの、、か。分からないな」
「じゃあ質問を変える、君の短所とか欠点ってある?」
「俺の短所か、、短所だらけだからな。難しいけど、強いて言うなら他人と比較して、羨んで、勝手に劣等感を抱く、独りよがりなところかもしれねえ」
「ふーん、意外とねちっこい性格してるんだねえ、見た目の割に」
「うるせえ」
「じゃあ、次の質問、趣味はある?」
「ネットかな」
「頻度はどれくらいやるの?」
「毎日」
「なんでそんなにやるのかな?」
「煽ってんのか?暇だからだよ、暇つぶし」
「さすがニートくん」
「お前さっきから煽ってるよな、、?」
「気のせいだよ。気のせい」
と言って流されるが、こいつ絶対やってやがる、、と俺は思った。
「これまでに一番感動したことを教えてほしいんだけど、、ある?」
「そうだな、、誰かに信頼されてなにか役割とか居場所を貰った時とかだけど、、具体的は覚えてないな」
「言いたくないだけじゃなくて?」
「ああ」
「分かった」
「じゃあ最後の質問、君はおそらくだけど人間関係に苦労してきたよね、その上で意識したこととか考えたことある?」
「、、、そうだな。なるべく目立たずに、平凡に生きていくってことかな。なんでも普通が一番だと思ってるし、俺が関わって楽なヤツとしか関わらなかった」
「ありがとう、質問に答えてくれたお礼にこれあげる」
「なんだこれ」
奴から手渡されたお守りは手のひらサイズもあって四角く、機械仕掛けのようで手触りは角張って固かった。金属製だ。スイッチのようなものをがあり、カチッと押すと四角いお守りがふたつに割れた。その中に古時計にあるような左右に揺れている金色の振り子が埋め込まれていた。
「よく見てみて、それは君の夢を叶えるお守りさ」
言われた通りにそれをじっくり見ていると、だんだんと視界が歪んでいき、意識が遠のいていった。
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チリリリン、チリリリンと目覚まし時計がけたたましく鳴った。
俺は目を覚ます。時計の針は午前6時を指していた。
俺こんなに早起き、というか目覚まし時計かけてたっけ、、
いや、俺新社会人だし!何言ってんだ!
早起きだったものだから寝ぼけていた。最近の仕事の疲れもあるだろうか。それかまだ大学生気分が抜けていなかったのかもしれない。
俺は、上場企業の大企業に、就職した。大した大学でもなく、頭も決していい訳では無い俺がこの企業に就職できた秘訣、それは、根拠の無い自信だった。それで、面接で熱意を伝えた結果、それが企業に伝わったのだ。
俺は、毎日仕事に励んでいる。就活の時も、ライバルはたくさんいて、俺より優秀なやつもたくさんいた。でも、そいつらに負けなかった。それは企業に入っても同じだ。同じく同期で入ったヤツらにも、負けたくなかった。
俺は、ひたすら同期の中の一番を狙って営業やらなんやらをこなした。必死だった。とにかく、何でもかんでも積極的に、自信を持って取り組んだ。その成果はちゃんと結果に出た。
「おー、さすがは!平崎くぅ~ん!今回も営業成績トップだよォ!みんな平崎くんを見習って!!」
「まぁ、まぁ、大したことでは無いですよ」
この営業部長の大袈裟なリアクションにももう慣れた。
こうやって、大袈裟に褒めることで、周りの社員の競走意欲を掻き立てるのだ。
俺は、出世コースまっしぐらだった。営業成績が良く、それが継続して続けられたことを会社から評価され、係長、課長、部長、そして管理職とステップアップして行った。
そして30代後半ながら、管理職をやっている有能若手社員という肩書きまでついた。
俺の仕事生活は順風満帆だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ねぇねぇ、同期の平崎、また昇級したんだってさ」
「へぇ~さすがは、たぬき人間だなぁ。良く言えば世渡り上手ってやつ?」
「アイツを良く言っちゃダメだろ。俺たちにとる態度と上司にとる態度のあの違い、みたか?俺達にはあんなに強く当たりやがってさぁ、、」
「営業の仕事だからって、ライバル意識強すぎるんだよな平崎。俺、アポ電の席隣だけど、まじでピリピリして怖かったよ」
「はぁ~あ、ほんとに報われないよねぇ、性格悪いやつ平崎みたいなやつほど、上に上がっていくんだからさぁ」
俺は深夜に夢を見て起きた。
同期の3人が、俺の悪口を言っている夢だ。
夢ではなく、本当にこう言われてそうだな、、と3人の同期の顔を思い浮かべながらそう思った。
「確かに、同期と頑張るじゃなくて、押し退けてきたもんな、、」
俺は寝起きのかすれ声でそう呟いた。
眠気が覚めてしまったので、ベットから降りて、洗面所で顔を洗う。
そして、鏡に映った俺の顔を見つめた。
俺、こんなに老けてたっけ。眉間にシワがよって、顔全体がやつれていた。人を寄せつけず、孤独な悲壮感を漂わせた顔つきになっていた。
「こんな、顔で睨まれたら怖いだろうな」
と思い、笑う。
俺は、仕事に全てを捧げ、そして職場でもリアルでも交友関係は持ってこなかった。
ひたすら一番を狙うために、遠慮を捨て、同情も捨て、気遣いも捨て、人間として大事な部分を捨てていた。
俺は、管理職まで登りつめるまでは、それでいいと、それが正しくて、自分の成すべきことなんだと思いやってきた。その自分は、活力があって、生き生きとしていて、やる気に満ち溢れていたから、その考え方は間違えじゃないんだと思っていた。
でも、管理職という地位まで登り詰めた今、生まれたのは迷いだった。
後悔に近い感情かもしれない。
ここまで登り詰めて、更なる上を目指すというのが俺の道。でも、暖かい家庭とか、仲のいい同僚と休日に遊ぶとか、ある程度上の地位についた俺にとって本当に欲しいものは、そういうものだった。
急にそれが、欲しくなってしまったのである。
でも結局、俺の道は、変わらなかった。
この道が本当に正しいのか、それを何度も考える日が多くなっていき、精神が安定しない日が続いたが、一度決まった道を引き返すのは、とても困難なものであると分かってからは、もう諦めて、前だけを見て、この道に進むことを決めた。
俺は、いつの間にか社長になって、社員をまとめる会社のトップ、ナンバーワンの存在になっていた。毎日が忙しく、そして責任感があり、やりがいがあった。取材も受けることがあったし、本を出版することもあった。色々な財界のお偉い様と話す機会もあり、知見も広がった。大変な毎日だったが、とても充実していた。人脈も広がり、一生では使い切れないお金も手に入れた。今にでも社長をやめていいほどの金だ。
客観的に見て、こんなにも、充実しているのに、俺の心はずっと満たされないままだった。
最期の最後、死ぬ時、俺は人の愛を求めていた。全てを捨て、1位だけを取ってそれを叶えた俺の最後に待っていたのは、孤独で、人の愛を求めている哀れな姿だった。
決して、社長になって会社のトップとして活躍したこれまでの人生がすべて悪かったわけじゃない。これが最初に自分の望んだことなのだから、納得している部分もある。それでも、やはり、最終的には人は愛を求めてしまう。それが人のサガなのだろう。
俺はその思いを抱えたまま、息を引き取った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おはようございます」
「おはよう、、、ってえ?」
いつの間に寝ていたのだろう。奴の声で飛び起きた俺は、自分が寝ていたことに驚いた。
「どうでしたか、、?夢の方は」
「おま、まさか」
「そのまさかです。お代はもう頂いたので、やり直しはききませんよ」
「お前が勝手に俺を眠らせたんだろう!こんなの詐欺じゃないか!」
俺は、奴に嵌められた事に激怒した。
「詐欺かぁ、、、人聞き悪いこと言うなぁ。君も夢が見たくてついて来たんでしょ?素直になりなよいい加減」
「でも、あんな夢、俺は望んでない」
「本当かな、そうは思えないけど」
「絶対望まねぇよ!孤独死なんて、、」
「じゃあ、心に聞いてみなよ。それで真意は掴めるはずさ」
俺は言われるままにそうした。今の自分が望むこと。それは素直にもう一度、就活を頑張って自分を信じてやってみる。自分ならできる。挑戦したいという気持ちだった。
「君は、就活に失敗して、自信を失って、ニート生活を送っている。そんな君は、ずっと就活を引きずって、悔しくて、いつか見返してやりたいって思ってたんじゃない?」
「そうかもしれない」
「でも、君にはそう出来る自信がなかった」
図星だった。いつも口だけで、行動は伴わなかった。感情的にやってやるという風になっても、前向きになっただけで前へは進めない。勇気が出なかった。
「君のお代でもらったもの、それは劣等感だよ」
「劣等感?」
「君は、劣等感のせいで周りと比べて、自信を無くし、人生が上手くいってなかった。でも逆にその劣等感のおかげで、人の痛みとか辛さとか苦しみが分かって、気遣いとか遠慮とか思いやりとか、人間に大切なものが備わったんだ。そして、その劣等感は君を苦しめながらも、君の大きなアイデンティティとして機能していたんだよ」
「だから、その劣等感が1番大事なもので、それを俺から奪ったと?」
「そう。でも、劣等感を奪っても大丈夫だったみたいだね」
「どうしてそう言い切れるんだ?」
「だって、今の君を見てると焦って無さそうだし。夢の時みたいに、大切なものを失ってない気がする。まぁ、劣等感は取っちゃったから、色んなことに挑戦しすぎて失敗して空回りするかもしれないけどねー」
奴は感覚的に軽くそう言う。そんな態度に俺は不安が募った。
「俺は、あの夢みたいなことにならずに、人生を、これからを歩めるだろうか?」
「うーん、わかんね。僕、未来人じゃないし」
「でも、一つだけ言えるのは、失って、得るものだってあるってことかな」
と奴は決め台詞のようにそう言った。
「失って、得るものか」
「その、失うものと得るものをどうするか。それは君次第だよ」
「...」
結局、俺はこの夢を見て、大事なものを失ったおかげで良い方向へ行くかは分からない。自分次第で変わるってことだ。
でも、変われるチャンスを得られたことは、俺にとって大きいことかもしれない。
「じゃあ、またどこかで会えたらよろしくねぇ~」
と言って奴は、ゆらゆらと手を振ってきた。
「もう会いたかねぇよ、、じゃあな」
「あっ!ちょっと待って!、僕の名前だけどさ、、、望(のぞむ)だよ」
「望かいい名前じゃんか」
俺はそう言って、照れくさく笑った。
「へへ、ありがとうニートくん。今の君ならニート脱出できるさ!」
「あ、おい、お前!また言ったな!名前で呼べよ!ニートっていうのが一番効くってわかって言ってるだろ!」
「アハハ、振り返ってみれば、ニートくんって呼び方に毎回キレてたもんねぇ!」
「おい、なんでそんなに楽しそうなんだよ!」
「いや、別に。僕はただ、君の、達也の夢が見れて満足なだけさ」
俺はその言葉を聞いて、その場を後にした。
夢店屋、、不思議な店で、不思議な奴だった。失うことで得るものがあるように、一見、マイナスな事も見方によっては良い事かもしれない。
俺は広い視野を持って、前へ一歩を踏み出した。
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