新米神様、世界を創る

黒蓬

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44.心の支えとなるもの

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セイルは水晶球に映る荒廃した世界をじっと見つめていた。青空の一部を取り戻しつつあるとはいえ、世界全体を再生するにはまだ果てしない道のりが残されている。そのことに気を取られすぎていたのか、ふと気が緩み水晶球から目を離して大きく伸びをした。
視線を上げると、少し離れたところで微笑みながらこちらを見ていたフィエナと目が合った。

「あぁ、フィエナか。」

セイルは慌てて身を起こし、少し照れ臭そうに声をかけた。

「今日もありがとうな。最近、俺の世界をフィエナや精霊たちにほとんど任せっきりになってしまっていて……本当にごめん。」

彼の言葉には、真剣な響きがあった。自分の世界を守るべき神として、彼女たちに負担をかけていることへの罪悪感が滲んでいる。

フィエナは驚いたように目を瞬かせたが、すぐに優しい笑みを浮かべた。

「そんな、謝らないでください。セイル様のサポートをするのが私の役目ですから。それに、セイル様がなさっているのはとても素晴らしいことです。」

「いや、それでもさ……」

セイルは目を伏せ、拳を握りしめた。

「自分の世界を後回しにして、ほかの世界を優先するなんて、もしかしたら俺は神失格なのかもしれない。」

フィエナは首を振り、そっとセイルの肩に手を置いた。

「セイル様がミレネア様の世界を再生しようと決意したとき、私も、そして精霊たちも、その選択を心から応援すると決めました。あなたが他の神様の思いを背負い、滅びた世界を救おうとする姿を見て、私たちは誇りに思っています。」

その言葉に、セイルは顔を上げた。フィエナの瞳は揺るぎない信頼と温かな思いやりに満ちていた。

「私たちはセイル様の世界を守りながら、再び命が生まれるその瞬間を一緒に見届けるつもりです。どうかご安心ください。」

フィエナが微笑むその姿は、天使のように見えた。……いや、見えたも何も彼女は本当に天使だった。
セイルは思わず肩の力を抜き、笑みを返した。

「本当にありがとう、フィエナ。俺のサポートに来てくれたのがフィエナで良かった。」

「…そう言って頂けるだけで十分です。これからもお支えしますね。」

フィエナは少し照れたように顔を赤らめて静かにそう答えた。その声は穏やかで優しかった。
セイルは決意を新たにし、水晶球に映る世界に目を戻した。支えてくれる仲間たちの存在に応えなければならない――そう心に誓いながら。
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